あらすじ
自閉症とアスペルガー症候群、さらには障害と非障害の間の垣根をも取り払い、従来の発達障害の概念を覆す「自閉症スペクトラム」の考え方が注目されています。10人に1人が抱える「生きづらさ」の原因を解明し、療育、支援のあり方まで、多角的に解説します。
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Posted by ブクログ
発達障害がいかに、ありふれたことであるがよくわかる。あの人も、この人も、そして、自分も。どれかあてはまれば、程度の違いはあっても仲間どうし。お互いを理解して、気を遣いあって、うまくやっていこう。そして生きづらさを感じないように周りが手助けしよう。自分を理解することも大切。親や、先生ばかりでなく、みんなに読んでほしい。
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多分この分野では日本で一番読まれている本なのでは。とてもわかりやすく、淡々と語られている。学校などで誰もがこういう本を一度読む機会があれば、世の中はもっと多くの人にとって住みやすいものになるのに。
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ドラマ「ライオンの隠れ家」で主人公が読んでいた本。気になったので手にとってみた。「違っている」ことを「劣っている」と考えてしまう人全般に良い本な気がする。
子ども時代はボトムアップの克服を、成人以降はトップダウンで成長を。たしかに成人期までに身につかなかったスキルを、大人になってから身につけようと思ってもなかなか上手くいかない。そんな時は出来ないことは無理せず出来ることを頑張れば良い。ルールさえ守れていれば人と違うことはむしろ良いこと。同調圧力だらけの社会で、理解者と支援者に恵まれるといいなと感じた。
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思春期前の小学生時代は保護的環境で十分に自信をつけさせるのが良い。人に相談して解決したという経験を積ませる。意欲の貯蓄をしていく。特訓(苦手なこと)はこの時期に不要である。
特別支援教育(支援級や放課後等デイサービス)など普通級以外の複数の居場所があることが子どものためになっていると実感。インクルーシブ教育は皆が皆同じことをするのが良いわけではない。ASDの子にはその子に合った進捗度合いで教育を受けることがよい。
とても参考になった。
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発達障害に関する雑な本があふれているのに辟易していたが、この著者は信頼できる内容を書く。ASDに知りたいが何を読んだらいいかわからない人は読むべき1冊。
わかりやすく、かつ誠実に当事者をいかに利するかというスタンスで書かれた本。著者の方は自閉症スペクトラムについて実臨床に携わっていらっしゃるので、腑に落ちる説明が多かった。ちょっとだけ気になるのは、IQが低い群の話とそうでない群の話がいったり来たりするところが焦点が分かりづらくなっていたのと、ゲームに対する記述が雑なこと(ネスト・ジャパンの余暇活動にもゲームがあるように、ゲームもまた「共通の趣味」というよりどころになるはず。)。
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妊娠中に子どもの個性を学びたくて読み始めました。
本書は、自閉症スペクトラムについて、この一冊で基本的な知識から考え方まで学べる良書だと思います。
印象的だったのは、自閉症スペクトラムかどうかに関わらず、多くの人が思春期になれば世の中のことや自分の周囲のことに目を向けられるようになる、ということです。
以下は、わが子や周りの子どもたちと接する上で、心がけたいと思いました。
・物心がつく前の時期に何かを特訓することはしません。その子ども自身が、「苦しい特訓を乗り越えてでもこうなりたい」と思えるような目標や動機を、まだ持たないからです。その時期に特訓などすると、その子の心の健康が大きく損なわれてしまいます。
・思春期以降に自発的な動機づけが出てきたら、本人が必要と思うことについては勝手に特訓を始めます。
Posted by ブクログ
