桂望実のレビュー一覧

  • 僕は金になる

    Posted by ブクログ

    六年生の時に父と姉が出て行った。主人公の守は真面目な母と二人で暮らしていくことになる。
    父はろくに働きもせず、天才的な将棋をさす姉に賭け将棋をさせて生計を立てる。

    破天荒な父と姉に翻弄されるドタバタコメディ‥‥を想像して読み始めたものの、見事に裏切らた‥‥表紙からして、もう面白そうなのに、なかなかにシリアスな面もあって色々考えさせられるお話でした。

    破天荒な父と姉を軽蔑しながらも、特別なものを持っている二人が羨ましくもある守。でも父と姉は、「守はちゃんとしていて凄い」「お前はまっとうに生きろ」と言う。
    父と姉の生き方を受け入れられないのにどうしても離れられず事あるごとに会いに行く、そんな約四十年間のお話。
    将棋には性格、生き様が出る。強いか弱いかだけではなく、勝つか負けるかだけでもなく、「お互い様なんだ、迷惑をかけることもあるし、掛けられることもある。それで世の中は回ってるんだ」

    題名の『僕は金(きん)になる』
    将棋をする人にはすぐにピンとくるのかも知れないけれど、この意味が分かった時にはグッときました。
    軽い気持ちで読み始めたこの作品。思いがけず大当たりでした!最近読んだ本の中では一番かも!

    0
    2021年05月11日
  • 僕は金になる

    Posted by ブクログ

    とある家族の40年を読むことで、人生を追体験できる。
    仕事とは、家族とは、色々と思うところが描かれている。
    毎日、何もない日常を歩の様に一歩一歩ずつ積み重ねて生きていること自体がドラマと気付かされる。
    ありのまま、自分のままでしか生きられないから、家族とは厄介だけど、家族には歴史がある。
    本編で描かれる家族の歴史が、最後の一文をとても素敵な余韻のある文に仕立て上げる。
    ありのままに生きること、未熟者が集まってすったもんだする家族って良いなぁと思わせてくれた本。

    0
    2020年01月05日
  • 僕は金になる

    Posted by ブクログ

    変わり者の父と姉と普通の僕との人生ドラマ。

    1・昭和54年(1979年)
    2・昭和57年(1982年)
    3・昭和60年(1985年)
    4・平成元年(1989年)
    5・平成6年(1994年)
    6・平成9年(1997年)
    7・平成23年(2011年)
    8・平成29年(2017年)

    小6の時に両親が離婚し、父・姉と離れ離れになった僕・守。

    久しぶりに再会した父は、将棋の強い姉が賭け将棋で稼いだお金で生計を立てているダメ親父。姉は一般常識のない将棋が強くて、こだわりのない不安定な生活を送っている実態だった。

    姉の将棋の才能に羨ましさを感じながら、普通の人生のレールを歩んでいくうち、普通が普通でなく、結局は個人の幸せは個人でしか分からないことに気づいていく守。

    しかし、姉は姉で、普通の守を羨ましく思い、懸命に生き、父を慕い、家族を慕っていた。


    十人十色の家族があり、それは他人には分からない幸せがある事を感じさせてくれる作品。

    コミカルでもあるし、じんわり感動もできる機微な作風の作家に久しぶりに出会えた。

    0
    2019年09月05日
  • 僕は金になる

    Posted by ブクログ

    将棋をさす以外に何も出来ない姉とギャンブル好きの父が、両親の離婚で母と守の元から出ていった。
    2人の生活は、その後も姉の賭け将棋の上がりで成り立つものだった。

    全然期待せずに読み始めましたが、とーっても良かった。
    暖かい家族小説でした。

    父ちゃんの様な人は困りものだし、姉ちゃんはあのままではいけなかったのかも知れないけれど、至って普通の守が歳を重ね、2人がを認められるようになる様子に胸の奥が暖かくなりました。

    守とりか子の子供の性格が真逆なことも、血の繋がった家族なんだなとしみじみ。

    将棋に明るくなく、そこだけが心残り。
    歩がと金に変わる、「父ちゃんとの思い出も、特別な思い出に変わるのかなと思うと寂しい」と言ったりか子。
    涙腺崩壊のシーンでした。

