作品一覧

  • 妻を帽子とまちがえた男

    妻を帽子とまちがえた男

    小説・文芸

    3.9
    1巻1,056円 (税込)
    妻の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする音楽家、からだの感覚を失って姿勢が保てなくなってしまった若い母親……脳神経科医のサックス博士が出会った奇妙でふしぎな症状を抱える患者たちは、その障害にもかかわらず、人間として精いっぱいに生きていく。そんな患者たちの豊かな世界を愛情こめて描きあげた、24篇の驚きと感動の医学エッセイの傑作、待望の文庫化。

ユーザーレビュー

  • 妻を帽子とまちがえた男

    Posted by ブクログ

    患者一人ひとりの症例を、物語として脳神経科医の作家が記すのだが、各々の物語は医師としての挑戦、人としての愛にあふれている。だから、医学の知識がないわたしにも読むことができ、好奇心すらくすぐられた。

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    2026年02月26日
  • 妻を帽子とまちがえた男

    Posted by ブクログ

    何気なくタイトルに興味を感じて読み始めたら、著者はあのレナードの朝の原作者だった。
    楽譜は音楽を記号で表したもの、それと同様に数字は数の世界を記号で表したもの。音楽は聴くものであるが、数の世界は何か図象的なものであるのか?
    サバン症の人たちにはそれが見えているので日付から曜日を即回答できるのか?どうも素数が鍵であるようだ。この図象的なものが理解出来れば数学の世界は大きく進歩するのではと思った。
    全くタイトルからは想像できなかった事に気が付かされた。

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    2025年12月29日
  • 妻を帽子とまちがえた男

    Posted by ブクログ

    個性と多様性の本。

    冒頭にウィリアム・オスラーの「病気について語ること、それは『千夜一夜物語』のようなものだ。」という言葉が載っている通り、(本人や周囲の人には辛いこともあるだろうけど)出来の良い短編を読んでいる様な驚きや発見がある。

    身体の一部であったり神経や脳の機能が喪失したり過剰だったりで、こんなにも多様な症状が出ることに人間の身体の不安定さと同時に安定性も感じる。

    そして、本当の意味で「感覚」の違う人との相互理解は出来ないからこそ、理解しようとする姿勢と一方の「感覚」での評価の意味のなさがわかる。




    p. 91 私が診ていたある患者は、後頭葉への血管の塞栓のために、脳の視覚をつかさどる部分が死んでしまった。たちどころにこの患者は完全に盲目となったが、本人はそれを知らなかった。見たところ盲人なのに、彼はひとつも不平を言わない。質問や検査をしてみてわかったことだが、彼は盲目となった—脳の皮質の上でそうなってしまった—ばかりでなく、およそ視覚的な想像力も記憶もいっさい失ってしまったのである。それでいて、失ったと言う意識もないのだった。「見る」という観念そのものが存在しなくなり、なにひとつ視覚的に叙述することができないばかりでなく、私が「見る」とか「光」といったことばを口にすると、それが理解できずに当惑してしまう。すべての点で視覚と無縁な人間になってしまったのである。彼のこれまでの人生の中で「見る」ことに関係あった部分いっさいが抜けおちてしまった。



    p. 188こうなるともう、天賦の才能なのか呪われた欠点なのかわからなくなってくる、とも言った。


    p. 204このように考えると、われわれは、通常とは逆向きの流れのなかに立つことになりかねない。病気は幸福な状態で、正常な状態に復する事は病気になることなのかもしれないのだ。興奮状態はつらい束縛であると同時に、うれしい解放でもあるのだ。


    p. 324 今までやってきたのはこの相についてのテストで、そこでは非常に劣っていることがわかっていた。しかしそのテストでは欠陥以外の事は何もわからない。欠陥の向こうにあるものは見えてこないのだ。


    p. 376 「かくして、天才少女から天才がとりのぞかれておわった。あとには何ものこらなかった。ただひとつの優れた点はなくなり、どこをとっても人なみ以下の欠陥ばかりとなった。こんな奇妙な治療法を考えつくとは、いったいわれわれはどういう人間なのか?」

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    2022年08月14日
  • 妻を帽子とまちがえた男

    Posted by ブクログ

    人間をまず”普通の人間”たらしめている要素とは何なのか、また人間の本質について考えさせられる良著。
    この本はジャンルとして全くSFでもなく、量子力学でもないが、『酔歩する男』の血沼や小竹田のことを考えてしまう。

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    2022年07月24日
  • 妻を帽子とまちがえた男

    Posted by ブクログ

    何度繰り返し、この本を、読んだ事でしょう。
    人間の、精神に、興味がありました。自分が、精神の病を名付けられてからは、作者 オリバー・サックスの、変わった人々に対する温かいまなざしに、すがるような思いで、読みました。
     訳者 高見幸郎氏が、あとがきで、こう書いています。
     たしかにこれは、筆者の言うとおり、「奇妙」な話を集めたものである。脳神経になにか異常があるとき、奇妙な不思議な症状があらわれ、一般の想像をこえた動作や状態がおこる。ここに語られた二十四篇の話はいずれもそうした例といっていい。しかしわれわれが、これらをただ好奇の目でながめ、興味本位に読むのだったら、それはたいへんな誤りで、筆者の意図と真情を正しく理解したことにはならないだろう。病気の挑戦をうけ、正常な機能をこわされ、通常の生活を断念させられながらも、患者はその人なりに、病気とたたかい、人間としてのアイデンティティをとりもどそうと努力している。勝てなくても戦いつづけている。たとえ脳の機能はもとどおりにならなくても、それで人間たることが否定されるのではない。このことこそ、サックスがくり返し述べているところであって、ここが、問題の核心というべきであろう。

    、、、書いていて、スマホが、涙で、濡れてしまいました。

    ※ 私が読んだのは、晶文社の、単行本のほうです。


    りまの


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    2021年02月16日

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