桂望実のレビュー一覧

  • エデンの果ての家

    Posted by ブクログ

    ワンマンエリートの父、専業主婦良妻賢母の母、優秀な弟。周囲からは、理想の家庭と認識されていたエデンの果ての家族。
    兄は、家族から疎外感を持ち、早くに独立していた。溺愛されていた弟は、親の期待通り、一流企業に就職。そんな両親自慢の弟が、母親殺人容疑で逮捕される。彼の無実を信じて、裁判の準備をする父と兄。
    調べていくにしたがって、母親と弟の知らない部分が見え始める。真相に近づくにつれて、弟の無実が遠くなる。そして、弟の深層部を受け入れて、理想的な家族ではなくても、親子として兄弟として支え合う家族となろうとしていく。
    ミステリーとしては、地味かなと思います。エデンとしていることから、カインとアベル的な兄弟の葛藤、親子の亀裂等、犯罪の起因を探ります。
    過去の記憶が、自分の思い込みや思い違いで書き換えられることはあるんでしょうね。あまりに後悔していることは、忘れたくて変形していくかもしれない。

    0
    2023年05月23日
  • 僕は金になる

    Posted by ブクログ

    破天荒な父親と将棋が天才的に強い姉
    真面目な僕としっかり者の母親
    両親が離婚して父と姉は家を出て行った。
    そこから始まる40年間の波瀾万丈なお話。

    面白かったです♪コメディかと思いきやグッと来ました。
    真面目で地道…そんな「歩」のような僕が「金」になるそんな素敵なお話です(^ ^)

    0
    2023年05月07日
  • じゃない方の渡辺

    Posted by ブクログ

    人生はずっとオーディションだと思って生きていたらキツイことも多いだろう。そこに太一の緩さはどれだけ心強かったか。だからこそ一度の過ちも、私は許せないのだけど。
    渡辺エピソード少なかったから改題前の方がぴったりな気はする。

    0
    2023年04月27日
  • じゃない方の渡辺

    Posted by ブクログ

    限りなく5に近い4!
    「じゃない方の渡辺」というタイトルに惹かれて迷わず買ったけど、大正解だった。ただ、結婚して渡辺じゃない期間が長いから、じゃない方の渡辺が適切かは微妙な気がする…?!
    タイトルからして、
    地味な渡辺さんが主人公、キラキラな渡辺さんが出てくる。主人公はちょっと卑屈。キラキラ渡辺さんと成長していって、最後は親友になる
    的な話かと思っていたけど、全然違った。

    主人公の渡辺展子と、超絶美少女渡辺久美はすぐに親友になる。展子の成長物語と言った方が適切かな。
    実家のパン屋を継いだあと、お店を大きくすることに夢中になった展子の言動にはヒヤヒヤさせられた。
    たくさんの成功や挫折を経験し、家族や友人、周囲の人との接し方や、大切なことに気づいていく展子。
    やり直すのはいつだってできる。なんとかなる!
    そういう明るい気持ちを持つことの大切さが伝わる作品。

    パンが食べたくなりますよ笑

    0
    2023年04月03日
  • 残された人が編む物語

    Posted by ブクログ

    どれも何とも哀しい物語で読んでて辛くなる場面もあったが、各編の主人公たちはそれでも前を向いて進もうとする想いに引き込まれた。この著者の作品は初めて読んだが、他の作品も読みたくなった。

