オリヴァーサックスのレビュー一覧

  • 心の視力 脳神経科医と失われた知覚の世界

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    「レナードの朝」で知られる脳神経外科医の近作。ある一方向のものがわからない、人の顔が見分けられない、ものは見えているのにそれが何なのかがわからないといった知覚喪失の世にも不思議な世界の物語。
    サックス自身も人を見分けるのが困難という相貌失認を抱えていて、これも初めて知って、びっくり。ただただ唖然。

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    2012年06月15日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    人間の脳がいかに可塑的で適応能力があるかをわからせてくれる本。脳の障害はある意味で突然変異と同じ意図で人類がわざと発生させているのではないかとさえ思わせる。ひとつの短所は長所と裏返しでしかなく、その意味で知的障害は当人にとっては大きな苦痛を与えるが、人類の長い歴史にとって必要なことなのかもしれない。
    火星の人類学者ではもし人造人間が出来たら彼女のようになるのかもしれないと少しぞっとしたが、そのような彼女に対して著書と同じように抱きしめたい感情になった自分に複雑な思い。
    本書の症例は特殊な状況ではあるが、あとがきにもあるように、じつは「人間が置かれた普遍的な条件」を拡大させて見せているにすぎない。彼らの置かれた状況は我々の人生にもより緩やかな形であらわれているのである。

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    2012年02月12日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    脳神経科医が自分の患者を1人の人間として向き合う様子を綴った本。まず、それぞれの患者の症状に人間の脳の不思議さを感じるとともに、生きること、人としての尊厳について考えさせられた。つい障碍者と健常者という区別をつけてしまうけど、でも結局、自分が生きる幸せってなんなんだろう。

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    2012年01月19日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    “治療”の視点ではなく、脳神経患者と友達になろうと接し魅力を説くところに引き込まれる。ノンフィクションだから面白いんだろな。翻訳者の表現がすごく良い。

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    2012年01月13日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    世界の認識が揺らぐノンフィクション。
    サックス博士は「レナードの朝」「妻を帽子と間違えた男」で有名ですが、愛情と知的好奇心のバランスが良いのはこのあたりではないかと。

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    2010年10月04日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    これはほんとに良く出来た医学ノンフィクションだった。内容忘れたら訳者のあとがきにうまいまとめがあるので、それを参照してほしい。一応一言でまとめておくと、以下の7つ。?色盲になってしまった画家の話?記憶が1960年代で止まって更新できなくなってしまった男の話?トゥレット症候群(チックのような行動や発言をしてしまう病)の外科医の話?40年全盲だった男が視力を回復した話?少年時代を過ごした村の記憶がとめどなくあふれだしてしまう画家の話?自閉症(サヴァン症候群)の天才少年画家の話?自閉症の天才動物学者♀の話(火星の人類学者)全て質の高い物語だが、なかでも出色は?、?、?。?の男の父親が死んだ時のエピソードで危うく泣きかけた。?では、自分を締め上げる機械を自作してそれによってやすらぎを得るということを無感情に告白することの悲哀を感じた。これ原題は"An Anthropologist on Mars - Seven Paradoxical Tales"ってなってて、副題の部分は直訳すれば、「矛盾に満ちた7つの物語」ってなるわけで、邦題とだいぶ違ってる気がする。おそらく分かり易さ・瞬発力を重視したんだろうけど、原題の方がかっこいい気がする。まあParadoxicalのうまい訳がないから伝わりづらいってのもあるんだろうけど。

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    2012年01月09日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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     人間の脳というのは、最も身近にあるものにして、最も理解不能の域にある。
     たかだか1300グラムの細胞が齎す、障害による様々な症状と患者達の姿は、人間自身が不思議の塊だということを教えてくれる。
     決して「脳に障害を負う超能力者のサクセスストーリー」ではない。その部分において、作者は冷静に事実を突きつけてくる。
     題の意味を知ったとき、言葉が出なかった。

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    2011年12月03日
  • 色のない島へ──脳神経科医のミクロネシア探訪記

