オリヴァーサックスのレビュー一覧

  • 妻を帽子とまちがえた男

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    脳や記憶の障害の症状に、こんなものがあるのか、と驚くばかり。
    いつ自分が同様の発症に至るかも恐ろしいが、近親者にこのようなことが起こったとき、ちゃんと、サックス先生のように対応できるか真剣に想像するも、撃沈した。
    それでも悲劇的なことばかりではなく、随所にかつての姿がしのばれたり、人間味があったり、なんていうことなんだろうと複雑なあたたかい気持ちになった。

    脳の未知さったら、無い。

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    2017年12月05日
  • 心の視力 脳神経科医と失われた知覚の世界

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     目にかかわる、脳の障害が、具体的な人を通して記述される。とてもひどい症例であっても、大変な努力と工夫により新しい状況を切り開いてゆく姿は、人間の可能性を伝えてくれる。そして、脳そのものの可塑性やいろいろな機能のネットワークを作り変えてゆくすごさに感動してしまいます。

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    2016年07月29日
  • 色のない島へ──脳神経科医のミクロネシア探訪記

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    この本は南太平洋の人々の暮らしを紹介する旅行記であり、遺伝子の隔絶により発生する先天性異常や病気の原因を探求する医学の記録であり、その病気の原因と思われる植物や生態系に関する植物学的、生物学的なだったり、ジャンルが多岐に渡っていて興味深くも読みにくかった。読み終えて印象に残っているのは「色盲とパーキンソン病(もどき)とソテツ」。

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    2016年06月12日
  • 道程―オリヴァー・サックス自伝―

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    『レナードの朝』『妻を帽子とまちがえた男』『音楽嗜好症』などの作品で挙げられる症例は「人間とは何か」という根源的な問いを感じさせる。作者自身の全てをさらけ出す自伝。

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    2016年02月07日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    何かが足りない人に対して、足りない部分ばかりを補おうとし、良いところを伸ばさなければ、何も残らない、というのは誰にとっても当てはまることなんだろうに、でもなかなか実践はできないもので。なんでなんだろうか。出る釘は打たれるというやつか。
    こういう本によっていわゆる障碍者と言われる人々は身近になるんだろうか?そう感じられるようになるのか?

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    2015年03月01日
  • 見てしまう人びと 幻覚の脳科学

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    見てしまう人びと、やばい人の話っぽいタイトルであるが、医学的にはよく知られた幻覚について、書いた本です。患者の体験をいきいきと描くのが、オリバーサックスさんのスタイルで、この本でもそれが生きていると思います。著者自身が見てしまう人びとだからか、自身の体験が多く出てきますが、僕自身は、熱が出ても何も見えないし、寝たり起きたりしても何も感じないし、宗教も信じない人なので、脳疾患の人々以外の部分に関して、これほどあるのかな~と疑問を感じました。脳のメカニズムに関して、一部記載がありますが、手紙などからの体験が多く、もう少し脳について語ってほしい気はしました。

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    2014年11月18日
  • 音楽嗜好症(ミュージコフィリア)

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    以前からこの本のハードカバー単行本を書店で見かけ、気にはしていたのだが、突然文庫化されたので早速買ってみた。
    著者は「レナードの朝」で有名な脳神経科の臨床医で、ここでは音楽にまつわる様々な脳現象(音楽が頭から離れない神経症的状況とか、脳の損傷の結果音楽が意味あるものとして把捉できなくなるといった症例とか)を豊富に列挙しており、音楽現象の一面として、興味深い。
    ただし、著者は臨床医としての誠実さから、「わからない」ことはわかったように書かないため、諸事象の根本的な理由、その解釈が、読者には呈示されない。
    その辺は興味本位で読んでいる我々にとってはちょっと不満である。解釈のほどこされない諸現象が列

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    2014年10月19日
  • 音楽嗜好症(ミュージコフィリア)

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    オリヴァー・サックスは、ぼくが脳神経学に興味を持つきっかけになった「妻を帽子とまちがえた男」の著者。
    一般的には、「レナードの朝」で有名。

    本書では、脳に障害を抱えた人たちを音楽の視点からみている。

    脳の障害が様々な困難を引き起こすにもかかわらず、音楽的な能力は損なわれず、むしろ、向上するケースがあることを具体的な患者との関わりを挙げながら、説明していく。

    いつものかんじではあるけれど、ぼくに音楽の知識がないせいか、するすると読み進めることができなかった。

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    2014年10月17日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    自閉症、てんかんなど、特異な症状をもつ人の観察記録。
    彼らは劣っているのか、健常者と同じなにかを持っているのか、むしろ優秀なのか。
    人間観察に新たな視点を与えてくれる。

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    2013年11月17日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    様々な症例に優しく、かつ専門家の目を持って寄り添う著者のふるまいに心温まる、それぞれのエピソードがぶつ切りになっている気もするが、かえってそれが、そのエピソードのあとでも患者や周囲の人の人生は進んでゆく感じを表しているよう。脳とはかくに奇妙で、不安定で、繊細な器官であることよ。

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    2013年09月20日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    もう脳の本は何冊か読んだので、最初のインパクトはなくなってきているが、人間には実は計り知れない能力があるんだなあ、、、と、改めて思った。
    普通は、バランスよく、その一部ずつしか発揮されないが、そのバランスが崩れたら、何かは失うかもしれないけど、ものすごい能力が全開となるかもしれない。
    聴力の一部が失われた場合、その代わりに得るかもしれないものは何なんだろう。

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    2014年03月23日
  • 心の視力 脳神経科医と失われた知覚の世界

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    視力にまつわる医学エッセイ。
    「みる」「読む」ということが、いかに精妙複雑な働きで成立しているかを教えられる。
    反射した光を感知するだけでは駄目なのだ。それを「認識」できなければ意味はない。
    りんごを見たとき、脳内で抽象化された「りんご」という概念と結びつけられなければ、その人はそれをりんごとして見ることすら出来ない。「紅くて丸いの」だ。
    物の特徴を抽象化して分類することができなければ、隣の人の頭をスイカだと勘違いしたっておかしくはない。
    むしろ人の顔を見分けるのすら高度なワザに思えてしまう。

    立体視の素晴らしさについての体験記はとても心を打つ。
    雪の一ひら一ひらのなかに身を置く自分を実感す

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    2013年06月15日
  • 心の視力 脳神経科医と失われた知覚の世界

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    「レナードの朝」で知られる、脳や神経と知覚・認識に関する権威オリヴァー・サックスの近刊。相貌失認症や失読症などの脳の特定部位の損傷が原因となる特異な認識の障害を症例を基に紹介し、いかに脳がこの世界をとらえようと働いているかを探る。
    興味深い内容だが、しかし専門用語が頻出し(心像とかオクルージョンなど)、文体が学術的になりすぎているきらいがあるので、ワタクシのような門外漢が所謂怖いもの見たさで読むには、読物的な盛り上がりに欠ける。
    そもそもそれを狙った書ではないのだろう。
    ともあれ、脳はやはり人類最後の秘境なのかも知れない。

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    2012年02月26日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    レナードの朝、で有名なオリヴァー・サックスさんからこちらをチョイス。
    今から10年以上前の本だけれど、内容はそんなに古臭くは感じない。
    読み物としてそれなりに面白いので、入門書としても良いと思う。

    物語風に綴られていて、事実の羅列のようなノンフィクションとは異なる。

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    2010年10月14日