    0
    2023年03月05日
  • 残された人が編む物語

    Posted by ブクログ

    「弟と詩集」「ヘビメタバンド」「最高のデート」「社長の背中」「幼き日の母」
    5話収録の連作短編集。

    行方不明者捜索協会で働く西山静香と、そこを訪れた依頼者が失踪者の足跡を辿り亡者の人生の物語を編んでいく。

    関係者を訪ね歩く中で見えて来るのは良い事ばかりではない。
    亡くなった後で知る深い愛情もあれば、家族に隠していたドス黒い本性まで色々だ。

    動機も分からぬままの突然の失踪で取り残されていた人達。
    真実を知る事できっと彼らは前へと歩み出せるはず。

    最終話で綴られる西山静香自身の人生も胸に沁みた。

    涙腺が緩む喪失と再生の物語。

    0
    2023年02月18日
  • 残された人が編む物語

    Posted by ブクログ

    家族、友人、別れた配偶者、前の会社の上司。その気になればいつでもつながれると思っていた暫く離れている人が亡くなっていることが判ったら…。5つの短編はそこから始まります。「行方不明者捜索協会」の業務は行方不明者の捜索が終了すると一旦終わりますが、突然残されてしまった人のために亡くなった人が最期にどんな暮らしをしていたかを知るための手伝いをするサービスが付帯しています。5編ともそのサービスを通じて残された人が亡くなった人を再認識する、そしてその過程で亡くなった人に対する自分の気持ちを再発見する物語です。5編目は「行方不明者捜索協会」のベテラン担当員、西山静香の母親のエピソード。よく笑う少女だった彼女がなぜ笑わない寂しげな大人になったのかが失踪した(と思われた)母親の最後を辿ることで明らかになります。各編とも読後に静かな感動がわきあがる佳作だと思います。

    0
    2022年12月25日
  • 総選挙ホテル

    Posted by ブクログ

     赤字を垂れ流し経営破綻寸前のホテルを立て直すため投資ファンドより派遣された新社長の意向により、全従業員の総選挙が実施されるとなったところから物語が始まる。てっきり総選挙の行方を面白おかしく描くのかと思ったら、そこは潔くばっさりカット。本人のやりたい仕事ではなく、適材適所に割り振られてからの各人の仕事への向き合い方や心境の変化、ホテルの評判等が主に描写されているのが斬新だった。もちろん小説なので綺麗にまとまっているのだが、決して作り話じみておらず説得力がある点が共感できるし好ましい。自分のことは周りの人の方がよく知っているものだ。

    0
    2022年11月21日
  • 残された人が編む物語

    Posted by ブクログ

    突然、失踪した家族、友人、恩人が
    身元不明の死者として見つかったら
    すぐには受け入れられず
    なぜ?どうして?と
    自分自身を責めたり、悔やんだり
    他の誰かを恨んだりするかもしれない。
    それまで知らなかったその人の一生を
    辿って見つめ直すことで
    身近な人の死に対してやっと
    気持ちを整えることができるように思う。
    そして残された者としてまた再生される。

    0
    2022年11月12日
  • 残された人が編む物語

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     アイデアは巧みだな。こういう感じでたくらむとは。
     一つ一つ読ませるし、最後に連作的なまとまりが来るとは。
     生きることは修業か。

    0
    2022年11月09日
  • 残された人が編む物語

    Posted by ブクログ

    音信不通、あるいは突然の失踪により
    家族や友人が目の前から消えてしまったら。
    5つからなる連作短編集。
    手がかりがなく「行方不明者捜索協会」を訪れた依頼人と
    担当者・西山静香が静かに編む物語。
    調べていく間に分かってくる過去。
    綺麗事ばかりではなく、知らなければ良かったと思うケースもある。
    どのエピソードも丁寧な言葉選びがされている。
    とても良かった。

    0
    2022年10月25日
  • ハタラクオトメ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    時計メーカーで働くOLが、突然女性だけのプロジェクトチームで新商品の企画をすることになり、素人ならではの自由な発想で商品化を目指す。

    主人公は明るいデブキャラを売りにしている"ごっつぁん"。
    女性陣が企画を挙げていく段階で、役員や部長など男社会の文化のなかで生きているおじさん対策をしているところは笑える。

    普通の会社ではあり得ない設定ながら、普段の仕事にトキメキを感じられなくなっていたOLたちが、もの作りの楽しさや仕事の達成感を感じるなど成長していく様子が微笑ましい。

    0
    2022年10月12日
  • 僕は金になる

    Posted by ブクログ

    タイトルから、
    お金の話やと思って読んでみたら
    将棋の話やった。
    家族の移り変わり、兄弟の嫉妬、
    みたいなのが描かれてて
    じわる。

