桂望実のレビュー一覧

  • 総選挙ホテル

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    この作品は一言で言えば、企業再生のために奮闘する会社員(ホテルの従業員)たちのサクセスストーリーです。どうすれば業績が上がるのか、どうしたら社員たちのモチベーションが上がるのか新しく社長になった元山の奇想天外な改善策をどう受け取るのか、合理的でもいいのかと感じられた作品です。

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    2020年09月13日
  • 総選挙ホテル

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    いまいちやる気のない従業員で売り上げが落ち込む中堅ホテル、フィデルホテル。支配人の永野は改善策を打ち出せないでいた。そこに社長としてやってきた変わり者の社会心理学者・元山が提案したのは、“従業員総選挙”。落選すれば解雇もやむなしという崖っぷちの投票制度だ。ざわつく従業員を後目に、さらに管理職の選挙も!好きな仕事と向いている仕事は違う。適材適所の新体制で、ホテルは復活なるか?

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    2020年07月23日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    読後、じわじわと感動が押し寄せます。会場でパーティをセティングするケータリングという仕事をしている水島健一44歳の物語。前半はパーティ料理と苦しまずに死ねる薬の2つのテーマを軸に話が展開。内容は分散気味だし、タイトルとどう関係するのか全く分からない状態。後半、健一が車椅子の13歳の少年、水谷英樹との出会いから本筋に。11回目の手術はもう受けないと尊厳死を決心した少年の願いは、健一に「元気なうちに最期の晩餐を作ってほしい」と。楽に死ねる薬はいらない。自殺したいわけではなく、無駄な治療で延命したくないだけ。

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    2020年06月14日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    ネタバレ

    前半と後半で物語の印象が変わった。前半の水島のイラッと来るくらいの無気力さ、後半英樹と出会った後の水島の変わり方、そして「朝ごはん」を食べた後の英樹の言葉がなんでか心にグッと来た。
    全部読み終えた後ですごくいい作品だなと思えました。

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    2020年02月12日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    ネタバレ

    人生に疲れた人が、おいしいご飯を食って、少し元気を回復して、再び世間の荒波に立ち向かっていく、「時には美味しいものを大切な人と食べていいんだぞ」的、昨今はやっている系小説かと思っていたのだが。

    確かに人生に疲れて投げやりなおっさんが出てくるが、そのおっさんが食事を作る側の主人公という変化球を投じてきた。なかなかやるやん…と思っていたら、そのおっさんが「僕」と出会うことで、元気を回復していくという、もうひとつのひねり。

    読み終わってみれば、結論は似たようなところに落ち着くのだが、ひねったことで、食感…もとい読感はかなり変わっていて、ありきたりのグルメ小説とは感動度合いが一味違う。

    前半の視

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    2019年11月04日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    ケータリングを仕事としているやる気のないおじさんと、生まれながらの病気で日々を病院で過ごす僕。
    僕はおじさんのやる気のなさを気に入っていたのだが、食を通し、僕と触れ合う事でおじさんは変わっていく。
    切ない終わりに、読み終わってタイトルがグッとくる。

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    2019年10月19日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    ネタバレ

    子の題名は いつ出てくるんだろう。
    やっと 後半に出てきましたね。
    僕によって おじさんが 変わっていく。
    この作家の 他の本も 読んでみたくなりました。

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    2019年06月30日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    詳しいことを書くとネタばれになってしまうから書かないけど、縁って生きるってこういうことよねと思った。
    昔話みたいに「幸せにくらしました。」おしまいみたいに人生はやさしくないけど、でも、生きていく意味や力をもらえる出会いというものがある。
    主人公はだらだらしててやる気なくて、好かんなーと思って読んでいたけど。

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    2019年06月01日
  • 僕は金になる

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    ちょっと癖のある父親と独特でマイペースな姉、きちんとした母親と主人公の僕。

    僕が小6の時、両親は離婚して、父と姉は家を出ていった。
    その2年後に連絡があって会いに出かけた父と姉は相変わらずマイペースで、僕は苛立ったりどこかで羨ましく感じたり。
    その3年後、再開した時も父と姉はちっとも変わらず、父親は賭け事が大好きで、姉は好きな時に将棋が指せればそれだけで満足で、「きちんとした僕」は、自分たちの生き方と全くちがう父娘に反発したままの高校生。

    それから中年になるまでの僕と家族の物語、読み終わってさわやかな温かい気分になる1冊でした。

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    2019年03月16日
  • ハタラクオトメ

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    サラッと読めてしまう。
    ふくよか女性が、その人格と人望で本気で仕事に取り組み、周りを巻き込んでいく。
    太っているのは、その意味ではたしかに敵を作りにくい。でも、自分の管理もできない人が。。とも思われる現実も知っている。

    さわやかな読後感で、ストレスはなく読める系でした。

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    2019年01月06日
  • 僕は金になる

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    「金」は「かね」では無く「きん」と読みます。将棋の駒の金です。
    読み終えて少々混乱。桂さん何を書きたかったんだろう?
    他の人はどう感じたのかネットで調べていて、以下のような桂さん自身の文章に行き当たりました。
    「当初は弟から見た、姉の人生を書くつもりでした。
    その考えに沿ったプロットを作成しました。
    ところが書き始めてみると・・・弟から目を離せなくなってしまいました。
    フツーである自分にコンプレックスがあって、自分になにか特別な才能があってくれと祈っている少年。
    その少年が青年になり、社会人になっていく・・・そんな彼に寄り添っているうちに、気が付けば彼の人生を描いていました。」
    なるほど、そう

