桂望実のレビュー一覧
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ある時計メーカーが舞台。そこで働く女性社員たちがプロジェクトメンバーを組み、新たな商品を開発すべく奮闘する。企画部ではなく、あえて素人感覚を重宝するため、人事部や経理、秘書などから選出された6人の女性たち。アイデアを出し合ったり、工場に掛け合ったり、上司たちに企画を通すために根回りを策略したり…。
時計のアイデアも普通に「なるほど!」と共感を感じたし、面白かった。腕時計は仕事中はデスクに置く、というの私もやってるし、ちょっとしたときに置き時計になる、ってアイデアも面白い。
キャラクターの異なる女性たち。それぞれ適性は違う。この物語のように、人間には得手不得手あり、色んな個性があるからこそ、面白 -
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ネタバレ*いかに手抜きをするかが最優先の、無気力に生きるケータリング業者の水島健一。腰痛治療先の病院で難病の少年と出会い、少しづつ大切な何かを取り戻していく健一だったが、少年が最後に下した決断に、水島はどう向き合うのかー「生きるということ」「残されたものの哀しみ」を描いた感動作*
色々なものを抱えて生きるということ。他人を想って丁寧に料理をすること。この二点がベースに書かれているが、重すぎず、心にしんと染みる作品に仕上がっている。「最高の最後の晩餐」のくだりは涙なくして読めないけれど、哀しさだけでは終わらない、やさしくあたたかな読後感。 -
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それで何年にもわたる練習成果が1回17秒間で10回の連続技の演技で決まるスポーツ、トランポリン。演技途中で体勢を崩して危険と判断されれば、コーチの一存でスポッターマットを入れられ中止させられる競技。
スポーツ小説ですがスポ根ではありません。
オリンピックを目指す5人の選手。当然、途中で離脱せざるを得ない人間も出ます。勝つために無理をして試合中に技の難度を上げ、結果的に体勢を崩してスポッターマットを入れられる。挫折と言えばそうなのですが、むしろ覚悟の挫折という感覚です。
スポーツ物は、なんか中にガーッと入り込んで描く感じが多いのですが、この作品は比較的冷静に外から描いているのが特徴です。その分、 -
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長距離ランナーとしての才能に溢れる岡崎優は、科学的根拠に基づいた指導法と設備の整った大学を進学先に選ぶ。彼は起床時のバイタルデータから練習の記録まで、10年間にわたって記録を続けている。生活のすべてをオリンピックのマラソンで金メダルをとるという自分の夢をかなえるために費やし、努力を重ねてきた。
会社経営者の父親。兄を溺愛する母親。優秀な医大生の兄。
経済的にも恵まれ、何不自由なく暮らしていたが、兄の死をきっかけに家族はあっけなく壊れていく。
優が入学した大学の陸上部で彼と対極にいる岩本に出会う。
地方の高校でそこそこの記録を出したが、優から見れば才能もなく記録も頭打ちで将来性も感じられない -
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主人公は大学生の岡崎優。
裕福な家庭に育ち、走るための素質を備え、父からのサポートもあり、
自らの努力も惜しまない。その結果、たくさんの大学がぜひうちに、と
スカウトするほどのものだった。
何もかも揃ってる完璧な奴。それ故に不遜なところがあるから
大学の陸上部内でも孤立するのだが、それすらに気にしない。
とまぁ、ここまでくれば、王道パターンのひとつかなぁと思うよね。
天才かつ努力家であっても挫折を味わって、なかなか抜け出せなくて
凡人以上に苦しんで苦しんで結局は乗り越えてさらなる栄光を掴む、
そんなパターンなんだろってさ。
それがさぁ、全然違うんだよねー。
これ以上言うとネタバレになっ -
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一言で言うと箱根駅伝小説。
主人公岡崎優はオリンピック金メダルを目指す大学一年生。
今まで走りにかけては誰も彼より先にゴールを許したことがない。
大学生になった優は陸上部に入るが花の2区を区間新で
走った先輩を見てこんなものかと呆れてしまう。
ある大会でも結果を残した優は常に自分が集中できる環境
サポートチーム「チーム岡崎」を(強引に)立ち上げてもらう。
しかしある日兄の翼が電車事故で死に、
その死の真相について考えるようになった優は
以前の走りに集中できなくなってしまう・・・。
後半はほとんど優は走りませんが箱根駅伝を目指す
(全体を見れば)爽やかな小説です。 -
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「県庁の星」の作者の箱根駅伝もの(県庁は読んでないけど)
「たすきなんて興味ないから。自分の走行区間で、大会記録を狙うだけ。全体の順位はどうでもいいんだよね。みんなのタイムを見てると、優勝争える感じじゃないし。駅伝で思い出作りしたい人たちは参加だけで嬉しいのかな?でも僕にとって駅伝は通過点なんだよね。駅伝を最終目標にしてる選手と同じ取り組み方はしてないってこと」
長距離走にズバ抜けた才能を持つ優は生まれてから出た大会で1位以外になったことがない。
裕福な家庭で育ち、将来を嘱望されて箱根駅伝優勝を目指す新進私立S大学に入学するが、すべてはオリンピックで金メダルを取るためであり、箱根駅伝 -
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長距離ランナーとして恵まれた肉体を持つだけでなく、そのための努力も人一倍してきた天才、岡崎優。同じ陸上部の仲間に対し協調性も興味もなく、大学の箱根駅伝は通過点に過ぎず、目標はオリンピックだった。しかし突然の兄の死をきっかけに家族関係が壊れ、ある秘密を知った優は重たい決断を迫られるが・・・・・・。(文春文庫裏表紙より)
兄が電車の人身事故で亡くなり、
ちょっとおかしくなってしまった母親がふと漏らした言葉
「DNAの遺伝子をいじった」
という言葉に、優は、自分は父親が自分の欲しいような長距離ランナーになれるような肉体になるように、遺伝子をいじったのではないか、と疑う。
実際兄は、医学部生で、も -
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巷では取材不足の面でこき下ろされています。確かに2kmの練習タイムが8分だったり、5km19分なんて数字が出てきたり、言われてみると酷いかも。でも、私は気付かなかった。
そんな事を気にせずに(というか、気付かずに;苦笑)、さらりと読む分には十分に面白いのです。傲慢で自己中心的な主人公が変身して行く物語ですが、最初の傲慢さぶりも見事ですし、エピローグを含む最後の数10ページの処理も綺麗に良く出来ています。ただ、ここも深読みしちゃうと、主人公の変身が自然のように見えて、どこか必然性に乏しい様にも思えます。
ところで桂さんと言えば「県庁の星」。原作は未読ですが映画は見ました。そういえばこれも傲慢な主