桂望実のレビュー一覧

  • 我慢ならない女

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    実力はあるけど中々陽の目が出ない作家の小説。
    作家の苦悩が非常にリアルで、こういうのを読むと果たしていち読者が評価や感想を述べてよいものか?おこがましいのでは?と思えてしまいます。(と言いながらここで感想を書いていますが)
    読書家としては作家さんという存在がありがたくて応援したくなる物語でした。
    あと、東えりかさんの解説もすごく良かった!!

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    2021年11月18日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    自他共に認める適当人間でやや投げやりに生きてきた健一が、生まれながらに重病を患って手術を繰り返しながら生きている少年と出会い、生き方が少しずつ変わっていくお話。

    のらりくらりと進んでいく前半に比べて、後半の面白さが凄い!ずーっと意味がわからなかったタイトル、最後に「なるほど!このことだったのか!」と。心の痛いラストだけど、最後には少し明るい未来も見えて、さすが桂望美!

    特に後半のお料理がとても美味しそうで、私も家族にごはんを作る時にはもっと心をこめないと…と思う。

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    2021年10月06日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    久しぶりの号泣。当事者だから変われること、当事者だからの影響力。なんでそんなに忙しくしてるの?と聞かれることがあるのは早くに父を亡くした故という自覚はある。そういうこと。

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    2021年06月27日
  • 僕は金になる

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    兄弟にはある才能が自分にはない、でもきっと自分にも何かの才能があるはず。でもそれが何なのかは、分からない。
    自由奔放な家族のことが妬ましくもあり、羨ましくもある。真面目な自分がちょっと嫌になることもある。でも実は家族の方も、自分を頼りにしてくれていたんだ。それは長い長い年月を、とぎれとぎれでも一緒に過ごしてきたことで分かったことなのだと思う。
    歳を重ねるごとに家族との関係や自分から見えていた家族の姿も変わっていく。そこにかつての輝きはないけど、それでもお父さんとお姉ちゃんを応援する、その気持ちが良かった。


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    2021年06月06日
  • 諦めない女

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    周囲から何を言われても、姿を消した6歳の娘の帰りを諦めずに待つ母親。自分だったら、京子のようにずっと生存を信じていられるだろうかと考えてしまう。
    予想もしないスケールの広がりを見せる第二章は、遠い世界の話のようでいて実際は…と思わせる裏側のリアル感が生々しい。子どもたちのせつない想いに胸が締めつけられる。
    形は違っても京子も沙恵も諦めない女。京子の諦めない気持ちが違う方向に向かってしまったのは沙恵との空白の時間や狂おしい母性が影響していたのか。沙恵と愛ちゃんの諦めない意思は何よりも強く輝いて印象に残る。

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    2021年01月15日
  • 総選挙ホテル

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    面白い!!

    ホテルだから登場人物も所属部署も多くて途中まで誰が誰だか混乱してしまった。

    でも鈴木みたいな嫌なやつは嫌なやつだし、
    女性人気がある中西はそれに気付いて隠さないし、
    後藤さんはお節介が面白くて、嫌味な主任にコーヒーのお代わり持って来させちゃう。

    みんな自然体でニヤニヤしちゃう。

    支配人も最初は仕事できなそうなおじさんに見えたけど、変わり者の元山の影響を1番受けているのか、頼り甲斐が出てきたみたい。

    ホテル従業員がお互いを選挙し、落選者は解雇!、抜擢されて異動もありえるなんて、社長の思いつきなのか熟考の結果なのか、当事者なら恐ろしい。
    まわりから見る分には面白すぎる。

    異動になった人達は最初は落ち込んでいたが、
    周りの助けと持ち味を活かして活躍しているところを見ると、

    自分が思っているほど周りは自分を見ていないが、
    見ていないようでよく見ているのかなと思った。

    私の職場だったらどうだろう?
    時短中で残業ほぼできない、出張できない、子供の体調不良で自分の意思とやる気とは関係なく連休になってしまう私は落選筆頭かもしれない。


    続編希望!