    0
    2018年12月11日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

    Posted by ブクログ

    この調子だとお代わりが欲しい感じなんだよね
    たまにふっと笑えてたまにすごく感動して、
    幸せが希望がこの本には溢れてる。

    0
    2018年11月25日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

    Posted by ブクログ

    タイトルが私の好みの感じだったので読みました。
    驚いたのは叔父でも伯父でもなく本当にただのおじさんだったこと。
    そんなおじさんと「僕」が出逢い親交を深めていく過程が丁寧に描かれていて良かったです。
    「僕」との出逢いと別れを通して仕事へのやる気を取り戻すおじさんに何故だか嬉しくなりました。おすすめです。

    0
    2018年03月11日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

    Posted by ブクログ

    どうしてかな、すごく入ってきた。
    すごく理解できた、書かれていることに呼応するみたいに。
    このタイミングで、手元に来てくれたことに感謝したいくらい。

    0
    2017年06月10日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

    Posted by ブクログ

    ぐうたらで無気力に生きるケータリング業者の水島健一。
    先輩の忠告も、派遣先で問われる不可解な薬の存在も軽く受け流してきたのだが、ある少年と出会い、それらと真面目にかかわらざるを得なくなる―。
    少年が最後に下した決断に、水島はどう向き合うのか。
    「生きるということ」「残されたものの哀しみ」とは。
    究極の問いに挑んだ、桂望実の最新作!

    0
    2016年07月03日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み終えて、ふうと息をつく。

    表紙とタイトルから、
    坂木司さんのホリデーシリーズ(大好き♪)をイメージしてました。

    誰とも深くかかわらず、面倒くさがりでやる気のない健一。
    ケータリングサービスを生業としながら、
    その仕事ぶりは、どれだけ手抜きをして、出来あいの物を見栄え良く盛り付けられるか。

    その健一が遭遇した事故現場で、寛子を助けたことから少しずつ変わっていく。
    というか、妹と親友の死にまつわる後悔のようなものから無気力になってしまっただけなのかもしれない…。

    そして、”僕”、英樹との出逢い。
    生まれた時から、その人生のほとんどを病院で過ごしてきた英樹。

    もうね、ここからの健一と英樹と、その両親の関係がとてもいいんですよ。
    健一のお弁当が、いつしか英樹のためのものに変化していったり、
    英樹が美味しそうに食べるのを見て喜ぶ母親の姿とかね。

    「もう疲れた」と尊厳死を望んだ英樹。
    残される両親の気持ちを思うと、胸が締め付けられるようです。
    「生きてさえいてくれればそれでいい」
    それが結果として、子供を苦しめるだけだとわかっていても、
    そう願わずにいられないのが親なんでしょうね。

    後悔のない別れなんて、たぶんない。
    どの道を選択してもずっと後悔はつきまとう。
    あのときこうしていれば、こうしなければって…ね。

    できればこのまま、奇跡が起こって欲しいと願ったのですが…。


    一心不乱に鰹節を削り、だしを採る健一。

    この食事が最後の晩餐になっても後悔しないようにと、
    食べてくれる人のために、心を込めて料理する。
    その姿をキッチンの傍らで見つめる、息子の司。

    この世に生まれた価値のない命なんて、絶対にない。
    英樹と出逢えたから、今の健一の姿がある。

    本を閉じ、表紙のトーストと目玉焼きとオレンジジュースを見た途端、
    せつないけど、温かなものが胸の中に広がりました。

    0
    2016年02月08日
  • 地獄の底で見たものは

    Posted by ブクログ

    いろんな人の人生の紆余曲折を想像できた。
    自分も大変なことがたくさんあったけれど、いまは幸せ!
    この物語の主人公たちもハッピーエンドでよかった。
    また色々あるかもだけれど、悪いままってことはないんだよな

    0
    2026年10月31日
  • じゃない方の渡辺

    Posted by ブクログ

    【二人の『じゃない方の』終わらない
     オーディション】

    「人生はオーディションである」――かぁ。
    そう言われれば学校、就職、結婚と誰かに選ばれ選び続ける「終わらないオーディション」だよなぁ。

    タイトルの「じゃない方〜」って差別的で意地悪に聞こえるけど、勝ち負けにこだわって一喜一憂する展子の人生もなんだか息苦しかった。 (*̩̩̩ᵋ *̩̩̩ )クルシイ

    私も「持っていない側」の人間だから、人の成功を素直に喜べない自分がいるんだよね。それが同じ目標で近しい人ならなおさら微妙。私なんかテレビで成功した人の話になると思わずチャンネル変えてしまうとっても小さい人間。展子が心に持っているモヤモヤする気持ちわかるような気がする。

