高瀬乃一のレビュー一覧
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江戸時代に 貸本をたぶん籠にいれ風呂敷で包んで
貸して歩く なんて商売があったんですね。
若い女が背負うには 重い荷物です。
住んでる人は 来てくれるのを楽しみに
待ってる 貸本屋です。
今回は
らくがき落首
往来絵巻
まさかの身投げ
みつぞろえ
道楽本屋
の5編です。
みつぞろえ は信吉という女房子持ちの男が
女房と喧嘩して
貸本しょってるおせんに惚れる
あとついていくと 入った家で しっぽりやってる。
え、それ おせん?
信吉がおせんがらみで 歩いていると
汚いババアが 声をかけてくる。
女房以外の女に気をつけなされ!
と言われる。
悪鬼退散!
こっちが本物のおせん
そりゃそうだよねえ!
道楽本屋では
自死した父親の気持ちがわかったり
登は そばにいてくれるけど
当分は一緒になる気もなさそう!
一段と肝も据わり 見る目もこえ
しっかりものの おせんです。
友だちにしたいタイプの娘です。 -
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前に読んだ 貸本屋おせん の作者だ
と思って 読みました。
母親の富
包丁人の六郎
店で働く おなみ
千代乃の周りの人たちにも それぞれ人生があって
お店 露くらの女将 富が支えていた、
それが いきなり富が死んでしまう。
あとに残された千代乃は 男に騙されてやっと家に帰ったばっかり
店の女将が務まるか?
母親ほど花がない
客あしらいも 慣れてない
自分の父親も誰だかわからない
でも なんとか 周りの人たちに心を寄せていく
人を思うことで 人生が変わっていく
最後に自分を騙して捨てた男を看病して よくなったところで ぶんなぐって帰ってきたのは 面白かったですね、もう気持ちの芯ができている。
本当の父親もわかり 死んだ母親の富の自分への想い
死んだ父親の優しさもわかり
心の穴も塞がって
もうこの話しは終わっちゃうのかな?
というのが心残りですね。 -
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1800年代の江戸を舞台にした時代小説。連作短編集。
主人公は貸本屋をしている、おせん。毎日、何冊もの本を背負って、娯楽を楽しみにしている人々に貸し歩いている。
木版印刷しかなかった当時、本は高価だった。作家や作家や戯曲家が本文を書くと、絵師が挿絵を添え、彫師が板に彫り、一枚一枚刷られていた。故に大量生産できず、一冊がとても高価だった。そんな時代に庶民の娯楽を支えていたのが貸本屋である。蔦屋の創業者、蔦屋重三郎も貸本屋から事業を始めている。
家族に不幸があったおせんは、身一つで貸本屋として江戸に本を配り歩く。そんなおせんを知る人は、商売を支え、見守っている。
謎解き要素もあり、江戸の息遣いを感じながら楽しく読めた。
特に好きだったのは、ある本屋で有名作家の作品の板木が盗まれる話。板が盗まれるとは、単に商品が盗まれるというレベルではなく、工場ラインそのものが盗まれることを意味する。さて、どう見つけ出すのか。
もう一つは、お得意先のイケメンが恋煩いをして、好きな人に『源氏物語の『雲隠』を探し出してくれたら、一緒になってもいいよ』と言われるお話。雲隠の章は令和の現代でも見つかっておらず、光源氏の最期か書かれているとされる一編。さて、どう乗り越えるのか。
まさにお江戸珍道中って感じで面白かった。 -
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★5 リュウも氷室もずっと幸せであってほしい… 馬と共に辛い環境で生き抜く少女の成長譚 #天馬の子
■あらすじ
青森県南部地方、名馬(南部馬)を育てることで生業を得ている村。そこで暮らしている10歳の少女リュウは、家族と共に慎ましい日々をおくっていた。そして彼女は生築という馬を大切に世話をしている。馬の目利きである男が言うには「生築の子どもは天下の馬となる」とのことだが…
■きっと読みたくなるレビュー
★5 何とも胸が締め付けられる物語だわ…
江戸時代、田舎の貧乏村。ひもじい生活をしている少女リュウの視点で物語は描かれてゆく。彼女の家庭は貧乏で不幸ながらも、村の仲間と共に暮らしている。さらに心を通わせる馬「生築」といつも一緒だった。そんな彼女が村でおこる様々な出来事をきっかけに、少しずつ世の中の仕組みや人間関係を学んでいく成長の物語です。