    0
    2022年09月27日
  • 残された人が編む物語

    Posted by ブクログ

    行方不明者捜索協会を利用する依頼人、そこで働く西山静香を巡る5つの連作短編集。
    突然の失踪。動機は不明。音信は不通。見つかったときは身元不明者として悲しい結末を迎えていた。疎遠になった弟。苦い別れをした学生時代のバンド仲間。突然失踪した夫。最後は西山自身の母…。失踪人たちの秘められた人生。喪失を抱えて立ちすくむ人々が新たな一歩を踏み出す物語。心に沁みます。あの人は今どうしているのだろう。行方不明じゃないけれど、仲の良かった昔の同級生、引越しで疎遠なった人々のことを想い出す。

    0
    2022年09月24日
  • 恋愛検定

    Posted by ブクログ

    恋愛の神様が突然現れ、恋愛検定を受ける事になる人達のお話

    7人の受験者と解説を収録
    ・自称恋多き女 四級
    ・シンデレラ願望男 三級
    ・友達止まりの女 二級
    ・慎重すぎる男 準一級
    ・恋愛がメンドーな女 一級
    ・昔の恋を引き摺っている女 マイスター
    ・現状維持に縋りつく女 四級
    解説「『恋愛検定』の傾向と対策」ゆうきゆう


    恋愛検定の概要
    神様は急に現れ、受験者以外の時は止まる
    恋愛の神様による恋愛検定は一般的に知られているらしい
    資格を持っていると、プレゼンテーション能力などが社会的に一定の評価されたものと思われるらしい
    周囲の人の恋愛状況についての考察を述べさせられ、その回答内容によって受験の級を言い渡される
    恋愛相手は既に会っている人かこれから会う人両方の可能性がある
    恋愛関係の成否が合格に直結しているのではなく、あくまで恋愛に対する行動による評価


    私自身を顧みた場合、受験者それぞれに共感するところがある
    周囲の見えなさは自称恋多き女
    次に付き合う相手には譲れない条件があるところはシンデレラ願望男
    距離の詰め方は友達止まりの女
    自分の観察の自信のなさは慎重すぎる男
    自ら積極的に動くほどでもないと思っているあたりは恋愛がメンドーな女
    環境が変わることに決断できない事やサンクコストを惜しむ気持ちは現状維持に縋りつく女
    昔の恋を引き摺っている女だけは自分と共通点がない

    もし自分が受験資格を与えられたとしたら
    多分、周囲の恋愛関係なんてさっぱりわからないので四級を受験する事になりそう
    そして、今更恋愛とか億劫過ぎて、受験期間何もしないまま終わりそうかな
    そもそも、作中のエピソードから察するに、受験中の対象者が本当にふさわしい相手なのかは疑問
    新垣はダメじゃないかなぁ……
    あと、現状維持に縋りつく女のように、想定していたのと異なる相手の方がいい場合もあるしね

    相手の恋愛観を知るには車について聞くといいとの事だけど
    私にとって車は便利な移動手段や荷物運搬の道具としての認識が強い
    今でこそなければかなり不便な環境だけれども、昔住んでいた場所のままだったらずっと車は所持していないと思う
    もしくは、交通の便の良いところに引越したら車を手放すと思う
    見た目にはこだわらず、利便性と運用コストを考えるあたり、私の恋愛観に近いのかどうか……

    面白かったのは、更新するときには危険な恋愛の避け方の映像を見るとか、運転免許と同じかよというツッコミを入れたくなる


    全体の物語として、現代では積極的に恋愛をする人が減っているというのに上手く着目した小説だと思った

    解説でゆうきゆうが真面目に文章書いているのが却ってウケる

    0
    2022年09月21日
  • 総選挙ホテル

    Posted by ブクログ

    経営不振なホテルの社長として任命された心理学者が、従業員による総選挙で部署の人員整理するなど、変わった方法で経営を立て直そうとするお話

    選挙ルール概要
    ・働きたい部署で立候補できる
    ・パートもバイトやバイトなども勤務時間が一定ラインを超えれば立候補、投票の対象
    ・今と別の部署での立候補も可能
    ・投票はそれぞれの部署の定数(定数はホテル全体で20%減の人員配置)
    ・本人が立候補していない部署の配置に投票しても良い
    ・投票時には選んだ理由を記入する
    ・記入されていない場合は再投票


