桂望実のレビュー一覧
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個人的にめちゃくちゃツボって切なかった(T ^ T)
世間一般からちょっとずれてるいい加減な家族。嫌いじゃないんだけど恥ずかしい気持ちや、普通でいて欲しい気持ち、他人でいたいのに結局ほおってはおけない自分。イライラしたりハラハラしたり、なのに当人たちは能天気。
あぁ分かりすぎる。
家族、一人はみ出してるパターン、若しくは自分だけまともだと思ってるパターン?な気がして、とにかくフツーの家族、家庭を作りたくて、自分が子どもだった家族のカタチから逃れたいのに、
この本みたいに、近々父ちゃんと死別したって、子や孫にその血というか、性質を見て、結局自分の命が尽きるまでその家族の一員であるのだと悟る。
守 -
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六年生の時に父と姉が出て行った。主人公の守は真面目な母と二人で暮らしていくことになる。
父はろくに働きもせず、天才的な将棋をさす姉に賭け将棋をさせて生計を立てる。
破天荒な父と姉に翻弄されるドタバタコメディ‥‥を想像して読み始めたものの、見事に裏切らた‥‥表紙からして、もう面白そうなのに、なかなかにシリアスな面もあって色々考えさせられるお話でした。
破天荒な父と姉を軽蔑しながらも、特別なものを持っている二人が羨ましくもある守。でも父と姉は、「守はちゃんとしていて凄い」「お前はまっとうに生きろ」と言う。
父と姉の生き方を受け入れられないのにどうしても離れられず事あるごとに会いに行く、そんな約 -
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ネタバレ
今読んでよかったと思える本でした。色んな人がいていいし、自分の価値観は理解してもらえないことの方が多い。だから、自分とは真反対の人間に惹かれるし、その人がその人らしく生きていてくれるとなんだか安心できる。
その人になりたくてもなれない嫉妬心から人を妬んだり、何故こうしないんだろう?と矯正しようとすることは、意味のないことなんだな。と思いました。
何歳になっても今いるこの場所でよかったのか、これが正解だったのか、あのとき道を間違えたんじゃないだろうか、そう思って生きていくのかもしれないけれど、いまが幸せだし、それに気づけて、心からそう思える人が幸せなんだろうなあ。と。全てを手に入れるの -
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変わり者の父と姉と普通の僕との人生ドラマ。
1・昭和54年(1979年)
2・昭和57年(1982年)
3・昭和60年(1985年)
4・平成元年(1989年)
5・平成6年(1994年)
6・平成9年(1997年)
7・平成23年(2011年)
8・平成29年(2017年)
小6の時に両親が離婚し、父・姉と離れ離れになった僕・守。
久しぶりに再会した父は、将棋の強い姉が賭け将棋で稼いだお金で生計を立てているダメ親父。姉は一般常識のない将棋が強くて、こだわりのない不安定な生活を送っている実態だった。
姉の将棋の才能に羨ましさを感じながら、普通の人生のレールを歩んでいくうち、普通が普通で -
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ネタバレ評価は5.
内容(BOOKデーターベース)
初対面の相手でも、たちまちするりとその懐に入ってしまう。小谷夏子は男をその気にさせる天才だ。彼女との未来を夢見た男は、いつの間にか自らお金を出してしまうのだ。そんな生来の詐欺師を遠縁に持つ弁護士・石田徹子は、夏子がトラブルを起こすたび、解決に引っぱり出されるのだが…。対照的な二人の女性の人生を鮮やかに描き出し、豊かな感動をよぶ傑作長編。
弁護士徹子の20代~70代までの人生を主に遠縁夏子との腐れ縁を中心に描いた作品。
この夏子!人間性は徹子を通じてしか描かれないが、とことんまで嫌な女ある(笑)
逆に徹子を囲む周囲の人たちは、互いに多くを語らず -
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将棋をさす以外に何も出来ない姉とギャンブル好きの父が、両親の離婚で母と守の元から出ていった。
2人の生活は、その後も姉の賭け将棋の上がりで成り立つものだった。
全然期待せずに読み始めましたが、とーっても良かった。
暖かい家族小説でした。
父ちゃんの様な人は困りものだし、姉ちゃんはあのままではいけなかったのかも知れないけれど、至って普通の守が歳を重ね、2人がを認められるようになる様子に胸の奥が暖かくなりました。
守とりか子の子供の性格が真逆なことも、血の繋がった家族なんだなとしみじみ。
将棋に明るくなく、そこだけが心残り。
歩がと金に変わる、「父ちゃんとの思い出も、特別な思い出に変わるの -
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ネタバレ*生来の詐欺師・夏子は男をその気にさせる天才。口癖は「これで終わるような女じゃない」。 がむしゃらに勉強だけをして弁護士となった徹子は、いつも虚しさを感じている。同い年で遠戚、たびたび夏子のトラブルの始末をさせられる徹子。したたかな女と不器用な女が向き合い嚙み締める人生を描く、桂望実、2年ぶりの長編! *
これは、色々な意味で読み応えたっぷりな一冊。夏子と徹子の長い人生を一緒になって生きたような・・・どっぷりと嵌りながら読み終えた。誰でもその一面だけではなく、時には短所も長所になる。題名とは裏腹に「嫌な女」で終わらない爽快さ。脇を固める人々も魅力的で、後半は滂沱の涙。またいつか、しみじみとじ -
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NHK-BSのドラマになった時から少し気になっていたのだけれど、ここに来て手にする。映画化に合わせて吉田羊と木村佳乃が表紙のカバーになってしまい、手にしてレジに行くのがためらわれたが、仕方がない。
弁護士の徹子と、その遠い親戚の夏子。
男好きがして男を手玉に取る術に長ける夏子が何年かおきにトラブルを発生し、その都度、徹子がお尻を拭くことになる。
24歳から71歳まで描かれる長い年月の流れの中で、二人の女性の変わらない本質と変わっていく生き様がつぶさに描かれる。
自由奔放に年老いてまで可愛い女として生き続ける夏子と人生に虚しさを抱えながらも弁護士としてのキャリアを積んでいく徹子。
後半は、特に、 -
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ネタバレ読み終えて、ふうと息をつく。
表紙とタイトルから、
坂木司さんのホリデーシリーズ(大好き♪)をイメージしてました。
誰とも深くかかわらず、面倒くさがりでやる気のない健一。
ケータリングサービスを生業としながら、
その仕事ぶりは、どれだけ手抜きをして、出来あいの物を見栄え良く盛り付けられるか。
その健一が遭遇した事故現場で、寛子を助けたことから少しずつ変わっていく。
というか、妹と親友の死にまつわる後悔のようなものから無気力になってしまっただけなのかもしれない…。
そして、”僕”、英樹との出逢い。
生まれた時から、その人生のほとんどを病院で過ごしてきた英樹。
もうね、ここからの健一と英