本田秀夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレそろそろ我が子の小学校入学が見えてきたことと、身近なところに発達障害や自閉症である子がいることから、学校教育の中での発達障害を抱えた子供たちの環境や配慮を知りたくて手に取った本。
以下、私の心に残ったポイントを中心に抜き出し。
<サマリ>
・「授業や学習環境」と「子どもの特性」が合っていないことが、教室を飛びだしてしまう理由になるケースがある
・発達障害は、障害というよりも、少数の部族のようなものととらえると良い
・発達障害の子どもたちが学校で困ることの要因として、「学校の標準が狭すぎる」「子どもが標準的にやるべきことが多すぎる」ことが挙げられる
・子どもは「社会に出ていくための土台をつくる」ために学校へ行く
・文科省提唱の「インクルーシブ教育」とは、全員が共に学べるような仕組みで教育を行うこと
・曖昧な物事を理解するために、「視覚構造化」の手法が取り入れられることがある。曖昧な環境では子どもたちは「空気を読む」練習をしてしまう
・ユニバーサルデザイン⇒合理的配慮⇒特別な場での特別な教育
・子どもが本当に学ぶときとは、「ここまで来たから、次はもう少しやってみよう」と意欲をもって取り組んでいるとき
・小中学生で最も必要なことは、社会で生きていく力を身につけること。その子の得意なやり方で、すこしずつ、総合的に。
・学校が子どもたちにとって主体的に何かを学びとっているかどうかが大事
・子どもの意欲は準備に現れる
・勉強を通じて、得意不得意を知ることができる
・テストは努力の成果を測るものではなく、現状を知るためのもの
・子どもには、好きな事だけをやらせるのではなく、好きな事を活動の中心に置きながらも、実際にいろいろな体験をしてみることが大事
・成績よりも、モチベーションを大切にする
・特別支援教室では、「居場所」という発想を持つことが大事
・みんなで一緒、よりも、お互いリスペクト
・人に迷惑をかけてはいけない、という考え方は人の悪徳の一つ
・共生社会と作っていくためには、人情ではなく、契約で解決。自分の考えと相手の考えをどこで折り合いをつけるか
・教育は、共通項を少なく、オプションを多く。
・宿題で「むずかしかったらやらなくても良いよ」は子どもに劣等感を植え付けるような結果になることがある
<所感・意見>
タイトル通り、発達障害の子どもたちについて記載されている本だが、子どもとの向き合い方や声掛けの仕方、親のエゴが欲目が子どもに与える影響、という観点でも非常に参考になった。例えば「難しかったらやらなくてよいよ」とか、私も言ってしまってる。反省。
この本は最初に5つの問いが出されていて、おおむね著者の回答と私の回答は似ていたのだが、1つだけまったく異なるところがあった。それは「学力」の定義。
私は、「学力とは、自分の興味・関心がある分野で将来社会貢献していくために、その礎となる知識と考える力のこと」と記載したが、著者はより自分からの自発的なモチベーションや興味関心を主眼としていた。著者の意見が必ずしも正解というわけではないが、私は知らず知らずのうちに、「社会貢献」や「知識」といった成績偏重型の考え方が身についていたんだなと自分のバイアスに気づくことができた。 -
Posted by ブクログ
「親や先生が能力主義的な考え方をしているとそういう考え方が子どもに移ります」これにはグサリときた。平均や周りとの比較をどうしてもしてしまう、これは発達障害の子どもに限らず親がやってしまいがち。親戚の子を預かってるような感覚で接することができたらどんなにいいことか。最低ラインをとことん下げてみることがポイント。
ただひとつ、気になった記述がある。それは著者は3-5時間睡眠でスッキリ日中も活動ができてるので、そのスタイルがご本人はよいと書かれていた点。ショートスリーパーなのかもしれないけれど、さすがにそれは短すぎるかな。個人差はあれど睡眠は基本的でとても大事だと思うのでちょっと違和感ありました。 -
Posted by ブクログ
いわゆる自閉症のみならず、非障害自閉症スペクトラムにも重きをおいて話を展開しており、身に覚えがある人も多いのではなかろうか。
かくいう私もその一人だったりする。
特性を知ることは自分を知ることであり、自分がより生きやすく、より幸せになるための最短経路である。
今困っていなくとも環境が変われば困ることがあるかもしれない。その時のためにも、周りの人への理解という目的でも、本書を読むことには価値があるだろう。
✏あるときは仲良くしつつも、別の場面では競争する、という対人関係は、自閉症スペクトラムの子どもたちにとって、矛盾に満ちているのです。
✏感覚の異常は、過小評価されがちです。もともと自分の感覚機能を他人と比較することは難しい上に、自閉症スペクトラムの人たちは、他者と自分を比較することへの関心が低いため、他者に比べて自分の感覚機能が異常である、と気づきにくいところがあります。また、周囲の人も、自分にとって平気な感覚がとても苦手な人が存在するということに、ピンとくることが難しいのです。
✏自閉症スペクトラムの人は、おそらく潜在的には人口の 10%はいると思われます。ただし、過半数は、成人期には非障害自閉症スペクトラムになる可能性が十分ある人たちかもしれません。典型的な自閉症は、この中のごく一部で、人口の 0・ 3%程度だと思われます。
✏幼児期に近い時期の支援者たちがボトムアップで頑張ろうとするのは、目の前の子どもが将来どうなるのかという見通しが持てていないからに過ぎません。
✏どんなに小さな年齢であっても、将来どのような状態になる可能性があるか、ある程度の目安を示すことができるのが専門家です。それを念頭に置きながら、トップダウンで育児に取り組んでいく。これが最良の支援です。そして、そのスタートは、早ければ早いほどよいのです。
✏自閉症スペクトラムの人たちが物心つくのは、思春期であると考えられます。
✏物心がつく前に特訓を強要されると、心の健康を損ねます。
✏だから、「一人でできる」ことだけが目標ではなく、「人に報告ができる」、何かあったときに「人に相談ができる」ということが大事なのです。そういう習慣が身につくためには、「何かを人と一緒にやって、よい結果に終わった」という体験をする必要があります。
✏子どもが混乱したり、パニックになったりしているときに、「しっかりしなさい」という対応ではなくて、「かわいそうだね」「こんなふうに思っているのだよね」などと共感してあげると、子どもが自分で立ち直る。
✏自閉症スペクトラムの人は、うまく育っているとだいたい明るい性格です。