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    2020年12月30日
  • 諦めない女

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    女子小学生が疾走した事件を取材するライターが様々な関係者に話を聞く中で明らかになっていく全貌。
    最初の章は母親が「諦めない女」だが、次の章では違う女になり、意味合いも変わっていく。なかなか壮絶な話だが、全くありえない話でもない。徐々に事実が明らかになっていく様がさりげないんだけど、なかなか衝撃的なことだったりする。とてもうまい。
    ドロドロとした男女関係を描くのがうまい作者と思っていたから、こんなミステリーっぽい内容だったことが意外。でも面白かった。こんな作品も増えてくれると嬉しい。

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    2020年12月12日
  • 総選挙ホテル

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    この作品は一言で言えば、企業再生のために奮闘する会社員(ホテルの従業員)たちのサクセスストーリーです。どうすれば業績が上がるのか、どうしたら社員たちのモチベーションが上がるのか新しく社長になった元山の奇想天外な改善策をどう受け取るのか、合理的でもいいのかと感じられた作品です。

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    2020年09月13日
  • 総選挙ホテル

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    いまいちやる気のない従業員で売り上げが落ち込む中堅ホテル、フィデルホテル。支配人の永野は改善策を打ち出せないでいた。そこに社長としてやってきた変わり者の社会心理学者・元山が提案したのは、“従業員総選挙”。落選すれば解雇もやむなしという崖っぷちの投票制度だ。ざわつく従業員を後目に、さらに管理職の選挙も!好きな仕事と向いている仕事は違う。適材適所の新体制で、ホテルは復活なるか?

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    2020年07月23日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    読後、じわじわと感動が押し寄せます。会場でパーティをセティングするケータリングという仕事をしている水島健一44歳の物語。前半はパーティ料理と苦しまずに死ねる薬の2つのテーマを軸に話が展開。内容は分散気味だし、タイトルとどう関係するのか全く分からない状態。後半、健一が車椅子の13歳の少年、水谷英樹との出会いから本筋に。11回目の手術はもう受けないと尊厳死を決心した少年の願いは、健一に「元気なうちに最期の晩餐を作ってほしい」と。楽に死ねる薬はいらない。自殺したいわけではなく、無駄な治療で延命したくないだけ。

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    2020年06月14日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    ネタバレ

    前半と後半で物語の印象が変わった。前半の水島のイラッと来るくらいの無気力さ、後半英樹と出会った後の水島の変わり方、そして「朝ごはん」を食べた後の英樹の言葉がなんでか心にグッと来た。
    全部読み終えた後ですごくいい作品だなと思えました。

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    2020年02月12日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    ネタバレ

    人生に疲れた人が、おいしいご飯を食って、少し元気を回復して、再び世間の荒波に立ち向かっていく、「時には美味しいものを大切な人と食べていいんだぞ」的、昨今はやっている系小説かと思っていたのだが。

    確かに人生に疲れて投げやりなおっさんが出てくるが、そのおっさんが食事を作る側の主人公という変化球を投じてきた。なかなかやるやん…と思っていたら、そのおっさんが「僕」と出会うことで、元気を回復していくという、もうひとつのひねり。

    読み終わってみれば、結論は似たようなところに落ち着くのだが、ひねったことで、食感…もとい読感はかなり変わっていて、ありきたりのグルメ小説とは感動度合いが一味違う。

    前半の視点がうつりかわりすぎるモブ描写と後半が乖離しているのがちょっと残念なのと、俺には投げやり時代のおっさんの方が魅力的にうつってしまったのも(これは大いに俺の責なのだが)残念なところであるが、良作。読んで気持ちがシャンとする作品だった。

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    2019年11月04日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    ケータリングを仕事としているやる気のないおじさんと、生まれながらの病気で日々を病院で過ごす僕。
    僕はおじさんのやる気のなさを気に入っていたのだが、食を通し、僕と触れ合う事でおじさんは変わっていく。
    切ない終わりに、読み終わってタイトルがグッとくる。

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    2019年10月19日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    ネタバレ

    子の題名は いつ出てくるんだろう。
    やっと 後半に出てきましたね。
    僕によって おじさんが 変わっていく。
    この作家の 他の本も 読んでみたくなりました。

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    2019年06月30日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    詳しいことを書くとネタばれになってしまうから書かないけど、縁って生きるってこういうことよねと思った。
    昔話みたいに「幸せにくらしました。」おしまいみたいに人生はやさしくないけど、でも、生きていく意味や力をもらえる出会いというものがある。
    主人公はだらだらしててやる気なくて、好かんなーと思って読んでいたけど。

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    2019年06月01日
  • 僕は金になる

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    ちょっと癖のある父親と独特でマイペースな姉、きちんとした母親と主人公の僕。

    僕が小6の時、両親は離婚して、父と姉は家を出ていった。
    その2年後に連絡があって会いに出かけた父と姉は相変わらずマイペースで、僕は苛立ったりどこかで羨ましく感じたり。
    その3年後、再開した時も父と姉はちっとも変わらず、父親は賭け事が大好きで、姉は好きな時に将棋が指せればそれだけで満足で、「きちんとした僕」は、自分たちの生き方と全くちがう父娘に反発したままの高校生。

