山村美紗のレビュー一覧

  • 黒百合の棺
    本にR13,R15,R18の指定があるのなら,本書はR15指定だろう。
    人によってはR18,R13という人もいるかもしれない。

    山村美紗の10冊に1冊はR指定をした方がよいかもしれない。
  • 龍野武者行列殺人事件
    山村美紗がなくなった後に,西村京太郎が書きついだと言われる2作品の1つ。
    お互いが未発表の作品を書き継いで出すとのことが西村京太郎の後書きに書かれている。
    結末を教えてもらっていなかったので苦しんだとのこと。

    いっそ最終章は3分岐くらいにして,最終章1,最終章2,最終章3
    として3つの結末...続きを読む
  • 伊勢志摩殺人事件
    京都よりも伊勢志摩に行った回数のが多いので、本書は他の作品に比べて親しみが持てました。

    真珠の話題は、人工真珠と模造真珠があることを知りました。
    ミキモト真珠や田崎真珠のように知っている会社名があったので、
    事件の舞台の会社も実在するのかと錯覚しそうでした。

    真珠の真贋の見分けが難しいこ...続きを読む
  • 愛の危険地帯
    山村美紗がなくなる少し前に発行され、亡くなってから文庫化されたので、
    作品一覧がついている。

    内容は京都もので、犯人は全くわかりませんでした。
    主人公の田村菜津子は山村美紗の分身のようです。

    主人公だけの視点で書かれているので、主人公以外の情報はなく、
    きっと主人公も最後に驚いてたので...続きを読む
  • 京都・宇治川殺人事件
    解説によると、
    1963年に江戸川乱歩賞の予選通過した、「冷たすぎる屍体」に続き
    1965年に予選通過した「歪んだ階段」が本書だとの事。

    朝鮮半島から引き揚げてきた人の物語なので、
    古い話だとは思ったが,そんな初期の作品であることを感じさせない大作に鳴っている。

    最後の展開が、やや性急...続きを読む
  • 故人の縊死により
    検死官 江夏冬子 が登場する5つの短編集。

    故人の縊死により
     は,最終的に故人の縊死が尊重されたという意味で標題が重い。
    不自然な溺死体
     不自然な溺死体は,検死官の直感が働く。
    テレホンカード殺人事件
    名神高速殺人事件
    告発の手紙
     といずれも劣らぬ内容で,テレビドラマに仕立て...続きを読む
  • 京都・沖縄殺人事件
    山村美紗の本を30冊ほど読んだところで,
    山村美紗が、すごく頭のいい人だということが分かった。

    本書の「京都,沖縄殺人事件」のように、
    京都にいるひとが、沖縄で殺されれば,
    京都の話題もふんだんに入れることができる。

    狩矢刑事も登場させることができる。

    自分の得意な土俵で相撲を取る...続きを読む
  • 京都紫野殺人事件
    東京から京都への新幹線の中での殺人事件。
    名古屋での下車か、名古屋での乗車の筋書きの検討がある。

    なぜか名古屋の描写はほとんどないことを考えると,
    京都に住んでいる人が書いたものらしく感じられた。

    被害者の知人の杉田が怪しいと思って,
    ずっと読み進んだが,ちょっと合点がいかない結末。 ...続きを読む
  • 小京都 伊賀上野殺人事件
    テレビドラマの原作者らしいテレビねた.
    推理作家の沢木麻沙子がニュースキャスターをしているとの事.

    山村美紗はニュースキャスタ-をしたことがあるのだろうか.
    京都のテレビをほとんど見た事が無いので分からない.
    よくテレビ局の裏側がよくわかっている.

