桂望実のレビュー一覧
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ネタバレ面白かった。
珍しく中小企業診断士が活躍する物語。一般的には中小企業診断士というよりコンサルティングといった方が伝わりやすいと思うが、あえて中小企業診断士とすることに作者のこだわりを感じる。
取っても食えないとバカにされがちな中小企業診断士の資格であるが、その仕事ぶりがわかるお仕事小説。純粋に中小企業診断士が活躍する話はほかで読んだことなかったので、素直に嬉しい。
物語は3つの短編からなる。それぞれに問題を抱えた会社が舞台になっている。後継者を長男にするか次男に悩むパン屋、無能な部下しかいないと悩むバックメーカー、先代社長の急逝により外資系企業に買収された包丁製造業。型やぶりな中小企業診断 -
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年齢の違う2人の心の通わせが良かった!少年を縁として、健一と少年の父が一緒に出かけるのも楽しそうだった。こういう関係の広がりもあるんだなぁ。少年との付き合いを通して、手抜きばかりのケータリングだったのが、丁寧に料理をするようになった健一。
健一が少年に言った言葉
「生まれてきただけで意味がある。親にとっては、生まれてきてくれたというだけで、幸せを運んでくれるんだからな。そこにいてくれるだけで充分なんだ。思っていたような子どもにならなくても、問題を起こしたとしても、自分の子どもとして生まれてきてくれただけで それだけで充分なんだ」が、心にしみじみと残った。
また、「思うようにはいかないな、人 -
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ネタバレ「人生はオーディションの連続だと思います。」
の書き出しに惹かれて読み始めました。
「じゃない方」感に苦しむ話かな?と思ったら割と前半だけで、殆どは主人公・展子が困難にぶつかり成長し、幸せに気づくまでのストーリー という感じでした。
プレッシャーから周りが見えなくなって、昔からツイてないせいだと思ってしまう展子の気持ちも、大雑把(よく言えばおおらか)で「なんくるなる!」精神の太一の気持ちも分かるな〜。
ただ、エスカレートする展子の詰め方は、普段言われる側にいる私としては文字で読んでてもキツかったです。
そして合間合間の語り口調に違和感があって「なんだこれ?」と思っていたのですが、最後の展 -
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それぞれ様々の背景をもつ人たちが一つに集まって何かを成し遂げる。成し遂げることの大小も、年齢も性別も関係なく、何かに真剣になってそこから得るものの大きさは、他の誰に評価できるものでもない、自分のもの。
そんなことを考えさせられた作品だった。
終わり方も良かった。競技会の結果で終わるのではなく、その後の日常まで描かれていて、物語のはじめからの各キャラクターの変容が胸に迫る。
ちょっとかたい感想になってしまったけれど、(主に)3人の初心者ダンサーの日常と、講師の心の機微が、適度に入れ替わり登場するので、とても読みやすい。
3人が社交ダンスにのめり込んでいくのと同じように、読んでいる方も引き込ま -
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2019年「オーディションから逃げられない」改題
全く、人生は幾つになってもオーディションから逃げられないのよ。生まれた時から、入試とか就職とか結婚とか。最後の方には、介護保険の認定面談まであるのよ。
たまたま、同じ苗字の美女と同じクラスになり、友人となり、長い間、“じゃない方”というポジションとなった女性。その美女はなかなか良い子で、一生の友人になるんだけど。
笑えるような哀しいような、“じゃない方”の話だけではなく、家庭を持ち家族を支える事になった主人公が、パン屋の主人となり、いうの間にかオーディションをする側にもなっていく。
自分の人生に満ち足りなかった気持ちを抱えて走り続ける。つい -
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読み進めていくたび、ゴールポストが動いていく感じ。一章ごとに、変貌するミステリーと言われているけど、それ以上に変わる。ミステリーになっているけれど、それを考える隙がない。
スーパーでの数分の買い物の間に、6歳の少女の姿が消える。母親は、必死で探す。警察も学校も動くが、金銭の要求もなく、少女の身体も見つからない。周囲は、時間の経過とともに、徐々に諦めていく。少女の母親は決しって諦めない。
その母親の生涯をノンフィクション作品として出版しようと、フリーライターが当事者関係者への取材を重ねていく、という構成。
諦めない母親は次第に周囲から孤立して、離婚となり家も失う。それでも、探し続ける。
諦める -
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ネタバレずっと自分はついてないと思ってた。
親友は同じ苗字でなおかつキレイで自分は選ばれない方の渡辺
でも理解して応援してくれる優しい父親がいる時点で展子はとってもついているんだと。
学生時代って何かと人と比べて
なんで?どうして?が付きまとう
それくらい毎日誰かと行動していたから。
でも社会にでたら
いかに自分が挑戦できる場所にいるか
優しい家族がいるか
厳しくいってくれる兄弟がいるか
優しい友達がいるか
それだけで全然違う。恵まれてる。
病気になって亡くなる前に友だちが
展子はいつでもやりなおせる時間がある
子どもの成長をみることができる
それだけでどれだけ恵まれているか分かる。
劣等感 -
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平凡な器量に生まれ、性格も地味だったために、子どもの頃から注目を浴びることも好意を寄せられることもなかった渡辺展子の半生を描く。全11章。
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人目をひく容姿を持っているわけでもないし、言動に才気のきらめきを感じさせるところもない。どちらかというと平凡でおもしろみに欠けるというタイプだった展子。
いわゆる「持ってない」ことを痛感して育った展子にとって、努力を拠り所として生きるしかなかったということは想像に難くありません。
だからこそオーディションの連続であると看破した人生で選ばれるためには、真面目にコツコツ積み上げることで実力をつける道を行こうとしたの