山村美紗のレビュー一覧

  • 百人一首殺人事件

    山村美紗氏らしい推理小説

    「花の棺」に続く「名探偵キャサリンシリーズ」の第2弾です。「花の棺」同様、主人公で元アメリカ副大統領令嬢のキャサリンが、それも異常なほどに日本文化に興味を示しています。この推理小説の、「麻生ユカリ」と言う女性が元旦に京都の八坂神社で刺殺され、百人一首を編集しました「藤原定家」の和歌の字札が発見されると言うプロローグがとても素晴らしかったです。また、連続殺人事件の最後の被害者の「野上春彦」の死体と一緒に発見された「源重之」の和歌の絵札によって「小菊」と言う舞妓が連続殺人事件の真犯人だと判明したと言う物語の展開もとても素晴らしかったです。連続殺人事件とは無関係ですが、天智天皇の和歌も登場して大変面

    #タメになる #ドキドキハラハラ #怖い

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    2022年10月31日
  • 京都不倫旅行殺人事件

    初の山村美紗作品

    僕が偶然書店でこの推理小説の文庫本を目にしたのは年号が「昭和」から「平成」に変わろうとしていた時の事でした。この推理小説の文庫本のカバーに印刷されていました山村美紗氏の写真がとても素敵でした。何と言いましても彼女が美人でしたから。僕はこの頃から次第に彼女の推理小説にのめり込んでいきました。又、この当時は大和和紀先生の「あさきゆめみし」と言う漫画が大ヒットしていまして、「エースをねらえ!」の「宗方仁の死後のあらすじ」のアニメ化も着実に進行していました。この推理小説の主人公の、不倫の恋に悩む「三原麻知子」と言う女性の身の周りで次々と殺人事件が発生し、彼女と仲の良かった「野川ユミ」と言う女性が連続殺

    #ドキドキハラハラ #感動する #怖い

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    2022年10月27日
  • 琵琶湖別荘殺人事件

    山村美紗作品の最高傑作

    僕は山村美紗氏の大ファンでしたが、その中でもこの「琵琶湖別荘殺人事件」が一番面白かったです。琵琶湖畔のキャサリンの別荘でのパーディーの最中に「野村陽子」と言う女性に「2416875」と書かれた脅迫状を突きつけられて毒殺されました「大山春彦」と言う大学生が実は「野村陽子」の妹を死に追いやって連続殺人事件の原因を作った人物だったと言うあらすじがとても素晴らしかったですし、キャサリンと彼女の恋人の「浜口一郎」が「2416875」と言う数字の暗号の謎を解いたのもとても素晴らしかったです。山村美紗氏が他界されたのは僕がこの推理小説を読み終えてから数年後の出来事でした。僕の目がまだ黒いうちに第2,第3の山

    #泣ける #ドキドキハラハラ #感動する

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    2022年09月08日
  • マラッカの海に消えた

    山村美紗氏の長編デビュー作

    実は、僕はこの山村美紗氏の「マラッカの海に消えた」と言う推理小説を通じてこの「ブックライブ」と言うサイトを知りました。この推理小説での最終章での、連続殺人事件の犯人の「岩根」の豹変ぶりには身の毛もよだつ思いがしました。この推理小説が発表された頃の日本は石油ショックの真っ只中でした。また、この頃は「サインはV!」の後番組の「アテンションプリーズ」の影響で海外旅行がブームになっていました。この「アテンションプリーズ」の原作の漫画も1日だけでも早く電子書籍化されて欲しいです。

    #深い #怖い #ドキドキハラハラ

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    2022年08月30日
  • エジプト女王の棺

    購入済み

    時を経て最後は正義が勝利

    エジプトでの父親の死が、時を経て、勤務先の学校での教え子の死を契機とする連続殺人に繋がっていく。丁寧な伏線と密室トリックなどが楽しめる作品です。エジプト好きにとっては、日本での描写が大半であることが少し物足りませんが、ミステリーとして楽しめる作品です。大物の陰謀に対し、最後には正義が勝つところもスッキリします。

