本田秀夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読前は、発達障害(ADHD注意欠陥多動性障害)(ASD自閉症スペクラム障害)という文字通りの意味を知識として知っているだけでした。
また「人間はどちらかの傾向がある」ぐらいの浅い知識で、「自分はADHD傾向だから!」深く考えず、30年以上過ごして来ました。
しかし読後は、「発達の特性を〇〇が苦手、という形で、機能の欠損として捉えるのでなく、〇〇よりも〇〇を優先する、という生来の志向性の偏りと捉える」という筆者の主張が、実際に困った時に役立つ知恵なのだと気がつきました。
まさに「白か黒かではなく、グレー」で、グレーの色も濃いグレーか、薄いグレーか、どちらかの傾向ではなく、両方「重複」しているのか -
Posted by ブクログ
ちょっと自閉症、ちょっと注意欠如多動性障害
以下AS.ADH という解釈は新鮮だった。
診断名に囚われないという話は良く聞くが、なぜかという理由がよく分かった。
1つはAS.ADHが重複しているということ。
2つはそれらの程度に強弱があるということ。
要は人それぞれに違った特性、段階があるということで、一般的に障害の無い人と呼ばれる中にも生きづらさを感じている人は多いのではないかと思う。
私自身は人はみな発達障害を抱えているのではないかと思う。強弱はあるにしろ、人間社会にいる中で何かしらの生きづらさを感じていると思う。人の悩みの殆どは人間関係にあると言われているように。
だから、その生 -
Posted by ブクログ
発達障害に関する雑な本があふれているのに辟易していたが、この著者は信頼できる内容を書く。ASDに知りたいが何を読んだらいいかわからない人は読むべき1冊。
わかりやすく、かつ誠実に当事者をいかに利するかというスタンスで書かれた本。著者の方は自閉症スペクトラムについて実臨床に携わっていらっしゃるので、腑に落ちる説明が多かった。ちょっとだけ気になるのは、IQが低い群の話とそうでない群の話がいったり来たりするところが焦点が分かりづらくなっていたのと、ゲームに対する記述が雑なこと(ネスト・ジャパンの余暇活動にもゲームがあるように、ゲームもまた「共通の趣味」というよりどころになるはず。)。 -
Posted by ブクログ
本書は、発達障害と診断されてはいないものの生きづらさを感じている大人向けに書かれています。
著者の、発達障害を「〜が苦手」ではなく、「〜よりも〜を好む志向性」という考え方が、他の書籍と比べて、しっくり来ました。
1点、学習障害の以下の部分についても、上記の著者の「〜よりも〜を好む志向性」を当てはめることができると私は思います。アメリカのテンプル・グランディンさんの一例があるからです。
▶学習障害(以下LD)の「読むのが苦手」「書くのが苦手」「計算が苦手」という特性も、基本的にはネガティブな概念です。ある特定の学び方が苦手で、その部分は育ちにくいということですから、特性そのものを長所として生活 -
Posted by ブクログ
ネタバレ妊娠中に子どもの個性を学びたくて読み始めました。
本書は、自閉症スペクトラムについて、この一冊で基本的な知識から考え方まで学べる良書だと思います。
印象的だったのは、自閉症スペクトラムかどうかに関わらず、多くの人が思春期になれば世の中のことや自分の周囲のことに目を向けられるようになる、ということです。
以下は、わが子や周りの子どもたちと接する上で、心がけたいと思いました。
・物心がつく前の時期に何かを特訓することはしません。その子ども自身が、「苦しい特訓を乗り越えてでもこうなりたい」と思えるような目標や動機を、まだ持たないからです。その時期に特訓などすると、その子の心の健康が大きく損なわれて