桂望実のレビュー一覧
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「お前はぐうたらではあるが、嫌なやつじゃないからな。たまに思い遣りを見せることもあるし。[...] あれだな。人間も料理と一緒で、複雑であればあるほど旨味が出るだろう。」(149 ページ)
どうでもいいといった感じを常に醸し出している主人公。
私生活でも、仕事のケータリングでも、
面倒臭がりで、手を抜くことに一生懸命。
それでも、ある少年との出会いを境目に、
自分ができる、唯一で最高のことを見つけ出す。
嬉しさと、切なさで胸をいっぱいにしながら、
真剣に、そしてとても丁寧に。
『料理人になって良かった』と、
自分の人生と誠実に向き合えるようになるまでの物語り。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ適当に脱力して生きてきた調理師のおっさんが、一人の難病の男の子と出会う事によって人生をやり直す気力を得ていく物語です。いい話になるであろうことがあらかじめ分かっているので安心。最近惨い話が胸にぐさぐさ刺さって疲れるので、こういう初めから安心できる本って助かります。
でも内容としてはなかなか重めで、自分の生き方を決めるのは誰なのか、生きていて欲しいと望む人の気持ちだけで決めてしまってよいのか。病気には徹底的に戦っていかないと人として間違っているのかという事を読みながら考えていました。
ここからは感想ではないのですが、視点移動を多用すると小説としての趣きが削がれるため個人的には好 -
Posted by ブクログ
主人公が走らない箱根駅伝小説。持って生まれた資質や才能がほとんどを占める短距離と違って、努力がある程度報われる長距離競技とはいかにメンタルのスポーツかということ。だからこそストイックにハマる輩が多いのだろう。長距離を扱った小説には「人はなぜ走るのか。辛い思いをして」が必ずキーワードとして出てくることが多いが、「マッサージでイタぎもちいいのと同じで、辛いのと楽しいのが同時に来てる感じ」は言い得て妙かも。辛いと楽しいは紙一重なのか。辛いと思った先に楽しさが待っているのか。一般市民ランナーとトップを目指すアスリートは勿論全然違うだろうが、テニスやサッカーをすることに対して疑問を抱く人は少ないが、長距