臨床を知ってる人じゃないと書けない内容。特性についてだけでなく、自閉に対する捉え方も深刻さがなくフラットなのがとてもいい。「それ分かるなぁ」っていうあるあるも、「そういうことやったんか!」っていう嬉しい発見も沢山ある。本田先生の本はハズレがない。自閉ならこの先生。
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自閉症スペクトラムについて、非常に分かり易くまとめられた本。
同著者の『自閉症スペクトラムがよくわかる本』は、同じ内容で図やイラストを多く用いて説明されている。
内容的には本書の方が濃く、自閉症スペクトラムについての理解が深まる。
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「あんた思い通りにならないとよう、かんしゃくを起こして暴れてたな。クラスであんただけやで羽交い締めにしたのは」と昨年、小学校の同窓会で恩師に言われた。同席した同級生からは「キレてよう暴れてたで」とも。
そのころ僕はみなと同じことが出来ず、ちゃんと並べなかったり、わざとふざけたりしていたし、他の子と同じことを強制されることが嫌で仕方なかった。その一方、地図帳や百科事典、科学などをテーマにした学研のひみつシリーズなどを穴が空くほど読みあさっていた。読んだことでの知識が妙な自信となり、密かにまわりを見下したりしていた。運動も嫌いではなかったが、ソフトボール大会でみんなにデッドボール作戦というのを進めまくり、それで大目玉をくらったりしたこともあって団体で行う球技に苦手意識をいだいた。
中学校になっても、かんしゃくの傾向はあったけども、表面的には押さえられるようになってきた。本による知識はあっても勉強とは違う。まわりとあわせて勉強することが苦手なのだから、成績は伸び悩んだ。そうしたことから中学生の頃は抑圧傾向にあり、精神的にかなり辛かった。洋楽ばかり聴いてすごしていた。
大人になっても人の言うことがよく分からず、ちゃんと会話が出来ず、空気が読めず、それでいて自分のペースだけは守ろうとし、しまいには好きなことだけをし、そのまま現在に至る。
この本を読み、いままでのいろんなもやもやが氷解した気がした。おそらく僕は非障害型の自閉症スペクトラム。なるほどなあ。
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この本は、自閉症スペクトラムの人々とはどのような特徴を持っているかという事から始まり、そのような人々への関わり方や支援の考え方など、極めて平易に解説されている本である。
私自身も自閉症スペクトラムを疑っており(おそらくそうである)、現在精神科で先生の診察を受けている。その時先生に薦められ手に取ったが、医学の専門知識も必要なく、さっと読むことができる。
自閉症スペクトラムの人々は世の中の10%を占めるため、概念上は少数派でも、絶対数で言えば決して無視できない人数である事は言うまでもない。また、世の中のほとんどの人は自閉症スペクトラムの人と何らかの形で関わる事があるだろう。
そのため、当事者もそうでない人も、自閉症スペクトラムの人間について理解していく事が不可欠であると思う。そして当事者にとっては、この本を読むことをきっかけに、自分がどのように生きていくのかに向き合っていく必要があるだろう。
そのような意味でも、全ての人々にとって必読の一冊だと思う。
Posted by ブクログ
「生きづらさの正体」とタイトルにあったので、主に大人の当事者を対象にした本なのかなと思って読んでみたのですが、実際は自閉症スペクトラムの当事者(本書で扱われていたのは主に子供の当事者)に対する支援の重要性について書かれた本でした。自閉症スペクトラムの子供を持つ親の方などにとっては役に立つ本だと思います。しかし、本書で書かれているような、周囲の人々の理想的な支援や理解を当事者が得ることはなかなか難しいのではないかとも感じました。
Posted by ブクログ
10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体という事で、自閉症スペクトラムについて分かりやすく書かれている。
これは、左利きの人の割合と同じくらいなんだと思う。
この疑いがある人が、生きづらいながらも何とか社会の中で安定して生活していけるか、考えさせられた。