    それから中年になるまでの僕と家族の物語、読み終わってさわやかな温かい気分になる1冊でした。

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    2019年03月16日
  • ハタラクオトメ

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    サラッと読めてしまう。
    ふくよか女性が、その人格と人望で本気で仕事に取り組み、周りを巻き込んでいく。
    太っているのは、その意味ではたしかに敵を作りにくい。でも、自分の管理もできない人が。。とも思われる現実も知っている。

    さわやかな読後感で、ストレスはなく読める系でした。

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    2019年01月06日
  • 僕は金になる

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    「金」は「かね」では無く「きん」と読みます。将棋の駒の金です。
    読み終えて少々混乱。桂さん何を書きたかったんだろう?
    他の人はどう感じたのかネットで調べていて、以下のような桂さん自身の文章に行き当たりました。
    「当初は弟から見た、姉の人生を書くつもりでした。
    その考えに沿ったプロットを作成しました。
    ところが書き始めてみると・・・弟から目を離せなくなってしまいました。
    フツーである自分にコンプレックスがあって、自分になにか特別な才能があってくれと祈っている少年。
    その少年が青年になり、社会人になっていく・・・そんな彼に寄り添っているうちに、気が付けば彼の人生を描いていました。」
    なるほど、そういう訳か。

    離婚し姉とともに家を出て行った父。働くことが嫌いで賭け事好き。そして将棋好きで天性の才能を持ちながら、ふつうの生活では何事も続かず、どこででも寝てしまう変わり者の姉。父親は姉に賭け将棋をさせて生活費を稼ぎ、競馬競輪につぎ込む。
    主人公の弟・守は看護婦でしっかり者の母と暮らしながら、数年おきにそんな父と姉の元を訪ねるという設定の物語です。

    最初の方では勝手気ままに暮らす父娘を擁護し、真面目で小心な守を揶揄しているように読めるのです。奔放な生き方を賛美する物語なら「嫌だな」と感じてました。しかし途中から様子が変わります。将棋に天賦の才を持つ姉が勝負に臨む姿に憧れ、特別な才能を持たない自分に苛立ちを感じていた守が、周りにも恵まれ成長し自分に肯定的になって行きます(ここから先は完全にネタバレになるので・・・)。

    40年にわたる変わった家族の物語です。
    自分と真反対の生き方をする家族。苛立ちながらも、お互いに憧れ、思いやる姿は心地良く。最後まで父に逢おうとしない母も、「私はお義父さんのファンだから」という妻も、母の再婚相手も、守の上司もみんな心優しい。
    あれもこれも肯定と言うのはやり過ぎ(これが最初に書いた戸惑いの原因)の感じはしますが、どこかホッとする物語でした。

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    2018年10月18日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    ケータリング業者の『おじさん』が、『僕』との出会いによって変わって行く様子が、2人も含め周囲の様々な人たちの視点で描かれています。


    後から気づいたけど、タイトルは『僕』目線なんだな。


    作中の随所に出てくる料理の過程の描写が細やかで、画が目に浮かんでくるようでした。
    『おじさん』の変化とともにその描写も一層丁寧さが増していきます。そのシーンは読んでいて安心感があって、心地良かったです。


    勝手なイメージですが、もし映像化されるなら『おじさん』は新井浩文さんです。

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    2018年09月17日
  • 僕とおじさんの朝ごはん

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    ネタバレ

    ケータリングの仕事にやる気もなく、人に気遣いもできず、無気力に生きるおじさんと、ケータリング業者が持っていると、ネットで都市伝説化している「死ねる薬」をほしがる、いろいろな職業の人達の話が淡々すすむので、始めは思ったより期待感がかなり下がったのだすが・・・

    難病の子「英樹君」と関わったことによって、おじさんが本来の自分の姿を思い出して、その少年の為とはいえ一生懸命になってる姿に、優しさと不器用さが見えてきて、そこからは段々と話しに引き込まれました。

    作中の中で気になった 『僕の命は僕のものだ』 の言葉・・・

    英樹君の決断とも取れるその言葉は、それは病気で苦しんでる英樹君、それを支えてきた両親、そのどちらも見ている友達としてのおじさん。
    それぞれが立つ位置にによって感じ方が違うので、その言葉のとらえ方も誰が正しいとかじゃなく、それぞれが私はこうあってほしいと言う願望があるから、出てくる答えも違うものになるんですね。でもそれは相手を本当に思ってるからこそ...

    最後に英樹君がお願いした、トーストしたパンと目玉焼きの意味を知ったときも涙がホロッと出てきました。

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    2018年09月02日