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    2018年10月18日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    ケータリング業者の『おじさん』が、『僕』との出会いによって変わって行く様子が、2人も含め周囲の様々な人たちの視点で描かれています。


    後から気づいたけど、タイトルは『僕』目線なんだな。


    作中の随所に出てくる料理の過程の描写が細やかで、画が目に浮かんでくるようでした。
    『おじさん』の変化とともにその描写も一層丁寧さが増していきます。そのシーンは読んでいて安心感があって、心地良かったです。


    勝手なイメージですが、もし映像化されるなら『おじさん』は新井浩文さんです。

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    2018年09月17日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    ネタバレ

    ケータリングの仕事にやる気もなく、人に気遣いもできず、無気力に生きるおじさんと、ケータリング業者が持っていると、ネットで都市伝説化している「死ねる薬」をほしがる、いろいろな職業の人達の話が淡々すすむので、始めは思ったより期待感がかなり下がったのだすが・・・

    難病の子「英樹君」と関わったことによって、おじさんが本来の自分の姿を思い出して、その少年の為とはいえ一生懸命になってる姿に、優しさと不器用さが見えてきて、そこからは段々と話しに引き込まれました。

    作中の中で気になった 『僕の命は僕のものだ』 の言葉・・・

    英樹君の決断とも取れるその言葉は、それは病気で苦しんでる英樹君、それを支えてきた

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    2018年09月02日
  • エデンの果ての家

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    被害者の家族でありながら加害者の家族でもある、難しい立場。わりと被害者の家族は取り上げられるけど加害者家族の心情や状況を扱った作品は少ないのでは?あまり想像したくない話ではあるけれども。

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    2018年08月25日
  • 頼むから、ほっといてくれ

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    先日の『水曜日のダウンタウン』で、「どんなマイナースポーツも一度は漫画化されてる説」を検証していました。結果は、漫画化されていないスポーツもごくわずかながらあり。それでも、そんな漫画もあるのかと驚くほど多種多様。本の場合はどうなのかも検証してほしかったりして。

    本作はトランポリン競技でオリンピック出場を目指す男子5人と、家族やコーチ、審判員などの、さまざまな目線から語られます。そもそもトランポリンがオリンピック競技に入っていることすら知らないぐらい、私にとっては興味の薄いスポーツだったのに、これを読んだら次からは確実にトランポリンに目が釘付けです。

    同じ競技をしていても、家庭の環境だとか思

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    2018年04月30日
  • 我慢ならない女

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    2018.1.09
    嫌な女がすごく良かったので読んでみた。
    シンとした中に優しさと芯のある世界観ですごくよかった。温かい気持ちになりました。
    この作家さんの作品は他では味わえない読後感で気持ち良い。

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    2018年01月10日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    出来合いのものをそれらしく加工し、なるべく手抜きをして、盛り付けだけきれいにすればOK。
    なんとも誠意のないケータリング業者の水島健一・44歳。
    バツイチ、息子は元妻と暮らす。

    なんていい加減な料理人!だから食中毒も出すし、やる気がないにもほどがある!

    しかし、料理はまず、自分が「食べたい」と思わなければ作る気が起きないのだろう。
    食欲ではなく、「食べたい気持ち」というのは生きる気力のことだ。
    そして、誰かに食べてもらいたいという気持ち。
    おいしく食べてもらいたい、喜んでもらいたいという願い。
    料理をするエネルギーはそこから来る。

    いい加減な料理をしていた健一は、大切な者たちを失って、生

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    2017年12月25日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    見た目重視、できる限り調理の手を抜いたケータリングサービスが面倒くさがり屋の健一の仕事。そんな健一が病院のリハビリ室で難病の少年・英樹とその両親に出合い。。。。
    まあ、英樹が登場したあたりで(数パターンあるにしろ)おおよその結末は見えて来るのですが。しかし英樹の両親の造形が良く、しかもこちらの予想を部分的に上手く覆し、最後まで気持ち良く(もちろん切ないのですが)読ませて貰いました。
    桂さん、色んなパターンの小説を書かれますが、こうした少年がらみの物語は当たりが多いようです。

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    2017年11月22日
  • 頼むから、ほっといてくれ

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    トランポリンという、日本でトップクラスの実力を持っていても、スポンサーもつきにくく現役続行が難しい競技に関わらず、そのなかで純粋に高みを目指す彼らの姿に心奪われた。戸惑い、嫉妬、様々な感情があるが彼らはトランポリンが好きで、関わり続ける。まっすぐって素敵だ。

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    2017年05月21日
  • Run!Run!Run!

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    タイトルからして軽いスポーツものかなと手に取った。
    しかし、こんな性格の悪い主人公のスポーツもの、あり?
    と思って読むのをやめなくてよかった。

    単なる少年の成長物語ではなかった。

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    2017年02月03日