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    脳神経医のオリヴァー・サックス博士が1997年に執筆した医学エッセイ。前半の全色盲の人が暮らす島(ピンゲラップ島)へ行く話は、楽しい旅行記のよう。特に夜釣りの情景は美しかったです。同じく全色盲のクヌート・ノルドビー博士とほぼほぼ初対面で一緒に旅したのだから、なんという陽キャ!
    ※ ちなみに島民全員が全色盲なのだと期待したけど、全体の10%くらいだそうな。

    後半は一転してグアム島特有の神経難病、リティコ・ボディグを巡る旅。グアムで20年リティコ・ボディグの原因を調査しているジョン・スティール博士と、重度の神経難病患者を巡る描写は、結構つらいものがありました。前半読んで、「読んだらグアムに行ってみたくなっちゃうかも〜(ピンゲラップ島よりずっと行きやすいし、いいな)」と思っていたら全然そんなことなかった(汗)。この難病、結局、未だに原因が解明されないまま患者が激減し、ついに途絶えたようです。著書は島民が難病患者たちを温かく受け入れて介護している様に感動していて、それに比べて米国は…と嘆いていたけれど、どうなのでしょうね。やっぱり一緒に暮らして介護したり、頻繁に病院に行くご家族も大変だと思うけど。

    最後は怒涛のソテツ話。シダ植物好きっているのですね(著書のオリヴァー・サックス博士がそうなのですが)。ソテツとは太古の昔から生えてるシダ植物だそうで、植物なんて食えるか食えないかにしか興味のない自分には、ややツラかったですが、読み終わる頃には、植物園に行きたくなりました。

    ミクロネシアの豊かな生活の中に、西洋化や太平洋戦争の影響が色濃く残っていて、随所で悲しい気持ちになります。日本軍による侵略の爪痕も残っていて…「太平洋」戦争って、「太平洋」戦争だったんだな、と当たり前の感想ですが、改めて実感した次第です。(日本のグアムのリゾート開発の話も出てきた。なんかホント申し訳ないです。)

    なにはともあれ読み終わるのに1ヶ月以上かかった!ずっとミクロネシアを旅してた気分!

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    2026年09月19日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    ●感想
    サックス博士の患者さんへの眼差しが、その個人個人に寄り添ったものであり、決して上から目線や興味本位でないのが心地よかった。脳って本当に不思議。これまでの経験は、ふだん取り出せないだけで全部記憶されている、音楽をきっかけにしか思い出さないことがある、など自分の経験のなかでも納得がいくものもあった。だから、不思議な症例に見えても、そんなこともあるだろうなと思えた。


    ●本概要

    頭がオルゴール? 化粧は右半分だけ?
    『火星の人類学者』のサックス博士が
    奇妙な患者たちを優しく見つめた代表作


    妻の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする音楽家、からだの感覚を失って姿勢が保てなくなってしまった若い母親@@脳神経科医のサックス博士が出会った奇妙でふしぎな症状を抱える患者たちは、その障害にもかかわらず、人間として精いっぱいに生きていく。そんな患者たちの豊かな世界を愛情こめて描きあげた、24篇の驚きと感動の医学エッセイの傑作、待望の文庫化。

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    2026年07月28日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    異星の民を観察するかのように、人を見つめた医師がいた。オリヴァー・サックス。診断名の背後にある、その人固有の世界に耳を澄ませ続けた。
     自閉症の青年が築く精緻な秩序を描き、世界を異邦のように感じる感覚の内側へと分け入る。色覚を失った画家や失認に苦しむ患者らの戸惑いをすくい取った。
     障害は欠落か、それとも別様の知覚か。彼は異常を切り分けるのではなく、物語として編み直す。脳の多様さを受け止めることこそ、人間理解の始まりだと示している。