    展子の「私の方が…」とか、「なんで?」という隠しきれない傲慢さが徐々に溝を作っていく描写も、あるあるで生々しかった。

    でも、読み終えて印象が変わった。✨
    勝ち負けにこだわっていたのは展子だけでなく、誰からも本当の姿を見てもらえなかった美人の久美もまた、別の意味での「じゃない方」を生きていたんだよなぁと。✨

    ふと、この物語が展子だけの話なら旧題『オーディション〜』の方がしっくりくる。あえて『じゃない方の渡辺』へ改題されたのは展子と久美、2人を指しているのではないかと思った。✨
    お互いを認め思い遣る二人の物語なのだ。たぶん…

    0
    2026年10月26日
  • 腕が鳴る

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    片付け以外のことまで片付く、素敵な整理収納アドバイザー・中村真穂。ズル休みしちゃうお話と喫茶店と銀次郎のお話が好きだったなぁ。捨てろ!物を減らせ!っていうだけではなくて、その物への思いも片付けてから処理して収納をする、その考え方が好きだった。

    0
    2026年09月25日
  • エデンの果ての家

    Posted by ブクログ

    母が殺された。殺人容疑で逮捕されたのは、両親に愛され期待されて育った弟だった。
    弟の無罪を信じて知人から話を聞くうちに、母や弟の知らない顔が見えてくる。父は家族の悪い話から目を背け、主人公と衝突する。
    いちばん身近でいちばん遠い存在。私は家族について、ちゃんとわかっているのだろうか。

    0
    2026年09月20日
  • ウチの共有不動産揉めてます!

    Posted by ブクログ

    亡き変わり者の母の財産分与に振り回される、4人の兄弟。
    仕事、結婚、離婚、家族。それぞれの人生を歩んできた兄弟が、母の死をきっかけに、歩み寄りお互いを認めていく話。
    兄弟だからといって、相手の気持ちはわからないし、寄り添う心がなければ、何もわからない。

    0
    2026年08月15日
  • 総選挙ホテル

    Posted by ブクログ

    ホテルを立て直すため社長が次々と手を打つ話。総選挙、から始まり管理職選挙に接客点数にと色んな施策が行われる。ただ働くだけだった従業員が施策により自分達で考えて働いていくのが好きで、読み進めるにつれてホテルのことも従業員のことも社長のことも好きになる。

    0
    2026年08月13日
  • ウチの共有不動産揉めてます!

    Posted by ブクログ

    遺産相続できょうだい間が揉めるお話。きょうだい一人一人に事情があるのだけど、亡き母の「お金は未来のために使う」という言葉をきっかけに、それぞれの人生に変化が起きていく。

    0
    2026年07月05日
  • ウチの共有不動産揉めてます!

    Posted by ブクログ

    すらすら読めた。
    お金は未来のために使う。
    古い家なんか壊してしまえばいい、と言っても、そこに住んでた人の人生がある。

    喧嘩をしてぶつかって心の距離を縮める、のはいいと思うけど、それを聞かされる子どもの立場になってほしい。

    0
    2026年06月24日
  • ウチの共有不動産揉めてます!

    Posted by ブクログ

    親の遺産である家について、何故トラブルにならない様に遺言を準備してなかったのか、親には親なりの考えがある事、また子供たちも親の遺産を相続する事で揉めるのですが、その背景にはそれぞれの家庭に抱える問題があり、兄弟でも言えない事情がある事、めちゃくちゃ共感できる話の流れで最期はうるっときました。
    是非、ドラマ化してほしいと思う内容でした。

    0
    2026年06月23日
  • この会社、後継者不在につき

    Posted by ブクログ

    中小企業診断士(コンサルタント)の北川が受け持つ会社の後継者問題を物語にしていて、なるほど!と思える切り口で現社長にアドバイスする。引継ぎ期間を10年としているのはだいたい共通していた。そのぐらい時間をかけるんだと初めて知った。面白かった!

    0
    2026年06月18日
  • ウチの共有不動産揉めてます!

    Posted by ブクログ

    「不動産の遺産分け」が兄弟姉妹のいろいろな考えがある。4人とも幸せそうに見え事情が異なるが大変な思いをしている。大いに参考になる1冊と思う。

    0
    2026年05月27日