本田秀夫のレビュー一覧

  • 発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

    Posted by ブクログ

    重複する発達障害の特徴とその対処法について分かりやすくまとめられている。
    ちなみにASDやADHDの最後のDは障害という意味であり、本書では特性の程度という概念を重視するため初めにAS、ADHについての考え方を紹介していた。

    発達障害が重複することでそれぞれの特性が弱くなることがあり、それによって発達障害の診断がつけられないケースが少なくない。しかし当人は生きづらさを抱えているにも関わらず環境調整されないまま過ごしているうちに、うつや不安障害などの二次障害を引き起こされる。そのため、診断にとらわれず個々の特性の程度に合わせて生きづらさを予防していくことが重要となる。

    また、発達の特性を「 ~が苦手」という形で、なんらかの機能の欠損としてとらえるのではなく、「 ~よりも ~を優先する」という「選好性の偏り」としてとらえる方が好ましい。そしてそれが少数派の選好性であるが故に生きづらさを感じるわけだが、ふつう(多数派)との間に優劣の差はなく、お互いがお互いの生きやすいようにやっていけば良いのである。

    自分はADHDの不注意、ASDのこだわりの強さがあると思っている。(一つの物事に過集中するのはADHDの特性だと思っていたが、本書によるとADHDのみの場合興味のある物事に対しても注意散漫になることが多く、ADHDの過集中とされているのはASDのこだわりの強さによるものではないか、とのことだった。興味のある場面では落ち着いてるのに興味が無くなった途端ソワソワするのもASDの特徴とのことで、これも当てはまっている気がする)
    不注意によって落ち込んだりすることもあるけれど、こうした本に救われるのも事実で、児童精神科医によって心が救われる人は世の中に絶対いるんだと思う。

    たまにSNSで発達障害と診断された人が"本当の発達障害は自分で気づけません。気づいてる時点で発達障害ではありません"と言っているのを見るけど、医者でもないのにその発言をするのはは随分と傲慢だよね。生きづらさを身をもって知っているのにどうして他人の生きづらさを無い物にしたがるのだろう。

    ところで本書ではDCD(発達性協調運動障害)も取り上げられてたけど、走る姿がぎごちない、逆上がりができない、球技が極端に苦手、歩いたり作業してるときに体の一部をよくぶつけるなど、出てきた特性にほとんど当てはまっててびっくりした。まあ生活する上で困ってないから良いのだけど…。とはいえ学生時代に体育で皆と同じことを強要されるのは正直辛かったなあ。

    ✏研究によって「この支援法がよい」というふうに書かれたことは、だいたい、 ASDやADHDなどいずれかの障害に特化した内容になっています。

    ✏ASの特性がある人は、こだわりと対人関係を天秤にかけたとき、こだわりを優先する。

    ✏内容が変わることはあっても、こだわる対象がどんどん増えていくわけではなく、こだわりの総量は変わらない。

    ✏LDの特性があるのか、それとも学ぶ機会が少なかったのか判断が難しい。

    ✏発達の特性がある人(とくに自閉スペクトラムの特性がある人)は、基本的には自分のやりたいことを大事にする人たちです。自分のやりたいことに「これ以上は減らせない」という最低ラインがあります。

    ✏発達の特性がある人は、一般の人とは違って、仕事が忙しい時期でも、やりたいことへの情熱がおさえられなくなることがよくあります。食事や入浴、睡眠の時間を削ってでも、やりたいことをしたくなり、しかも、ストレスがたまればたまるほど、そういう思いが爆発しやすくなります。それが、発達の特性がある人の特徴です。

    0
    2022年11月30日
  • 発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

    Posted by ブクログ

    『発達障害』について分析した一冊。

    著者自身発達障害の傾向があるとのこと。
    具体的な事例が豊富でわかりやすかった。

    印象的なのは、「こだわりが強い特性はあるけど、こだわりの総量自体は変わらない」という一節。
    つまり、興味の対象が別のことに向いたら、前のことに対するこだわりは半減するということ。

    当事者だからこそわかり得ることだと感じた。

    0
    2022年06月05日
  • 発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

    Posted by ブクログ

    不安や心配を解消するにはネットで調べるよりその道のプロの人が書いた本を読む方が私には合ってる。

    一つだけ気になったのは苦手なことを周りの人に伝えるってとこ。
    例えば職場で上司に「私はうっかりミスが多いので一緒に確認をしてください」と言って「わかりました」ってなる?
    「忙しいのにそんなこといちいちやってられるか!」「何回も聞くな!」ってならない?
    そうなったら気にせず別の手伝ってくれる人を探せばいいってこと?