    従業員同士に人員整理をさせるのかという批判
    他部署の人を知らないという意見
    票集めのあからさまな声掛け
    相手が気に入らないという投票理由
    様々な不満の種をはらみつつ、行われた総選挙の結果どうなったのか?という物語


    フラワーショップで花を扱うことに喜び感じていたにも関わらず、フロント業務につくことになったり
    企画をしていたのに元々の飲食部門に移動になったり
    イケメンのため調理師ではなくベルボーイで一位の集票だったり
    下請けの清掃員からフライダル部門の社員になったり
    以上の4人と支配人の視点


    自分のやりたい事が天職というわけでもなく、他者から見える適正もあるのだと思った

    未亡人の橋本さんへのサービスが、視点になっている4人の連携になっているのは変化がわからやすくて良い


    自ら考え動く立派なホテルマン・ホテルウーマンというのは理想だけど、すべての従業員がとなるとかなり難しいのではないかと思う
    中には作中で語られるように、駒に徹する人も必要な場面のある気がする


    それはそうと、冒頭と最後に就活者向けインタビューの無編集の描写
    意識がどれだけ変わったのかというのがわかりやすくて良い



    同じ部署の人同士がそれぞれを評価するという人事考課の方法は実際にやってるところもあるけど、そんなに関係のない部署の人まで含めた評価というのはないのかな?

    同じ部署でも仕事内容によって有利不利があるんじゃなかろうか?
    他部署の人と接点が多い人の方が有利ですよねー


    某外資系カフェチェーンは明確なマニュアルがなく、従業員は雇用形態に関係なく自らお客様のために何ができるのかを考えるというのも聞いたことがある
    上手くいっている例と言えるのだろうか?


    もし自分が今の職場でこの評価制度が実行されたら明らかに落選しそう
    投票理由の基準によっては、仕事に関する能力以外の要素で決まってしまう気がするんだよなー
    まぁ、専門職も含めてコミュニケーション能力が大事というのもわかるんだけどね
    大部分の人には実感として理解されないけど、重要な仕事ってありますからね
    実際には物語のように上手くはいなない場合が多いのではないかと思う

    0
    2022年08月29日
  • 総選挙ホテル

    Posted by ブクログ

    心理学者(という設定)が潰れかけのホテルの社長になったらというお話し。
    いろいろと現実的に無理がある施策の実践が多いけど、人を動かすのではなく、人が動くにはどうしたらいいかというアプローチは大事だなと改めて気付かされた本である

    0
    2022年08月14日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面倒くさいことが苦手なケータリング業者の水島と息子、ふと出会った病気の少年とその家族、謎の薬の噂、いろんな状況が交差しながら進む物語。

    「僕とおじさんの朝ごはん」
    タイトルの理由がわかる時、悲しくて寂しいけれどあたたかい料理の美味しさが想われて、心が穏やかになるお話でよかった。
    美味しそうなごはんのお話はやっぱり好き。

    0
    2022年07月18日
  • 僕は金になる

    Posted by ブクログ

    将棋とともに歩む人生が描かれたストーリー。
    家族について、自分の人生について、考え方が変わってゆくのが優しい気持ちになれる。
    渦中にいるときは分からないけれど…人生って、あとから振り返ると、どんな人生でも幸せって思えるのかもなあ。

    0
    2022年06月18日
  • 総選挙ホテル

    Posted by ブクログ

    読み始めてすぐは、雑念(この作者、AKBとかが好きでこんな内容にしたのだろうか…などと)を持って読んでいたが、
    後半の展開は王道ながら気持ちよかった。
    みんな完全にハッピーじゃないんだけど
    それでもここで生きていくんだ、という明るさがある。


    以下、好きな箇所。

    メールで休みの連絡って、なんだよそれ。お前はその程度の生き方でいいのかもしれないが、オレの人生はもっと大事にしたいんだ。大切なもんだからな。


    荒れそうなんて、天気みたいに勝手に予想しないでよ。荒れないわよ、多分。というか、荒れたっていいじゃない。隣で傘でも差してりゃいいわよ。台風だってやがて通り過ぎていくんだから。それが家族ってもんじゃない。誰かが荒れてたら、ずぶ濡れになってびしゃびしゃになっても側にいるのよ。

    0
    2021年12月23日