桂望実のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白い!!
ホテルだから登場人物も所属部署も多くて途中まで誰が誰だか混乱してしまった。
でも鈴木みたいな嫌なやつは嫌なやつだし、
女性人気がある中西はそれに気付いて隠さないし、
後藤さんはお節介が面白くて、嫌味な主任にコーヒーのお代わり持って来させちゃう。
みんな自然体でニヤニヤしちゃう。
支配人も最初は仕事できなそうなおじさんに見えたけど、変わり者の元山の影響を1番受けているのか、頼り甲斐が出てきたみたい。
ホテル従業員がお互いを選挙し、落選者は解雇!、抜擢されて異動もありえるなんて、社長の思いつきなのか熟考の結果なのか、当事者なら恐ろしい。
まわりから見る分には面白すぎる。
異動になった人達は最初は落ち込んでいたが、
周りの助けと持ち味を活かして活躍しているところを見ると、
自分が思っているほど周りは自分を見ていないが、
見ていないようでよく見ているのかなと思った。
私の職場だったらどうだろう?
時短中で残業ほぼできない、出張できない、子供の体調不良で自分の意思とやる気とは関係なく連休になってしまう私は落選筆頭かもしれない。
続編希望! -
Posted by ブクログ
ネタバレ人生に疲れた人が、おいしいご飯を食って、少し元気を回復して、再び世間の荒波に立ち向かっていく、「時には美味しいものを大切な人と食べていいんだぞ」的、昨今はやっている系小説かと思っていたのだが。
確かに人生に疲れて投げやりなおっさんが出てくるが、そのおっさんが食事を作る側の主人公という変化球を投じてきた。なかなかやるやん…と思っていたら、そのおっさんが「僕」と出会うことで、元気を回復していくという、もうひとつのひねり。
読み終わってみれば、結論は似たようなところに落ち着くのだが、ひねったことで、食感…もとい読感はかなり変わっていて、ありきたりのグルメ小説とは感動度合いが一味違う。
前半の視点がうつりかわりすぎるモブ描写と後半が乖離しているのがちょっと残念なのと、俺には投げやり時代のおっさんの方が魅力的にうつってしまったのも(これは大いに俺の責なのだが)残念なところであるが、良作。読んで気持ちがシャンとする作品だった。 -
Posted by ブクログ
「金」は「かね」では無く「きん」と読みます。将棋の駒の金です。
読み終えて少々混乱。桂さん何を書きたかったんだろう?
他の人はどう感じたのかネットで調べていて、以下のような桂さん自身の文章に行き当たりました。
「当初は弟から見た、姉の人生を書くつもりでした。
その考えに沿ったプロットを作成しました。
ところが書き始めてみると・・・弟から目を離せなくなってしまいました。
フツーである自分にコンプレックスがあって、自分になにか特別な才能があってくれと祈っている少年。
その少年が青年になり、社会人になっていく・・・そんな彼に寄り添っているうちに、気が付けば彼の人生を描いていました。」
なるほど、そういう訳か。
離婚し姉とともに家を出て行った父。働くことが嫌いで賭け事好き。そして将棋好きで天性の才能を持ちながら、ふつうの生活では何事も続かず、どこででも寝てしまう変わり者の姉。父親は姉に賭け将棋をさせて生活費を稼ぎ、競馬競輪につぎ込む。
主人公の弟・守は看護婦でしっかり者の母と暮らしながら、数年おきにそんな父と姉の元を訪ねるという設定の物語です。
最初の方では勝手気ままに暮らす父娘を擁護し、真面目で小心な守を揶揄しているように読めるのです。奔放な生き方を賛美する物語なら「嫌だな」と感じてました。しかし途中から様子が変わります。将棋に天賦の才を持つ姉が勝負に臨む姿に憧れ、特別な才能を持たない自分に苛立ちを感じていた守が、周りにも恵まれ成長し自分に肯定的になって行きます(ここから先は完全にネタバレになるので・・・)。
40年にわたる変わった家族の物語です。
自分と真反対の生き方をする家族。苛立ちながらも、お互いに憧れ、思いやる姿は心地良く。最後まで父に逢おうとしない母も、「私はお義父さんのファンだから」という妻も、母の再婚相手も、守の上司もみんな心優しい。
あれもこれも肯定と言うのはやり過ぎ(これが最初に書いた戸惑いの原因)の感じはしますが、どこかホッとする物語でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレケータリングの仕事にやる気もなく、人に気遣いもできず、無気力に生きるおじさんと、ケータリング業者が持っていると、ネットで都市伝説化している「死ねる薬」をほしがる、いろいろな職業の人達の話が淡々すすむので、始めは思ったより期待感がかなり下がったのだすが・・・
難病の子「英樹君」と関わったことによって、おじさんが本来の自分の姿を思い出して、その少年の為とはいえ一生懸命になってる姿に、優しさと不器用さが見えてきて、そこからは段々と話しに引き込まれました。
作中の中で気になった 『僕の命は僕のものだ』 の言葉・・・
英樹君の決断とも取れるその言葉は、それは病気で苦しんでる英樹君、それを支えてきた両親、そのどちらも見ている友達としてのおじさん。
それぞれが立つ位置にによって感じ方が違うので、その言葉のとらえ方も誰が正しいとかじゃなく、それぞれが私はこうあってほしいと言う願望があるから、出てくる答えも違うものになるんですね。でもそれは相手を本当に思ってるからこそ...
最後に英樹君がお願いした、トーストしたパンと目玉焼きの意味を知ったときも涙がホロッと出てきました。