あらすじ
オール讀物新人賞を満場一致で受賞!
高荷を背負って江戸の町を巡るおせん。板木盗難や幽霊騒ぎ、幻の書物探しなど様々な事件に巻き込まれながら好事家たちに本を届ける!
解説=久田かおり
単行本 2022年11月 文藝春秋刊
文庫版 2025年5月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
1800年代の江戸を舞台にした時代小説。連作短編集。
主人公は貸本屋をしている、おせん。毎日、何冊もの本を背負って、娯楽を楽しみにしている人々に貸し歩いている。
木版印刷しかなかった当時、本は高価だった。作家や作家や戯曲家が本文を書くと、絵師が挿絵を添え、彫師が板に彫り、一枚一枚刷られていた。故に大量生産できず、一冊がとても高価だった。そんな時代に庶民の娯楽を支えていたのが貸本屋である。蔦屋の創業者、蔦屋重三郎も貸本屋から事業を始めている。
家族に不幸があったおせんは、身一つで貸本屋として江戸に本を配り歩く。そんなおせんを知る人は、商売を支え、見守っている。
謎解き要素もあり、江戸の息遣いを感じながら楽しく読めた。
特に好きだったのは、ある本屋で有名作家の作品の板木が盗まれる話。板が盗まれるとは、単に商品が盗まれるというレベルではなく、工場ラインそのものが盗まれることを意味する。さて、どう見つけ出すのか。
もう一つは、お得意先のイケメンが恋煩いをして、好きな人に『源氏物語の『雲隠』を探し出してくれたら、一緒になってもいいよ』と言われるお話。雲隠の章は令和の現代でも見つかっておらず、光源氏の最期か書かれているとされる一編。さて、どう乗り越えるのか。
まさにお江戸珍道中って感じで面白かった。
Posted by ブクログ
五つの短編集です。
高荷を背負って歩く貸本屋のおせん
江戸時代に こういう商売があったんだね。
私 常連客になりそう。
おせんは いろんな所に出入りしているけど
おせんの人柄と気風が好かれているからなんでしょう。幼馴染の青菜売りの登とも 付かず離れずの関係
嫁に恋と言われても 仕事が好きな女には ちょっと無理
婿に来てくれるんだったらいいよ!
と言っている。
幻の美女と言われたお志津には 人前に出れない事情があるのではないか?
疱瘡だった。
人前に出れないお志津は 貸本を楽しみにしてくれる。おせんとあって この子ならと思って出入りが許された。
お針子としてはいった娘が店に出されるというので足抜けする。
登と足抜けを手伝ったりする。
長屋に火をつけられたり
やっぱり登に婿に来てもらったらと 思ってしまう
お話しです。地味だけど色っぽい!でも流されない
おせんのお話しです。
Posted by ブクログ
時代もの好き、本に関わる仕事をする身として、グッと来る本でした。続きも楽しみです。(刊行されているのは知っていますが、文庫派なので…)
刺さった箇所引用
「たかが本だよ」
善人も悪人も、同じ本を見て笑い悲しむ。ときに憤り、あきらめ、それでも次の丁をめくらずにはいられない。そして一度読まれた本は忘れさられて、みな現に戻っていく。本なんて、そんなもんだ。だから、せんは貸本屋として、本を守らなければならない。
Posted by ブクログ
書店員さんが絶賛される記事を見かけて楽しみにしていましたが、江戸時代版「ビブリア古書堂の事件手帖」みたいにかなと思ったら、主人公が控えめで清楚とは正反対、事件もダークでまぁ別物でした。とは言えそこそこ楽しめました。続きも期待です。
2025-027
Posted by ブクログ
物語はともかく、気になったのは、女性が仕事に頑張っている姿を、男性が描くとこうなるのか、と。おせんは、男性から見た女性の描き方だなぁ、と感じた次第。
幼馴染の青物屋との関係が男の側から見た女そのもので、ちょっと嫌な気分にさせられる。登は、後でなかなか活躍するのだが、おせんに対する態度がどうも気に食わなくて、好感が持てなくなってしまうのだ。
話は、おせんの父の死の謎や、本にまつわる仕掛けや捕物で、新人というにはなかなか手練れの印象。続編もあるので、少し期待。
Posted by ブクログ
今年の大河ドラマ、べらぼうで知った江戸時代からあったという貸本屋の存在。
両親を失いながらもたくましく生きる江戸っ子のせん。
ひとつひとつの物語が痛快で読みやすかった。
Posted by ブクログ
202505/表紙イラストやあらすじの印象からの想像よりも、勝気で強いヒロイン・なかなかキツめの事件だったけど、予想外の面白さで読んでよかった。