    職場で怒られる想像しかできなくて辛い。

    0
    2022年02月08日
  • 子どもの発達障害 子育てで大切なこと、やってはいけないこと

    Posted by ブクログ

    うん、そうだなって正解を書いてあるんだけど、優しい。
    そんな理想でいられないから!っていうダメな親も救ってくれるフォローを随所でしてくれている気がした。
    特に、叱り方のところが響いた。
    常々思ってる。
    こどもは希望だけど、期待するものじゃない。
    信じるのは、底力。
    うまくいかなくても、ちゃんと向き合っていこう。


    以下、メモ

    こどもの発達障害
    ほめる→子どもの気持ちに共感、達成感がよくわからない場合には素直に子どもに聞くこと

    叱り方→本気
    大事なことを教えようとしているとき
    子どもの行動をあらためるための方法の1つ
    →叱るよりも、環境をつくらない。危ないことは体で止めるが有効な方法

    叱るパターンは3つある
    相手がいる
    自分がイライラしている

    親戚の子どもくらいの距離感で叱る

    ヴィゴツキーの発達最近接領域
    →自力では到達できないけれど、他の人の援助があれば問題解決ができる領域

    苦手なことを「無理に」やらない
    その子なりのやり方でやる

    勉強〈生活面のスキル

    期待するものではない、
    信じるもの

    0
    2022年01月18日
  • 「しなくていいこと」を決めると、人生が一気にラクになる―――精神科医が教える「生きづらさ」を減らすコツ

    Posted by ブクログ

    本書にて、「ファン・デューティ・バランス」という考えを初めて知りました。
    楽しみと義務のバランス。
    これから意識してみよう、と思います。

    0
    2021年11月20日
  • あなたの隣の発達障害

    Posted by ブクログ

    発達障害に向き合う周りの人への本。国際的な最新の情報を入れながら解説してくれているし、なんだか暖かい本。大人の社会では理解されていないし、理解しようとしてない人も多いけど、教育の現場では障害にまでならないように支援や優しさがあると、教育者なりに思っている。

    0
    2021年05月04日
  • 自閉症スペクトラムの子のソーシャルスキルを育てる本 幼児・小学生編

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    3章の生活のなかで…が具体的で良かった
    既にやってることも多々あり、イライラしながらもやってた事も含まれてたので、次からは必要な事なんだとイライラ回避できるかも!

    …………
    (幼児期小学生編 だいたい10才頃まで)
    人と関わる意欲を育てる土台作りが大事
    →挨拶や会話は応用的で難しいので求めない
    ●思春期に向けて無理をしないことが最良の準備
    …………
    ADHDもASDも同じく自律スキル大事
    →出来ないと自信をもって言えるようになるのも、自己肯定的な感情の一部

    ASDならでは…ルールを守りながら人に相談する
    ADHD…明るいキャラクターを活かしながら人を頼る

    0
    2021年02月09日
  • ADHDの子の育て方のコツがわかる本

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本田秀夫さんのこのシリーズは、さらっと読みやすい。育児中の大変な時期にはちょうど良い分量。基本的な内容だが、子の年齢が変わるとまた読みたくなる。

    基本的には親がかなりサポートするってことで、まあまあショックを感じた。
    ただ特性はそのまま良いところを伸ばして、更に人を頼るスキルを伸ばそうとあり、「人を頼るスキル」我が子に無いな~と思ってたので響いた。

    親のサポートが、良いところを伸ばす&人を頼る練習に繋がるともあり、少し溜飲が下がる気がした。

    ●前向き、明るい子が多い。大人しくてもおおらか、失敗しても気にしすぎず元気にまたチャレンジできる子が多い
    ●落ち着きがない⇔チャレンジャー
    集中が続かない⇔アイディア豊富
    コツコツや計画的が苦手⇔最後には間に合う
    時間にルーズ⇔本番に強い
    ●年齢にとらわれずフォローする(もう●才なんだから…は考えない)
    ●何でも一人で出来るを目指さず、自分に出来ることの理解&実行、出来ない部分は人を頼るスキルを磨く

