本田秀夫のレビュー一覧
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「対人関係」「仕事」「日常生活」の三つの場面ごとに、悩みと考え方(しなくていいこと)を提示しており、サクサクと読み進められる。即効性のある解決法と言うよりは、考え方の型を見直す(「理想像」や「目標」の調整)ためのアドバイスが中心となっている。印象的なものとして、「ライフ・ワーク・バランス」ではなく「ファン・デューティ・バランス」を推奨していて、これは「やりたいことを最優先」するものであり、多少の生活の乱れ(夜更かしなど)や、場合によっては仕事も含まれる。要は、自分が楽しめて納得できるか(体調に響かない前提で)が基準となっている。あるべき理想の生活に引きずられすぎないように(それが常時の不安や緊
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精神論(心構え)や規範的な内容に終始し、臨床例が載せられている訳ではない事、教育における一般論的論説が多いため、よく言えば発達障害に限らず普遍的に有効、悪く言えば発達障害の視点が弱い。読んでいても感じたのは、発達障害よりも悩ましいのは、境界知能。発達障害は、定義の仕方で如何様にも取り扱える。
階層的にアプローチ方法を示す箇所は、この本の白眉である。以下に引用する。発達障害に限らず、教育の脱落者一般に使える考え方だと思う。
ー ファーストステージとしてのユニバーサルデザイン。セカンドステージは合意的配慮。サードステージは特別な場での個別の教育。合理的配慮と言うのはユニバーサルデザインでも困難 -
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10代は自意識過剰の時代。周りには同年代しかいないし、いろんな尺度で序列化されやすい環境。やればできるという幻想、周囲からの期待と自分の期待、現実から離れた希望を普通と思い込み、勝手に落ち込むこと多し。一方で、世界が狭いので(わざと見ないようにすることも)、自我を肥大させて、根拠もない自信をみなぎらせる。この著者のような大人が近くにいれば悩みや問題行動が減るのかもしれないが、昔は文学作品の登場人物や伝記になる実在の人物の思考や行動を参考に解決?していたのかもしれない。圧倒的経験不足を読書によって補う。今なら漫画や映画、ドラマか。コスパタイパで物語の筋だけ分かればいい人では登場人物の思考や行動を
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Posted by ブクログ
精神科医の立場からの考えが述べられており、学校現場的な視点で考えると全面的に肯定できる主張ではないと思う。
「学校の標準の幅が狭い」という主張は正論ではあるが、子どもたちそれぞれに合わせた支援や指導を行なっていくためには、今の現場はあまりにも忙しく、人手が足りていない。
保険的に特別支援学級に入級させるという主張も現場的な視点で考えれば、限られたリソースの中で適切な場所に支援の手を割り振ることができなくなるという点ではかなり困った主張のように感じる。
学校現場にも変わらなければならないところはあるのは勿論わかるが、法律的な教室の設置基準や教員の配置基準などを変えて、余裕を持って子どもに関われる