オリヴァーサックスのレビュー一覧

  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    脳の話なのだが、どちらかというと精神分析っぽい。最後の、自閉症ながら動物行動学の博士号をとって、大学で教えながら事業も手がけている女性助教授の話「火星の人類学者」がとても興味深かった。自閉症で、決定的な欠損がありつつも、ものすごい能力をもっている。
    本には極端な例が並べられているが、そう考えると、一人一人、おそらくどうしょうもない欠損を持ちつつ、それを補うような素晴らしい能力を持っているように思えてくる。
    自分のその偏りを自覚しつつ、他の人に対しても、その人の偏りを大切に思うことがとても重要と思う。

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    2013年06月20日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    名作『レナードの朝』にて名をとどろかせた、オリヴァー・サックス医師によるノンフィクション。
    医師である彼の元にやってきた患者達の、『奇妙』な話が24話収録されている。

    脳内に病を抱えながらも、理性的に生きようとした女性が、
    幻の中でインドに帰っていく話(「インドへの道」)と、
    数学の世界に二人で生き、規則を持った数だけでお互いを理解し合う双子の話(「双子の兄弟」)が個人的に感慨深かった。

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    2013年05月14日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    頭に障害のある人たちの話。
    奇人変人の話としても読めるが、読んでいるうちに著者の優しい眼差しに感化されて、一人ひとりが自分と同じ人間だと思えてくる。
    困難への向き合い方、対処の仕方が人それぞれで、それが人の個性として感じられる。

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    2012年10月29日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    神経科の医師が出会ったさまざまな患者に関して、素人にもわかるように記載されている。
    神経の異常によるからだへの影響と、それを理解できないじぶん。

    喪失、過剰、移行、純真のカテゴリでエピソード(症例)と解説(後記)。
    視覚や嗅覚の変化、ひとがらの変化。具体性。コルサコフ症候群、トゥレット症候群。
    C0347

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    2016年09月26日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    すべてが白黒に見える全色盲に陥った画家、激しいチックを起こすトゥレット
    症候群の外科医、「わたしは火星の人類学者のようだ」と漏らす自閉症の動物
    学者…脳神経科医サックスは、患者たちが抱える脳の病を単なる障害としては
    見ない。それらは揺るぎないアイデンティティと類まれな創造力の源なのだ。
    往診=交流を通じて、不可思議な人生を歩む彼らの姿を描か出し、人間存在の
    可能性を謳った驚きと感動の医学エッセイ。

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    2009年10月07日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    脳神経科医のサックス博士が、脳に障害を持つ様々な患者と実際に交流をしたその記録。医学的なんだけど、堅くなり過ぎず、読み易いし凄く勉強になった。彼の著作の中では一番良いかなと思う。
    突然視界の全てが白黒に成ってしまった画家なんかは衝撃的だった。
    自分は、全ての色が見えた上で、黒を好めるのかも知れない。
    兎に角、色々考えさせる本です。

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    2009年10月04日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    妻を帽子と間違えた男 オリバーサックス
    晶文社
    オリバーは1933年に生まれた精神科医で
    この本は記憶についての臨床的実例と
    それに関する考察を書き綴ったモノである
    記憶が部分的に消えてしまう症状
    多くは事故による脳の障害らしいが
    年齢と共に起こる疲労でもあるのだろうか?
    老害の一つの症状でもあるらしい
    誰でも大なり小なり忘れるということがあるけれど
    それがまとまって起こるのが健忘症であり痴呆である
    事故で起こるのは悲しいことだが
    老衰で起こるのはそれなりに全体的な症状なのでさみしさはあるものの
    大きなショックや狂気となることはない
    自分に起こる健忘症もさることながら
    知人が減り付き合いが遠の

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    2025年11月09日
  • 心の視力 脳神経科医と失われた知覚の世界

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    人間の機能感覚と、認識の錯覚など、実際の症例をもとに学んでいく。オリバー・サックスは、思春期のころに読み、脳の不思議さ、感覚の土台について人間って不思議だなーと感心したことを覚えています。専門用語も多く正しく理解できたどうかは不安です笑

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    2025年07月01日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    ネタバレ

    「サックス先生の患者にはなりたくないなぁ。」というのが読みながら常々感じた感想。
    『はじめに』の部分では人間味のある人物のように思えたのだが、その後の記述はどうも軽率で患者のことを思っているフリをしているだけ(もしくは薄情なだけか)のような感覚があった。
    最初の物語である『妻を帽子とまちがえた男』では、それまでの内容との落差で猛烈な肩すかしを食らった。表題作でもあるのでしっかりした内容かと期待したが、「たった一回診察しただけかよ」「経過観察も追跡調査もせずこんな薄っぺらい情報で『ひとりの患者の物語』なんてよく言えたな」と苛立つくらいだった。
    その後の内容も、軽率な薬の使用(と見える記述)でトゥ

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    2025年05月12日
  • 音楽嗜好症(ミュージコフィリア)