    0
    2021年02月08日
  • あなたの隣の発達障害

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【内容】
    ■発達障害→医学的には、神経発達症群(DSM-5)と呼ぶ
    ・知的能力障害群(ID):知的障害など
    ・コミュニケーション症群(CD):言語症、語音症、吃音
                     語用論的コミュニケーション症など
    ・自閉スペクトラム症(ASD)
    ・注意欠如・多動症(ADHD)
    ・限局性学習症(SLD)
    ・発達性協調運動症(DCD)
    ・チック症群

    ・スペクトラムとは連続体ではなく、同じ仲間とみなせる集合体(根っこは同じ)
    ・これらの発達障害は併存している事が多い
    ・発達障害=脳機能の障害であり、症状が通常低年齢において発現するもの
    ・これらの特性があったとしても、生活に支障がなければ障害ではない

    ■特性だけでなく育ち方で社会適応が左右される 育ち方の4タイプ
    ・まじめで信頼できる性格に育つ「特性特異的教育タイプ」
     →本人に合った支援や教育を受け、苦手な事も無理のない範囲で、
      気軽に相談できる環境で育ったタイプ
    ・不信感や猜疑心が強くなる「放任タイプ」
     →発達障害に対する理解が全く得られない環境で育ったタイプ
      特性を理解せず、口頭でばかり伝えるなど
    ・自信と意欲の低下を招く「過剰訓練タイプ」
     →特性を受け入れられず、苦手な事を克服する事ばかりにフォーカスする環境
      で育ったタイプ(二次障害になりやすい)
    ・社会人になってからつまずく「自主性過尊重タイプ」
     →本人の得意な事だけにフォーカスし、苦手な事は周りが代わりにしたり、
      本人に経験させてこなかったタイプ

    ■社会適応に必要→自律スキル、ソーシャルスキル
    ・自律スキル:適切な自己評価を持つ、できる事は確実に行う意欲がある
           自分の限界を知っている
    ・ソーシャルスキル:社会のルールを守る意欲がある、誰かに相談できる力がある

    ■カルチャーが合わなければ、別のコミュニティへ
    ・特性が目立つかどうかは、本人の行動と所属しているコミュニティとのズレ       
    ■周りの人へ
    ・理解しよう、支援しようと思い込まなくて良い
    ・まずは自身のメンタルの安定を第一に
    ・離れたって良い
    ・理解できないからと言って、攻撃や無視、心ない言動だけはしないで

    【感想】
    ・当事者と関わる人向けで、付き合い方が分かりやすく例を用いて書かれている
    ・職場での困りごと等、ケース別に対応策が書かれている
    ・就労について等、特性のあるお子さんをもつ保護者にとっても為になる本である

    0
    2020年12月09日
  • 発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

    Posted by ブクログ

    発達障害の特性が重複する事はどの本にも書かれているのに、医療の世界ではそれに対する処方が確立されていないことに驚いた。
    複数の特性を合わせ持つ事で、どちらの特性が出る訳ではなく、むしろ一部は抑えられて見つけづらくなることが具体的に書かれており、とても納得したのと同時にわざわざ言わなくてはいけないことが衝撃的だった。
    発達障害を持つ本人もそのご家族も、読んでおくべき一冊です。

    0
    2020年11月22日
  • 発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

    ネタバレ 購入済み

    やりようはあると思わせてくれる

    精神科医の筆者本人がご自分を含めたグレーでちょっと生きづらさを抱える人たちが、どうしたらうまく暮らしていけるかを示唆してくれています。
    濃い〜薄い、生活に支障があるなし、みんな程度の差はあっても地続きという内容で、私もこんなことあるある〜と思い読みました。

    ちょうど大学生の子が課題の提出がおろそかで落単。もう親が何かしてやれる年齢でもなく、どうしたらいいかと困ったときヒントになりました。

    得意なことで貢献して、苦手は相談したりサポートしてもらいながら取り組む。メータルヘルスを保つ大切さ。好きなことへ没頭することも、定型の人より大事な時間なんだと理解が深まりました。