    話は,こんぐりがらがえって,人間関係...続きを読む
  • 殺意のまつり
    残酷な旅路
    恐怖の賀状
    50パーセントの幸福
    黒枠の写真
    死者の掌
    孤独な証言
    殺意のまつり
    の7つの短編集。

    解説は鮎川哲也

    残酷な旅路は、西村京太郎が、自作の「南神威島」と対比させて、「南神威島の頃」という随筆を書いている。
    西村京太郎が山村美紗に影響を与えたのか、山村美...続きを読む
  • 鳥獣の寺
    京都の6カ所の寺での事件を取り上げる
    蟹寺こと蟹満寺
    亀寺こと雪舟寺
    竜寺こと竜源寺
    雀寺こと更雀寺
    鳥獣戯画寺こと高山寺
    猪寺こと建仁寺塔頭
    と,鳥や獣の名前の寺である。

    文庫では1冊ですが、最初は上下で発行されています。
    また、
    山村美紗長編推理選集  第2巻
    にも入って...続きを読む
  • 坂本龍馬殺人事件
    坂本龍馬は高知の人だから、高知が舞台になっているのかと思っていました。
    坂本龍馬を全くなにも知らない事を思い知らされました。

    京都を舞台にした坂本龍馬の活動と,
    女性との関係が洗いざらい分かります。

    キャサリンが扱うと,どんなものでも、微に入り細に入り明らかになって行きます。
    一郎がよ...続きを読む
  • 京都・バリ島殺人旅行
    キャサリンがホームズ役で
    浜口一郎がワトソン役で
    綴られる素人探偵物語。

    京都を根城にしていて、今回はバリ島へいく。

    1993年版の光文社文庫には登場人物一覧は無い。
    解説は詩人の郷原宏が書いている。

    「女性らしいきめこまやかな心理描写」とのこと。

    他の作品は京都の話題満載なの...続きを読む
  • ヘア・デザイナー殺人事件
    密室の女王という意味では、本書でアガサクリスティを超えたと思う.
    キャサリンがつぎつぎと密室の秘密を解いて行く.
    アメリカ人という設定で、自分ではなれなかった女王の立場を確立しようとしているように思えた.
    英語などに翻訳して、国際的にも密室の女王として評価されるようにしてあげたいと思った.
    ...続きを読む
  • ミス振袖殺人事件
    キャサリンがミス振袖の審査員になる。
    いくところ必ず殺人があるのだが、
    性格が特別なのか,さほど苦にならない。

    興味心が旺盛で,日本の文化を吸収しようとしたり、
    京都の文化,名跡をひとつづつ辿ってもらえるのはありがたいです。

    京菓子殺人事件は、ほかの事件と違って、ちょっと悲しい結末です...続きを読む
  • グルメ列車殺人事件
    グルメ列車殺人事件は、
    東海道新幹線に食堂車(ビュッフェ)や個室があった時代
    東京大阪間の時間がどんどん短くなっていくとともに、
    食堂車や個室がなくなってしまった。

    現在は,喫煙車が減っている。

    ひかりで米原に止まる列車の話題は、面白い。
    名古屋の描写は、いつもながら手抜きなのが悲し...続きを読む
  • 小樽地獄坂の殺人
    遺言にあった遺産分割の相手を追って行くと、
    自分の父親の犯罪の可能性に迫って行く.

    それでも真実を知りたいという子供の思いに、
    まわりの人たちが協力する.

    最後のどんでん返しは、3分の2あたりのところで、
    もう犯人はほかにいないということが匂って来た.

    よみごたえがある物語だと思う...続きを読む
  • 乳房のない死体
    全体にはよくかけている作品が多い、短編集。

    山村美紗らしい,細かい描写が多いが、標題作品だけができが悪そうな気がしています。

    犯人の意外さに重点を置きすぎて、細かいところが書ききれていないのかも。

    最後の標題の短編が、いちばんなんだかなというところが残念。

    R15指定をしてほしい。
  • 山陽路殺人事件
    東京の人が山陽路を旅行して殺人事件に遭遇する。
    次の殺人は京都。

    うまく京都を取り入れて、狩矢警部が現れる。
    山村美紗ならではの趣向。

    あまりに京都ばかりの事件だと、関東での本の売れ行きが悪くなるのだろうか。
    いらぬ心配をしてしまいました。

    男女の友達旅行の難しさも感じました。
  • 京都の祭に人が死ぬ
    京都の祭りに関する7つの短編集。
    京都の祭りの勉強になる。

    殺人事件がついてまわっているので、ついでに殺人事件を思い出してしまうかもしれない。
    最初に殺人があったもの、最後に殺人があるもの、いろとりどりとした短編集です。

    山村美紗が京都通で,ミステリの女王であることがわかる。