桂望実のレビュー一覧

  • 総選挙ホテル
    この作品は一言で言えば、企業再生のために奮闘する会社員(ホテルの従業員)たちのサクセスストーリーです。どうすれば業績が上がるのか、どうしたら社員たちのモチベーションが上がるのか新しく社長になった元山の奇想天外な改善策をどう受け取るのか、合理的でもいいのかと感じられた作品です。
  • 結婚させる家
    四十歳以上限定の結婚相談所ブルーパール。「いい人を探そうと思った時が吉日」、「婚活の開始に遅すぎるなんてない、ただ行動するのみ」、等々、会員を積極的にあおることで成果を上げてきたカリスマ相談員桐生京子。不動産会社が保有している大邸宅で、好意を持った会員たちをプレ夫婦生活させるという企画を通じて自分の...続きを読む
  • 総選挙ホテル
    いまいちやる気のない従業員で売り上げが落ち込む中堅ホテル、フィデルホテル。支配人の永野は改善策を打ち出せないでいた。そこに社長としてやってきた変わり者の社会心理学者・元山が提案したのは、“従業員総選挙”。落選すれば解雇もやむなしという崖っぷちの投票制度だ。ざわつく従業員を後目に、さらに管理職の選挙も...続きを読む
  • 僕とおじさんの朝ごはん
    読後、じわじわと感動が押し寄せます。会場でパーティをセティングするケータリングという仕事をしている水島健一44歳の物語。前半はパーティ料理と苦しまずに死ねる薬の2つのテーマを軸に話が展開。内容は分散気味だし、タイトルとどう関係するのか全く分からない状態。後半、健一が車椅子の13歳の少年、水谷英樹との...続きを読む
  • 嫌な女
    タイトルに惹かれました。
    長編ですが読み易かったです。
    ザ、女性から嫌われる女の夏子。ここまで振り切った生き方が出来たら面白いだろうな…とどこか憧れてしまいます。
    最終章には泣きました。
  • 僕とおじさんの朝ごはん
    前半と後半で物語の印象が変わった。前半の水島のイラッと来るくらいの無気力さ、後半英樹と出会った後の水島の変わり方、そして「朝ごはん」を食べた後の英樹の言葉がなんでか心にグッと来た。
    全部読み終えた後ですごくいい作品だなと思えました。
  • 僕とおじさんの朝ごはん
    人生に疲れた人が、おいしいご飯を食って、少し元気を回復して、再び世間の荒波に立ち向かっていく、「時には美味しいものを大切な人と食べていいんだぞ」的、昨今はやっている系小説かと思っていたのだが。

    確かに人生に疲れて投げやりなおっさんが出てくるが、そのおっさんが食事を作る側の主人公という変化球を投じて...続きを読む
  • 僕とおじさんの朝ごはん
    ケータリングを仕事としているやる気のないおじさんと、生まれながらの病気で日々を病院で過ごす僕。
    僕はおじさんのやる気のなさを気に入っていたのだが、食を通し、僕と触れ合う事でおじさんは変わっていく。
    切ない終わりに、読み終わってタイトルがグッとくる。
  • 嫌な女
    「嫌な女」である夏子とは正反対の性格である主人公の目線で一貫して語られ、時系列の進みによって夏子の様々な面が見え隠れする。設定はありがちだけど語られ方が面白かった。
  • 僕とおじさんの朝ごはん
    子の題名は いつ出てくるんだろう。
    やっと 後半に出てきましたね。
    僕によって おじさんが 変わっていく。
    この作家の 他の本も 読んでみたくなりました。
  • 僕とおじさんの朝ごはん
    詳しいことを書くとネタばれになってしまうから書かないけど、縁って生きるってこういうことよねと思った。
    昔話みたいに「幸せにくらしました。」おしまいみたいに人生はやさしくないけど、でも、生きていく意味や力をもらえる出会いというものがある。
    主人公はだらだらしててやる気なくて、好かんなーと思って読んでい...続きを読む
  • 嫌な女
    ・歳月を経て、夏子と徹子がどのように変わっていくか物語の構成が秀逸
    ・各章の冒頭は夏子と関わりがあった人物の証言から始まり、今度は夏子が何をしたのかが会話の中から読み取ることができる演出は斬新
    ・芯の通った生き方に羨ましさを感じるとともに、不器用にも見える生き方に共感を覚える
  • 僕は金になる
    ちょっと癖のある父親と独特でマイペースな姉、きちんとした母親と主人公の僕。

    僕が小6の時、両親は離婚して、父と姉は家を出ていった。
    その2年後に連絡があって会いに出かけた父と姉は相変わらずマイペースで、僕は苛立ったりどこかで羨ましく感じたり。
    その3年後、再開した時も父と姉はちっとも変わらず、父親...続きを読む
  • 嫌な女
    面白い。実際にこんな人いるんじゃないか、こんな関係で繋がっている人達がいるんじゃないかと思わされる。遺言の話ではホロホロと泣け、夏子のペットの話では呆れ半分笑えてきて、ページを繰るごとに楽しめた。
  • ハタラクオトメ
    サラッと読めてしまう。
    ふくよか女性が、その人格と人望で本気で仕事に取り組み、周りを巻き込んでいく。
    太っているのは、その意味ではたしかに敵を作りにくい。でも、自分の管理もできない人が。。とも思われる現実も知っている。

    さわやかな読後感で、ストレスはなく読める系でした。
  • 僕は金になる
    「金」は「かね」では無く「きん」と読みます。将棋の駒の金です。
    読み終えて少々混乱。桂さん何を書きたかったんだろう?
    他の人はどう感じたのかネットで調べていて、以下のような桂さん自身の文章に行き当たりました。
    「当初は弟から見た、姉の人生を書くつもりでした。
    その考えに沿ったプロットを作成しました。...続きを読む
  • 僕とおじさんの朝ごはん
    ケータリング業者の『おじさん』が、『僕』との出会いによって変わって行く様子が、2人も含め周囲の様々な人たちの視点で描かれています。


    後から気づいたけど、タイトルは『僕』目線なんだな。


    作中の随所に出てくる料理の過程の描写が細やかで、画が目に浮かんでくるようでした。
    『おじさん』の変化とともに...続きを読む
  • 僕とおじさんの朝ごはん
    ケータリングの仕事にやる気もなく、人に気遣いもできず、無気力に生きるおじさんと、ケータリング業者が持っていると、ネットで都市伝説化している「死ねる薬」をほしがる、いろいろな職業の人達の話が淡々すすむので、始めは思ったより期待感がかなり下がったのだすが・・・

    難病の子「英樹君」と関わったことによって...続きを読む
  • エデンの果ての家
    被害者の家族でありながら加害者の家族でもある、難しい立場。わりと被害者の家族は取り上げられるけど加害者家族の心情や状況を扱った作品は少ないのでは?あまり想像したくない話ではあるけれども。
  • 頼むから、ほっといてくれ
    先日の『水曜日のダウンタウン』で、「どんなマイナースポーツも一度は漫画化されてる説」を検証していました。結果は、漫画化されていないスポーツもごくわずかながらあり。それでも、そんな漫画もあるのかと驚くほど多種多様。本の場合はどうなのかも検証してほしかったりして。

    本作はトランポリン競技でオリンピック...続きを読む