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    2021年06月17日
  • 向日葵は死のメッセージ

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    ネタバレ

    短編集4話

    向日葵は死のメッセージ
    枝垂れ桜殺人事件
    福寿草(アドニス)の殺意
    弟切草の秘密

    いずれも草花が主題。
    「向日葵」は花屋さんの話で、「花言葉」がたくさんでてきて勉強になる。他3編は、キャサリンもので、快活なキャサリンの活躍がすごい。

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    2012年09月08日
  • 愛の立待岬

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    ネタバレ

    本文の最初に「京都・函館殺人事件」という副題がついている。
    立待岬は、北海道函館市住吉町にあル。
    津軽海峡に面した岬で、経路には、石川啄木一族の墓、宮崎郁雨と砂山影二の歌碑、与謝野晶子・与謝野寛の歌碑があるという。

    結婚式直後に亡くなった花嫁。
    殺したのは夫か、その女友達か。

    話は二転三転しわかりにくく、結末の夫の責任が不明確。
    山村美紗の迷いを感じた。

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    2012年09月08日
  • 長良川鵜飼殺人事件

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    ネタバレ

    キャサリンが活躍する短編4話

    長良川鵜飼殺人事件
    嵯峨野トロッコ列車殺人事件
    小京都酒田殺人事件
    足摺岬の殺人

    キャサリンの行動力のすごさに唖然。
    写真家としての立場,
    アメリカ人としての扱われ方など、
    いろいろな立場の利用の仕方がうまい。

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    2012年09月06日
  • 十二秒の誤算

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    ネタバレ

    調査員片山由美27歳の短編4話

    十二秒の誤算
    鳥取旅行の罠
    家出した死体
    初恋の人を探して

    初恋の人を探しては、はじめから怪しいことが分かった。
    初恋の筋書きが不明確だった。
    推理小説としての組み立てはさすがという感じ。

    主人公の性格は透明感がありよいかも。

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    2012年09月06日
  • 小京都連続殺人事件

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    ネタバレ

    漆という名前の人が次々に殺される。
    共通項をみつけにキャサリンが飛び回る。

    事件の展開は推理小説としては一級で,
    深みのあるものになっている。

    最初の數人の殺人の経過の説明が納得感がやや希薄かも。
    キャサリンの活躍で影が薄いだけなのかもしれない。

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    2012年09月06日
  • 殺人を見た九官鳥

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    ネタバレ

    短編4話。
    「盗聴できない殺人 」は,携帯電話を使った犯罪の手品。
    「松山旅行のアリバイ 」は,松山旅行で存在証明をしようとした犯罪の手品。
    「京都やすらい祭の殺人 」日本舞踊の家元にまつわる殺人。
    「殺人を見た九官鳥」は,九官鳥を利用した犯罪の手品。

    いずれもキャサリンの活躍が素晴らしい。

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    2012年08月26日
  • ミステリーに恋をして~私と京都と推理小説~

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    ネタバレ

    ラバウル小唄の話しがあった。
    若杉という編集者に「あの歌は,私の父が作ったものです」

    さっそく調べてみた。ラバウル小唄(南洋航路) 作曲者:島口 駒夫 作詞者名:若杉 雄三郎,ラバウル小唄の部分は替え歌とのこと。

    世間は狭いし,情報は厳密に調べないといけないことを再確認。

    数学セミナーにも書いていることを知った。
    なんとなく,日常会話的な感じ。

    「テストには,音楽も地理もないからいいか。」文脈上,地理は違う意味で使っているが,「地理」という科目があるから,いかがなものか。

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    2012年08月15日
  • 京都西陣殺人事件

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    ネタバレ

    西陣織が斜陽になってきた頃の話。
    地上げ屋が主役の物語。

    さまざまな登場人物の利害が交差する。

    キャサリンの感が冴え渡る。

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    2012年04月01日
  • 女相続人連続殺人事件

