桂望実のレビュー一覧
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スゴ腕の整理収納アドバイザーが、部屋から溢れたものだけではなく人生までも大掃除する。
簡単にモノを捨てればいいだけじゃなく、どんな部屋に住みたいかを想像し、目標をはっきりとさせることで自分を見つめ直すことになり、これからの生き方を考えるきっかけにもなる。
5つの短編集。
第1話 買い過ぎた家
第2話 物が消えるリビング
第3話 服が溢れるクローゼット
第4話 段ボール箱だらけのアパート
第5話 ちょい置きでカオスになった部屋
どれも心のなかに何か抱えているものがあって、自分では気づけなかったことが、整理することによってなのか、つまりはアドバイザーのおかげなのかもしれないが、心の奥に溜まって -
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序盤の下ごしらえの部分はどうしても人物の把握とか状況説明になるのでページが進みづらいけれど、そこを越えると一気に面白く感じた。
また、上手く行き始める中にもちょっとした躓きや悩みなどブレーキ部分も散りばめてあるのでより現実味があって話に入っていきやすかったと思う。
しかもそういう悩みへの助言だったりメッセージだったりが現実に悩んでいる人への助言やメッセージにもなりえていて、様々な状況に参考になりそうなんて思った。
人がどう考え行動するかに大きな関心を持っていても人の心がどう動くかはあまり分かっておらず理解して行動しようとも思っていなさそうな元山社長が、結果だけ見ると狙ってやったのかと思うほ -
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まずまず平穏な人生を送っていたはずなのに突如として崩れた足許。自分が落ちてしまった陥穽はあまりに深く絶望的な気持ちになったが……。
人生の岐路に立たされたアラフィフ女性たちの選択と再起を描く痛快リベンジ短編集。
◇
伊藤由美はいつものように夕飯の支度を始めた。まだ午後6時。夫の帰宅まであと1時間ほどある。十分間に合うだろう。
雅規と結婚して28年が経つ。当時25歳だった由美も53歳になった。食器棚のガラス扉に映る自分の顔。確かに老けたと思う。
今日の昼、5年ぶりに江都子と会った。大学教授をしているその友人は、由美を見るなり「老けたわね」と言った。
ムッとし -
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小さな会社にとって後継者は大きな問題なんだろうなあ。
特に自分が創業者だったりしたら思い入れも半端じゃないだろうから。
社長が思っているほど社員は会社を心配していないこともない。
しかし今の若い世代はドライでもある。
認めてくれれば、やる気が出るような会社なら頑張ってくれるのだろう。
そういう社員を育てるのも社長など上層部の仕事なんだろうなあ。
中小企業診断士の北川が面白い。
役者でもあり、様々なアルバイトを経験してきたことが的確なアドバイスの原点にあるのだろう。
突拍子もないことを言い出すようで、実は的を得たアドバイスが社長達を救う。
第三章が一番面白かった。
変化を好まない社員が変わってい -
Posted by ブクログ
スーパーで買い物をする少しの間に、6歳の少女・沙恵は姿を消してしまった。母親の京子は半狂乱になって探し回るが見つからないまま。やがて12年の時が過ぎ…フリーライターの飯塚桃子はこの事件について本にしようと、関係者に取材して話を聞いていく。
沙恵が行方不明になった第1章からストーリーが始まるが、第2章になったところで突然18歳の沙恵が取材対象になっており、誘拐されても生きていたことが発覚。これだけでもうまいなぁと思ったが、その後も意外なところから展開を読者に知らせる形で、構成に感心した。娘の無事を信じるが故におかしくなってしまった母親、なんとか次に進むためにけじめをつけて新しい人生を歩むこ