    0
    2020年08月29日
  • あなたの隣の発達障害

    Posted by ブクログ

    発達障害の当事者ではなく周りにいる人に向けた取扱い書のような本。自分は発達障害ではないかと心配になり読んでみたがそのような症状や傾向は低いように感じた。日本人の1割程度は発達障害的な要素を持っているらしく環境や生育環境により社会適応できるかどうかも変わってくる。
    短所を長所に変換できるように努めることも大切なようだ。自分は精密な作業などは不向きの為、外回りができ多少のミスもカバーできるような仕事に就きたいと思う。
    障害者手帳の情報もあり社会で行き詰まった際のセーフティーネットについて知れて安心した。障害者手帳は勤め先への開示の義務がない為に心配なら作っておくのも一つの手かもしれない。

    0
    2020年03月27日
  • 発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ASという診断がつく、うっかりミスも程度問題。
    とても役立った。
    『自分のやりたい事を最優先させる。』
    一種の自己啓発本のように読めた。

    0
    2020年02月29日
  • 発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

    Posted by ブクログ

    自分が発達障害かもって思っている人に読んで欲しい。
    障害には強弱があることや、ADHDとAS両方を持ち合わせている人の存在についての章は大変興味深かった。

    0
    2020年01月02日
  • 発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

    Posted by ブクログ

    元々気になっていた先生の著作。
    発達特性のある人も個性的な人もそれぞれが自分の事を理解し、自分の「普通」を生きていける社会になるといい。

    自分の「やりたいこと」を生活の中心にして人生設計ができていればそれでいい。
    やりたいことをして失敗するのと、やりたいことを我慢して失敗するのでは後悔の仕方が違う。

    ボトムアップとトップダウン
    苦手なことを克服するよりできることとできないことを検討し、補完する手段を考える方が生きやすい。

    空気が読めない→気の合う少数の仲間とは上手くやっていける。ブレない強さや内容重視の考え方を生かす。「自分は主張が強いので、言い過ぎだと感じたら教えてください」とあらかじめ伝えておくのもいい。

    0
    2019年11月24日
  • 発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

    Posted by ブクログ

    「重複」や「強弱」など、なるほどと思った。「この症状、言動があるから発達障害」と一概にいえないのが難しいところなので定型発達からのグラデーションであり、更に発達障害の中でもこの特性があるからこの障害と明確に区分できるものではないという考え方はそこからこぼれ落ちている生きづらい人達にとって救われるものではないだろうか。

    0
    2019年11月17日
  • あなたの隣の発達障害

    Posted by ブクログ

    家庭や職場に発達障害の人・疑われる人がいる人向けの本。

    発達障害の理解や対応方法ももちろん書かれているが、あまりに辛かったら逃げてもいいと書かれているのが印象的。

    家族だと離れるのには抵抗があると思うが、自分の心を壊してまで寄り添うのは無理がある。発達障害を理解して、試行錯誤を重ねて対応しても、相性が合わなければ逃げることも選択肢として持った方がいいと思う。逃げる選択肢があると認識するだけでも、少しは心の拠り所になるんじゃないかな…

    0
    2019年10月05日
  • 発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

    Posted by ブクログ

    色々な特徴が重複している例があって、その場合、症状が複雑で適切に対応されてないケースがある。
    そういう例がある、という事実を紹介してあるだけで救われる安心する人もいるんじゃないだろうか。

    0
    2019年09月19日
  • 発達障害がよくわかる本

    Posted by ブクログ

    発達障害の入門書。
    親や先生が子供の特性を理解して、その子に合った生活環境を整える。
    気軽に相談しながら試行錯誤をしていかないとな、と考えるきっかけになった。

    0
    2024年06月16日
  • 自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体

    Posted by ブクログ

    「生きづらさの正体」とタイトルにあったので、主に大人の当事者を対象にした本なのかなと思って読んでみたのですが、実際は自閉症スペクトラムの当事者(本書で扱われていたのは主に子供の当事者)に対する支援の重要性について書かれた本でした。自閉症スペクトラムの子供を持つ親の方などにとっては役に立つ本だと思います。しかし、本書で書かれているような、周囲の人々の理想的な支援や理解を当事者が得ることはなかなか難しいのではないかとも感じました。

    1
    2019年01月04日