高瀬乃一のレビュー一覧

  • 無間の鐘

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    ネタバレ

    時代小説らしい人情物語なんだけど、ちょっと回りくどい気がしないでもない。
    主人公により語り口調で進められ、それぞれの話が時系列でつながっていく。誰にどこでこの主人公が語っているのかが徐々に明かされ、最終章で総まとめ。鐘を撞くことで望みは叶うがあの世で無間地獄、子供をもうけた場合、その子はこの世で無間地獄。そんな鐘をその人に撞かせるの!?って全然人情ものじゃないやんって、待って。ちゃんとオチがあるんです。そんなノリが好き。物語全体はなんとなく古臭い使いまわしの気がしないでもないけど、思わぬ展開にほっこりする。

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    2025年05月15日
  • 梅の実るまで―茅野淳之介幕末日乗―

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    茅野淳之介、この男、まことに剣術ふるわぬ木偶侍なのだろうか?であればすこぶる運が良いのか?使い手と思しき輩に絡まれ、万事休すの場面においてなぜかしら相手を斃すことたびたび。描写はあれど、よく分からぬままに斬って生き残っている。はたしてその実、武芸が達者なのではと思わせる。震えつつも悪漢に対して意見をやってみせるし、鈍のようでなかなか肝が据わってもいるのだ。ともあれ、幕末とは生きにくい。籠絡せんと、あだをあげる連中で溢れている。俺ならどう生きたのか。長いものに巻かれてあざとく切り抜けたろうか。それもやだね。

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    2025年04月13日
  • 梅の実るまで―茅野淳之介幕末日乗―

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    心が締め付けられるような悲しい話もあるけれど、清々しい本だった。歴史に名前が残らなくてもその時代を精一杯生きた人々がたくさんいたことを改めて感じた。

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    2025年02月28日
  • 無間の鐘

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    修験者の「十三童子」
    錫杖を鳴らし、鐘を撞けば願いが叶うと語り出す。
    ただ、撞いた者の来世は無間地獄。
    その子も地獄へ落ちるという。
    迷わず鐘を撞く者はあるだろうか。
    鐘は撞きたいが地獄はごめん、と思うのが人情。
    しかし、欲深い者たちは地獄も怖くないのでしょう。

    アイデアがおもしろい。
    ただ、十三童子の語りから物語への流れが
    もう少しスムーズであればもっと楽しめた気がする。
    そこだけが残念。

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    2025年02月08日
  • 春のとなり

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    夫の死の真相を探り復讐の為に義父と江戸で暮らす親子。長屋で市井の人へ薬師として溶け込みながら、真相を探る時代小説

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    2024年11月10日
  • 無間の鐘

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    遠州七不思議の一つに「無間の鐘」が実際にあるのだと知りました。その有無とは関係なく、連作短編のつながりっぷりが、良い具合でした

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    2024年10月12日
  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー

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    お祭りを題材とした短編集。シリーズ物の中の一編が多かった。シリーズ物の他の作品も読んでみたいと思うものも有った。やはり宮部みゆきが断トツで巧い。

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    2024年08月16日
  • 春のとなり

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    無念の夫の死を晴らすため奔走する菜緒と義父。二人の関係性もほのぼのと書かれていました。

    途中から菜緒の心の変化にハラハラ??でしたが
    何とか春が来そうな気配となり良かったです。

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    2024年07月26日
  • 無間の鐘

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    ネタバレ

     6作の連作短編からなる時代小説。
     修験者然とした十三童子が、無間の鐘を携えて時空を超えて人の世を行脚しているそうな。その鐘を撞けば、どんな願いも叶うが、撞いた者は底なしの無間地獄に堕ち、その子も今生の地獄を見る。さて、撞くか撞かぬか? と欲のある人に迫る。
     笑うセールスマンのような、撞いたら最後、「ドーン!」とオチが待ってる戒めに満ちた短編集かな? と読み進むが、少し予想外の展開だった。

     「小説現代」に掲載された「親孝行の鐘」「嘘の鐘」以降は、書き下ろし。「黄泉比良坂の鐘」が古事記の逸話も引きつつ、良い話だったかな。
     以下、「慈悲の鐘」「真実の鐘」、「無間の鐘」と続く。
     嵐で難破した船の乗組員たちが岬の小屋に逃げ込んだところから話が始まり、ふと現れた十三童子が、夜が明けるまでの時間つぶしの余興にと、彼が体験してきた、鐘を撞いた人々の逸話を語っていく設えであるが、そもそも、なんで、そんなシチュエーションからだろうと頭の片隅に「?」を置いておくとよい。
     全てがつながって、難破した船、その乗員の素性が明かされていくというオチは、悪くなかった。

     結局、無間の鐘は本当に欲を叶えてくれるのか、は謎のまま。十三童子とはいったい何者なのか。まだ続編は紡げそうだ。
     なにしろ、彼の旅の終わりは、「この世から欲がなくなるまででございます」とのこと。

     最後のこのセリフは、人の性(さが)を言い当てているようで、耳が痛い。

    「清吉さんのおっしゃる通り。なくなるわけがございません。今いるこの世こそが、私にっては無間地獄なのでございます。」

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    2024年07月11日
  • 無間の鐘

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    無間の鐘…願いを叶えたいなら、この鐘を撞け。ただし、撞いた者は来世で底なしの無間地獄に墜ち、子も今生で地獄に堕ちる。撞くか撞かぬかは本人次第。“十三童子“の狂言回しで話しが進み、大団円で全ての伏線を回収。よく出来た読み物でした。ただ誰も無間地獄に堕ちず、十三童子の成り立ち、深掘りももう少し詳しく有れば物語の深みが出たと思う。

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    2024年06月15日
  • 無間の鐘

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    欲に目が眩んで鐘を撞いた人々の悲惨な末路が描かれるのかと思ったら、想像とは違って救いのあるお話だった。『嘘の鐘』は鐘が最も効果的に使われている感じがして良かった。『慈悲の鐘』は確かに想い人の心が満たされたけれど、そう来たかあ、と意外性があって面白かった。

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    2024年05月06日
  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー

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    【収録作品】「祭りぎらい」 西條奈加/「天下祭」 諸田玲子/「関羽の頭頂」 三本雅彦/「往来絵巻」 高瀬乃一/「氏子冥利」 宮部みゆき

    祭りをテーマにした時代小説アンソロジー。
    「天下祭」はわからないが、それ以外は、いずれもシリーズものの一篇。単行本未収録の新しい作品と思われる。
    「祭りぎらい」は「狸穴屋お始末日記」シリーズ。
    「関羽の頭頂」は「運び屋円十郎」シリーズ。
    「往来絵巻」は「貸本屋おせん」シリーズ。
    「氏子冥利」は「三島屋変調百物語」シリーズ。
    シリーズとして続いている作品ということで、さすがにどれも面白い。とはいえやっぱり、宮部みゆきは別格かな。

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    2024年04月18日