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    ネタバレ

    大金持ちの遺産相続の話。
    めずらしく、京都の名跡も、歴史的なことがら話題にはならない。

    それでも面白いのはキャサリンの性格だろう。
    物事に素直で,なんでも受け入れる。

    ps.
    名探偵コナン君が行くところに殺人事件があるように、
    キャサリンの行くところに殺人事件は起こる。

    できれば、殺人事件のないキャサリンの物語が読みたいと思うのは贅沢だろうか。

    すでに山村美紗さんは亡くなられているのでないものねだりなのですが。

    アガサクリスティ
    山村美紗
    栗本薫

    この3人のミステリを読破、比較中です。
    人間が好きだという共通点を見つけました。

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    2012年04月01日
  • 平家伝説殺人ツアー

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    ネタバレ

    平家伝説の土地に6人の男女が旅行する。
    一人殺され,もう一人殺され,
    残りの中に,殺人者がいるかもしれない。

    山村美紗は,幸の薄い女性を書くのがうまい。
    うまいのか,幸せで終わるのが物足りないと思っているのか。

    読んでいて,だんだん残念な結末がいろいろ思い当たった。

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    2012年03月03日
  • ラベンダー殺人事件

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    ネタバレ

    短編集。
    ラベンダー殺人事件
    紅梅屋敷の殺人
    秋海棠の殺人
    薔薇のアリバイ
    スターガザールの殺人

    山村美紗は、京都を中心に、文化、風俗を描写するのがうまい。
    キャサリンが主人公のものは安心して読むことができる。

    我が儘なところは山村美紗そっくりなのだろうが、
    優しいところもきっと一緒なのだろうと思う。

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    2012年01月15日
  • 紫式部殺人事件

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    ネタバレ

    紫式部を勉強したい国文科の3年生が主人公。
    山村美紗も京都を中心にした文化に興味があり、
    小説家志望というところまで似ている。

    古文書をめぐる疑惑など、京都ならではの物語。
    紫式部日記絵巻があることを本書で知りました。

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    2012年01月08日
  • 愛の海峡殺人事件

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    ネタバレ

    江戸川乱歩賞で候補になった作品の改題。
    朝鮮半島からの引き揚げに関する話題。

    一部は鳥獣の寺で記述した話との類似性がある。
    山村美紗が朝鮮半島からの引き揚げという歴史的な事象を記述できる立場にあることがすごいと思った。

    細かい描写は,いろいろ誤解に基づく可能性もあるため,微妙かもしれない。

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    2012年01月02日
  • 小京都・郡上八幡殺人事件

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    ネタバレ

    京都在住のアメリカ人キャサリンとその恋人浜口の素人探偵の物語。
    郡上八幡への団体旅行での殺人事件の話。

    郡上八幡の鍾乳洞が現場として出て来る。
    珍しく、京都以外の地理、自然に詳しい記述がある。

    殺された人が証券会社に努めているため、
    山村美紗が京都についで詳しい株の話もでてくる。

    最後の鍵も鍾乳洞にあるところが好感が持てた。
    郡上八幡近辺には,いくつか面白い鍾乳洞がある。
    また行きたいなと思った。

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    2011年12月30日
  • シンデレラの殺人銘柄

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    ネタバレ

    山村美紗が得意なのは,京都の話題の次に、株の話題といわれている。
    バブルがはじける前は、かなり京都の証券界をならしたらしい。

    本書でも,随所に株をやっていないと分からないような知識がでてくる。

    この物語の中で、売買している銘柄はほとんど実在の会社なので,
    それぞれの会社にとっては嬉しい宣伝材料だろう。
    なぜなら、バブルがはじける前の話題なので,
    ほとんど株が上がったという話題しかでてこないからだ。

    最後にシンデレラになるが,株を買わずに、シンデレラ銘柄そのものは存在しないところが,山村美紗の慧眼だろう。

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    2011年12月29日