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    2026年03月01日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    みんながやっていることができない、みんなが普通と思っている状態になれない、人から変な人と見られることで悩んでいる人は世界にどのくらいいるのだろう? 私もその1人なので、この本に出てくる主人公達を他人事として見つめるのではなく、自分を重ね合わせながら読んだ。障害を個性と言えるレベルと言えないレベルの境界線はどこにあるのだろう。個性と言えるのは、健常者にある能力をなくす代わりに健常者よりも優れた別の能力を得られているような場合や、障害が逆に当事者に愛くるしい一面を与えているような場合くらいか。

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    2026年02月18日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    脳に対して障害がある人の症例を集めたエッセイ集である。原書は1992年に発売されたモノであり、文庫になったのも2009年と割かし古いが、脳の機能について示唆を与える事象が数多く記されており、興味深い内容だった。
    2027/12/27 追記
    著者のオリヴァー・サックスの書籍に関して、虚偽の記載が多くあるとのニュースがあり、その中に当書籍も含まれていた。
    確かに、患者の個人情報に関わる内容を赤裸々に記載されており、「当時の倫理観だとそんなもの?」という感覚で読んでいたが、あまり鵜呑みにするのは良く無さそうである。

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    2025年11月23日
  • 音楽嗜好症(ミュージコフィリア)

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    レナードの朝を見て作者を知りました。
    偶然友人がこの本を持っており、興味が止まらず購入。難しい内容かと思いきや、わかりやすく、自分に当てはまる内容もあったりしてスラスラと読めました。
    音楽と医療についての内容だけど、音楽を別のモノに当てはめても納得できる事が多くて、色んな嗜好を持った人が共感出来るなと思いました。

    良かったです。

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    2025年11月04日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    脳神経科医のサックス博士が出会った奇妙でふしぎな症状を抱える患者たちのお話。

    特に印象的だったのは、双子の兄弟の話。彼らだけにわかるルールでコミュニケーションをする。その描写が双子だけの静かな世界をあらわしていて、引き込まれた。

    考えると、私たちは当然のように「言葉」を使ってコミュニケーションをするけれど、「言葉」にすることが苦手な人もいるし、「言葉」以外のコミュニケーションがあってもいいのでは、と思ったり。

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    2025年06月10日
  • タングステンおじさん 化学と過ごした私の少年時代

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     「医師」として知っていたオリバー・サックス先生が、子どもの頃は化学に夢中だったなんて!
     また、そんな先生に対して家族が寛容であったことも、先生にとってプラスの効果があったのかもしれません。

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    2024年05月24日
  • 色のない島へ──脳神経科医のミクロネシア探訪記

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    アメリカンブッダでちらっと題名が出てきたので興味を持って。
    思ったより旅行記で全色盲の人の言及が少ない。全色盲や奇病への学術的好奇心や哀れみというよりも、偶然的な条件によってそのような現象が起きる人体の不思議さとその中で共存して暮らす人々への敬意が端々から読み取れる。著者が自然科学への造詣と情熱が深いのでミクロネシアの島々の日差しが強く豊かな自然が生き生きと描写されている。とにかくシダとソテツの説明が長くて詳しい笑

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    2023年12月21日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    とりわけ印象に残ったのは『最後のヒッピー』。
    人生最高の1日を翌朝には忘れてしまうことについてしばらく考えてしまった。

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    2023年07月28日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    普通とは、健常者とは何なのか。
    幸福とは何なのか。
    子どもと一緒に暮らしている人にもおすすめ。

    チョムスキーと合わせて見ると一層考えさせられる。

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    2022年12月19日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    ずっと読みたいと思ってたけど、なかなかページをめくれなかった本。「書店員 波山個間子」さんの漫画に出てきてて、興味をそそられて、ようやく読み始めました。他の人の読み方や感想をきいて、ぐっと本との距離が縮まりました! そうでなかったら、また違った感想だったと思います。

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    2022年03月14日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    「レナードの朝」原作者による様々な神経性疾患の病例の記録。治すということではなく、どうその状態と折り合いをつけていくのかが大変興味深かった。平日は投薬、週末はあえて飲まずにエネルギッシュな演奏をするトゥレット症候群ドラマーの話が印象深い。

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    2021年05月18日