まず読んでると痛感するのは、生まれの違いによる運命って奴すね… リュウはひもじい生活環境ではあるのですが、実はもっと辛辣な境遇の女の子たちがいる。
姉のような友人のセツ、いつも穴ぐらで生活しているスミ、そして赤ん坊時代に間引きにあってしまうセイ。彼女たちの過去や背景、そしてどのような運命をたどっていくことになるのか… 少女リュウは、そんな彼女たちにどう向き合っていくのか。現実ってのは非情ですが、それを知るってのも残酷です。
そして家族の大切さ、解像度高く描かれています。生きるか死ぬかの環境、ひとりではなくチームで助け合いながら生き抜いていくのです。特に母が子をどのように思っているか、そのためにどんなことをしてきたのか。慎ましい生活を守ることの大切さを学びましたね…
馬への愛情も豊潤に描かれています。馬も人間も同じ生き物、リュウは本当に馬と語り合っているように見えますね。
そして春風と氷室の出産シーンですよ… 神をも恐れぬ人間たちの行動に震えてしまい、もういろんな感情がこみ上げてきて、自然に涙が出てしまう。生命ってのは神秘で、生きるってことはパワーですね。
そして本作イチバンの読みどころは、少女リュウの成長です。馬のことを無邪気に可愛がっていた彼女でしたが、大人になるにつれ社会の現実を知ることになる。自身が大切と思っているものを守るために、どんなことを犠牲にしているのかということを… 特に物語の後半、ひとり立ちに挑戦する彼女を見てると、もう応援せずにはいられませんでしたね。
装画のリュウと氷室の絵を見てると、心が癒されちゃいますよね… 彼女たちがずっと幸せであってほしい。なかなか厳しい物語ではありますが胸に深く刻まれる、そしてぽっと心が暖かくなる時代小説でした。
■ぜっさん推しポイント
私は「運命」って言葉があまり好きではない。何故なら本人の努力など関係なく、生まれもった道筋は変わらないという意味をもつから。
リュウが終盤に感じた衝動は、その「運命」という意味に初めて気づいたのだろう。知らないほうが幸せなのかもしれない、ひとりでは何も変わらないかもしれない、でも… この小さい気づきから、人生っのは変わってもの。
たとえどんな環境で生まれたとしても、希望を胸に抱き、前向きに生きてほしい。 -
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五つの短編集です。
高荷を背負って歩く貸本屋のおせん
江戸時代に こういう商売があったんだね。
私 常連客になりそう。
おせんは いろんな所に出入りしているけど
おせんの人柄と気風が好かれているからなんでしょう。幼馴染の青菜売りの登とも 付かず離れずの関係
嫁に恋と言われても 仕事が好きな女には ちょっと無理
婿に来てくれるんだったらいいよ!
と言っている。
幻の美女と言われたお志津には 人前に出れない事情があるのではないか?
疱瘡だった。
人前に出れないお志津は 貸本を楽しみにしてくれる。おせんとあって この子ならと思って出入りが許された。
お針子としてはいった娘が店に出されるというので足抜けする。
登と足抜けを手伝ったりする。
長屋に火をつけられたり
やっぱり登に婿に来てもらったらと 思ってしまう
お話しです。地味だけど色っぽい!でも流されない
おせんのお話しです。 -
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ネタバレ正直ものは馬鹿をみるといいますが、
本作ではそんな正直ものがたくさんでてきたように感じます。
良くも悪くも賢い人は、人を蹴落としてでも上へと行こうとするにも関わらず、
正直ものは真実だけをひたすら告げ、
それが信じてもらえなかった時はあっという間におしまい。
この時代は、正直で真っ直ぐな人ほど生きにくかっただろうなと思います。
そのうえ現代より、情を大切にしている。
どんな親でも見捨てることができず、
はたまた親のために復讐を誓うものもいる。
なんと難儀なことか。
誰しもが生きにくさを抱えるような時代で、
思うところがあっても家族と過ごしたり
泥に塗れても夢を諦めなかったり
懸命にいちにちを生きる人々を
丁寧に鮮明に書かれているように感じました。