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    オリバー・サックスは私が好きな脳神経医であり、医学エッセイニスト。学生時代からサックス先生の本を読んできた。
    今年(2025)は「脳機能と音楽」を学習テーマにする決めて数冊本を読もうと目標を立てた。その一冊目はサックス先生の本にした。臨床中、いつも「リズム」の存在に驚く。うまくいかないとき、大体リズムやテンポが合っていないのだ。課題転換のタイミングや歩行・言語・呼吸のリズム…相手とマッチしないのは私のリズムが皆さんと合っていない時。
    本書にも「パーキンソン病と音楽」や「失語症と音楽」「記憶障害と音楽」など多くのテーマについて先生が対面・体験した患者さんの様子が愛を持って書かれている。先生のこの

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    2025年02月23日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    「われわれは、患者の欠陥にあまりにも多くの注意をはらいすぎていた。それでいて、変化していない、失われることなく残っているほうの能力をほとんど見ていなかった」

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    2025年02月02日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    病気を患っていても、悲観せずにむしろそこを生かすような人生を送っていてかっこいい。自分を真っ当から肯定する姿勢はすごいと思う。

    "生まれながらの盲人が、手で立方体と球体を識別することを学んだとする。その人が視力を取り戻して、触らずにどちらかを識別することは可能だろうか"

    色失った芸術家
    記憶を保持できないグレッグ
    トゥレット症候群の外科医
    触覚で生きる人々

    当たり前の五感がない世界はどう見えるのだろうか。

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    2024年01月14日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    本作を知ったのは、頭木弘樹さんの「絶望読書」のなかで紹介されていたことがきっかけ。
    「人間に、こんなことって本当にあるの?」という症例が多種多様に描かれている。
    難しい内容や専門用語が多いので、医者や理学療法士なんかにとっては、とても面白く読めて、かつ参考になるのではないかと思った。

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    2023年07月13日
  • 色のない島へ──脳神経科医のミクロネシア探訪記

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    神経科医師のオリヴァーサックス先生のミクロネシア探訪記。ピンゲラップ島とポーンペイ島には遺伝による先天的な全色盲の人が多く存在する。そしてグアム島にはリティコという筋萎縮性側索硬化症に似た進行性の神経麻痺とボディグというパーキンソン病に似た症状で痴呆を伴うことがある、この2つの病気が混ざり合って発症する風土病がある。
     医者の記録だから症状の話や病気の原因の考察などがあるがそんな話は置いておいて、こうした原因不明の風土病に対して人間は寛容に受け入れる。これを病気と捉えず、ありのままに家族は受け入れる。何が普通、正常なのか知らないが、病名を付けて騒ぎ立てる現代医療には少し不信感がある。性格にも病

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    2022年09月17日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

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    少々長いなと思うようなところもあったが、まあ結論言いますと、みんな違ってみんないい、十人十色、につきますな。画家が色盲になってからの過程から、どんな悲劇、驚くようなことがあっても、物事をどう捉えるかによって世界は大きく変わるんだなと、深く再認識。単純なことだけどそれがなかなかできないんだよね。でも少し、変えてみただけで、マイナスで暗い世界が少しずつ明るくなっていく、素晴らしい。自分の短所と言われる部分がきっと武器になるんだろうなと、願いたい。


    以下抜粋

    さまざまな偏りのある能力と性格をもったあなたであり、わたしである。その意味では人間は誰もが奇妙な存在だ。健康とか健常という言葉は、実はむ

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    2022年04月12日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    ネタバレ

    馴染みがないジャンルで難しかったけどどの話も興味深かった

    脳の障害でまっすぐ歩くことができなくなってしまった男性が水平器を使うことを思い付いた話には感銘を受けた
    記憶喪失によりアイデンティティを失ってしまったら人の話は少し怖くなってしまった

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    2022年03月01日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    神経内科的な捉え方にしてはあさい。物語にしてもあまり情緒を揺さぶられなかったな、となんだかつまらなかった。

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    2022年02月08日
  • タングステンおじさん 化学と過ごした私の少年時代

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    学校で習った元素周期表(水平リーベぼくの船…)とか
    理科室で実験した水分解とか
    当たり前に習ったけど、それを発見するのにたくさんの科学者が
    いろんな仮説たてて実験してめちゃくちゃ時間かけてたんだなあとしみじみ。
    つぎつぎと解明されていく元素の事実を、科学にのめり込んだ少年の目線で読んでいると自然と自分も楽しくなってきます(難しくてよくわからないところも多々ありましたが)
    新しいなにかが発見された当時の世間の反応が新鮮だったり怖いなと思ったり。
    X線が発見された当時、見透かされることを恐れて鉛の下着が売られたり。
    放射能の危険性がまだ十分に議論されておらず、放射能は治療効果があるといわれ、医師が

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    2021年04月19日
  • 色のない島へ──脳神経科医のミクロネシア探訪記

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    全色盲の患者さんの多い島とALSやパーキンソン病の症状が多いグアムへの調査旅。グアムってただのリゾートのイメージやけど日本は戦時中にだいぶひどいことしたんやね。この病気とは関係ないけど。

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    2020年01月21日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    おぉほんとに妻と帽子を間違えるんだ
    普通って何?幸せって何?
    人の性格や心は、結局脳の働きのひとつでしかないんだなあ

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    2018年12月21日