西内啓のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
統計というシロモノは門外漢からすると、たいていいかがわしく見える。
それは、本質的には確率論でしか語りえない予測が、あたかもそれが絶対的なことように提示されるからだ。統計に100%がないことは、素人でも皮膚感覚で十分にわかる。
著名な統計家である著者ネイト・シルバーの会いに行く「優れた統計家」たちは、いずれも予測があくまで確率論であることを真摯に語り、フィードバックを用いしてモデルを修正し精度を高めることにこそ心血を注いでいる。
著者自身も自信を「ベイジアンである」と語り、人間を完全に合理的なホモ・エコノミクスとして想定するフィッシャー学派と対置させ、不確実性の存在を隠そうとせず、むしろ -
Posted by ブクログ
予測についてのデータサイエンティストの本。政治の選挙予測、経済から野球、テロの発生確率、天気予報、地震予知、オンラインポーカー、人工知能によるチェスのプログラム等、扱う範囲が広く、事例が多いので面白い。
◼︎予測には向いている分野とそうではない分野がある(現時点では)
過去の観測から天気予報の精度は非常に向上しているといえるが、未だに天気予報士は予報が外れた時に怒りのメールを受け取る。
地震は発生の間隔が天気の変化より長く(予測のためのデータが圧倒的に少ない)、かつ観察対象は地中で見えづらく、複雑なため予測することは非常に難しい。確率論で「何百年に何回、どれくらいの確率論でどれくらいの規模の -
Posted by ブクログ
『マネーボール』で有名になった野球データを分析し、選手の優秀さを予測するシステムを開発した著者。
2008年の大統領選の結果も予測したらしい。それがどれほどすごいことなのか実感はないが。
①ノイズとシグナルを見極め、より最適な判断ができるようになるためには?
②ベイズの定理について
①
知識としてノイズのパターンを知り、見分けられるようにする
②
ベイズの定理で使うデータは、すべて事実に基づいた数字ではなく、推測や人の主観が入る。そこにこそ、優位性を見出している、のかな?
ベースボールのスカウトはいなくならないし、データや計算だけに頼るのではなく、人の経験や判断、直感などがコンピューター -
Posted by ブクログ
ネタバレ[読んだ理由]==================
西内啓氏の著作は他にも読んで、とても腑に落ちやすくて新しいことが多かったので、この本も読んでみたいと思った。
[読んだ後の感想]==============
実際に色んな生データ(出版社のページからダウンロード可能)を使って、
Excelでどういう操作をすれば目的の解析ができるのか全部手順が紹介されてて、
実際にやる際の参考書代わりにできそう。
何か解析したい対象が、既に具体的にある人向きかと思う。
[備忘録]======================
■第一章:統計解析で課題を解決するためのフレームワーク
「はい」「いいえ」で -
Posted by ブクログ
ネタバレ2012年の大統領選において全米各州の結果をあてて日本でも話題になった538(five-thirty-eight)の主催者であるネイト・シルバーが語る「データを用いた予測」の方法論。
こう書くと、なにやらすごい定理や発見が書いてあるのか、と思いきや本書はそういった類の本ではなく、考え方やそもそもどういったルートを経て今のような考え方にいたったのかということを丁寧に記している(きっかけはもはや古典になってしまったセイバーメトリクスなわけだが)。なので、最初に本書を開いた僕のように「アカデミックな」アプローチがこれでもか・・・と書いてあることを期待した層にはちょっと期待外れかもしれない。
では