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自閉症スペクトラムの症状として、こだわりが強い、マイブームがあるが熱が冷めて他のものに行きやすいなどあったが、自分は病院で自閉症スペクトラムの診断を受けていたため、自分がそうであることはわかっていたが、やっぱり納得できた。
色々支援の方法とかが詳しく書いてあって、周りの人がこれを読めば結構助けるんじゃないかと思った
Posted by ブクログ
いわゆる自閉症のみならず、非障害自閉症スペクトラムにも重きをおいて話を展開しており、身に覚えがある人も多いのではなかろうか。
かくいう私もその一人だったりする。
特性を知ることは自分を知ることであり、自分がより生きやすく、より幸せになるための最短経路である。
今困っていなくとも環境が変われば困ることがあるかもしれない。その時のためにも、周りの人への理解という目的でも、本書を読むことには価値があるだろう。
✏あるときは仲良くしつつも、別の場面では競争する、という対人関係は、自閉症スペクトラムの子どもたちにとって、矛盾に満ちているのです。
✏感覚の異常は、過小評価されがちです。もともと自分の感覚機能を他人と比較することは難しい上に、自閉症スペクトラムの人たちは、他者と自分を比較することへの関心が低いため、他者に比べて自分の感覚機能が異常である、と気づきにくいところがあります。また、周囲の人も、自分にとって平気な感覚がとても苦手な人が存在するということに、ピンとくることが難しいのです。
✏自閉症スペクトラムの人は、おそらく潜在的には人口の 10%はいると思われます。ただし、過半数は、成人期には非障害自閉症スペクトラムになる可能性が十分ある人たちかもしれません。典型的な自閉症は、この中のごく一部で、人口の 0・ 3%程度だと思われます。
✏幼児期に近い時期の支援者たちがボトムアップで頑張ろうとするのは、目の前の子どもが将来どうなるのかという見通しが持てていないからに過ぎません。
✏どんなに小さな年齢であっても、将来どのような状態になる可能性があるか、ある程度の目安を示すことができるのが専門家です。それを念頭に置きながら、トップダウンで育児に取り組んでいく。これが最良の支援です。そして、そのスタートは、早ければ早いほどよいのです。
✏自閉症スペクトラムの人たちが物心つくのは、思春期であると考えられます。
✏物心がつく前に特訓を強要されると、心の健康を損ねます。
✏だから、「一人でできる」ことだけが目標ではなく、「人に報告ができる」、何かあったときに「人に相談ができる」ということが大事なのです。そういう習慣が身につくためには、「何かを人と一緒にやって、よい結果に終わった」という体験をする必要があります。
✏子どもが混乱したり、パニックになったりしているときに、「しっかりしなさい」という対応ではなくて、「かわいそうだね」「こんなふうに思っているのだよね」などと共感してあげると、子どもが自分で立ち直る。
✏自閉症スペクトラムの人は、うまく育っているとだいたい明るい性格です。
Posted by ブクログ
ASDを扱う本の中では、対象者にかなり寄り添ったスタンスと、具体的支援が書かれている。
かなり広く浅い範囲まで対象を広げ、「苦手なことは無理して訓練などせず、得意なことを伸ばす」ことに重点を置く。
また、他の論文や研究結果に対しても鵜呑みに引用せず、解釈の幅があることをしっかりと記載している誠実さもよい。
子供向けだけでなく、大人に対しても、どのような支援が有効なのかわかりやすく書かれている。
ただし、この著者が理想とするほど、人間関係や社会は優しくないという現実もある。
自閉症スペクトラムの良い本
いわゆるコミュ障とかおたくとかぼっちとかKYとかいったキーワードに心当たりのある人は、もしかしたら日常生活に重大な支障がなくても、自閉症スペクトラムに寄った立ち位置にいるのかもしれません。
じゃあどうすればいいの?というところにもう少し焦点があたってると良かったのですが、それはそもそもこの本が作られた目的を超えるのでしょう。
行きづらいな、と思いながらもあまり原因が掴めていない人は試しに読んでみるのも良いと思います。
Posted by ブクログ
著者は自閉症スペクトラムを広くとる方で、その部分は同意しかねるところはあるが、本書は平易な文章で、自閉症スペクトラムについてわかりやすく書かれている好書だと思う。
Posted by ブクログ
人それぞれに意見はあるかと思いますし、障害の特性もそれぞれにあると理解してもいるのですが、駄目なものは駄目でした。どうも、身構えてしまいます。