西内啓のレビュー一覧
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格付け会社は、透明系を高めるという理由で、格付けソフトウエアを発行者に渡した。
ひとつひとつのデフォルト確率が5%でも、前提条件によって統合されたデフォルト率は違ってくる。
恐怖と欲望のバランスが崩れた時、バブルが起き、崩壊する。
ハリネズミとキツネはどちらが予測できるか。
ハリネズミは基本原則を信じている。キツネは、原則を持たない。キツネのほうが当たるが、テレビにはハリネズミのほうがよく出る。
「ベースボールプロスペクタス」を使って、統計的に勝負を予測できるか。
打率はホームランより不安定。勝ち星は安定しない。
相関関係と因果関係は別物。
経済モデルが前提とする過去のデータは、当時の -
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ベストセラーとなる小説にアルゴリズムは存在するのかをITを使って突き詰めた本。それらしい法則が提示されるが、自分は腹に落ちたわけではない。むしろ、日本語で書かれた小説の場合はどうなのか気になった。言語に関係ない法則(三幕構成にすること、規則的な力強い鼓動があることなど)もあるのだが、それを導いた経緯が説明されないので、なんとなく研究者自身が欲しい結果ありきで結論を出しているかのように誤解してしまう(そのようなことはないのだろうけど)。根拠が乏しいので、納得できないのが残念なところ。とはいえ、その分野の研究は面白そうだ。日本の小説をターゲットにした本を読みたい。
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新書のテーマとしては、なかなかの着眼点で、かつ幅広な「悩み」が設定されていて、感心してかってしまった。
スプートニクショックをきっかけにして3つの偉大な発明として、アポロ11号、インターネットにならんでプロジェクトマネジメントが紹介されていたのが驚きであった。普段何気なく「プロマネ」という言葉を使っているが、もう少しその手法について再認識する価値がありそうだ。
人間全体の幸福度に関連する要因のうち、外部環境が左右する幸福度は10%ほどで、幸福感を得られる3つの考え方として、感謝(他人の人柄や、道徳的な行いの素晴らしさを強く認識すること)、許容(自分に害をおよぼした人や、過去の体験を許せること) -
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テキスト・マイニングと機会学習によって、米国におけるベストセラー本が持つ特徴を抽出し、過去に出版された本がベストセラーだったかそうでなかったかをその本の内容(テキスト、文体、トピック等)のみで(尤もらしさとともに)判定するアルゴリズムを開発した研究者による著作。
結果(ベストセラー本である(確率が高いと)とアルゴリズムによって判定された本の特徴)そのものは「なるほど、確かにそうかもしれない」と思われるようなもの(三幕構成のように感情の波がある物語、現実的かつ著者自身が詳しいトピックの選択など)が多いが、それがはっきりと言語化(結果データに対する著者の解釈ではあるが)されている点で深みがあると言 -
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最初にリサーチデザインの重要性を説いている。これについては類書が豊富なので、読者の関心の近い分野の方法論を学ぶとよい。ただ会社組織内で新規アイディアの発見・証明に基づく実践が、経営方針にマッチさせられるかどうかは、かなり知恵を絞りださないといけないだろう。実務的に当座の枝葉の剪定やパッチ当てに追われている立場も多いはず。本書の知見を適用できる組織は、比較的余裕があると思う。
紹介された解析手法は、クロス表、SWOT分析、散布図、分散成分分析、単純分析、重回帰分析、因子分析、ロジスティク回帰分析、クラスター分析、決定樹分析等であった。またこの他にマーケティング理論が織り込まれていた。さらに人、 -
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先行研究を徹底的に調べればより確実な選択が可能
「統計学が最強の学問である」という書籍の続編。この本では,企業が利益を出すうえで最もクリティカルな以下の2点の分野での統計学の活用方法を解説している。
1. 人事
2. マーケティング
読み物として面白かった。まず,重要な分野で上記の2点をあげていたのが良かった。統計というと顧客にDMを送るかどうかとか,WebサイトのデザインをどうするかどうかのA/Bテストなどこういう細かい話での話題が多い印象だった。しかし,クリティカルなのは会社全体に影響を与える人事やマーケティングでありこうした分野での検討を重ねるのは,たとえ少しの改善でも効果が大きいの -
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前著よりそれらしいことが書かれている
書籍の冒頭で,前著である「統計学が最強の学問である」が1冊まるごとを導入として書いたなどという言い訳から始まっており,心配になった。しかし,前著に比べればよりそれらしいことが書かれている。平均や各種手法について説明されている。
しかし,なんとなくわかったようなわからないようなという域を出るものでもなかった。
結局のところ,データあってもどうにもできないことや変化させられないことというのが大部分を占める。予算であったり天気であったり。
統計学が有効な場面はあるだろうが,それは結局十分に学習を積み,そういう経験・場面に出くわした場合に限るように感じた。