オリヴァーサックスのレビュー一覧
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妻を帽子と間違えた男 オリバーサックス
晶文社
オリバーは1933年に生まれた精神科医で
この本は記憶についての臨床的実例と
それに関する考察を書き綴ったモノである
記憶が部分的に消えてしまう症状
多くは事故による脳の障害らしいが
年齢と共に起こる疲労でもあるのだろうか?
老害の一つの症状でもあるらしい
誰でも大なり小なり忘れるということがあるけれど
それがまとまって起こるのが健忘症であり痴呆である
事故で起こるのは悲しいことだが
老衰で起こるのはそれなりに全体的な症状なのでさみしさはあるものの
大きなショックや狂気となることはない
自分に起こる健忘症もさることながら
知人が減り付き合いが遠の -
Posted by ブクログ
ネタバレ「サックス先生の患者にはなりたくないなぁ。」というのが読みながら常々感じた感想。
『はじめに』の部分では人間味のある人物のように思えたのだが、その後の記述はどうも軽率で患者のことを思っているフリをしているだけ(もしくは薄情なだけか)のような感覚があった。
最初の物語である『妻を帽子とまちがえた男』では、それまでの内容との落差で猛烈な肩すかしを食らった。表題作でもあるのでしっかりした内容かと期待したが、「たった一回診察しただけかよ」「経過観察も追跡調査もせずこんな薄っぺらい情報で『ひとりの患者の物語』なんてよく言えたな」と苛立つくらいだった。
その後の内容も、軽率な薬の使用(と見える記述)でトゥ -
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オリバー・サックスは私が好きな脳神経医であり、医学エッセイニスト。学生時代からサックス先生の本を読んできた。
今年(2025)は「脳機能と音楽」を学習テーマにする決めて数冊本を読もうと目標を立てた。その一冊目はサックス先生の本にした。臨床中、いつも「リズム」の存在に驚く。うまくいかないとき、大体リズムやテンポが合っていないのだ。課題転換のタイミングや歩行・言語・呼吸のリズム…相手とマッチしないのは私のリズムが皆さんと合っていない時。
本書にも「パーキンソン病と音楽」や「失語症と音楽」「記憶障害と音楽」など多くのテーマについて先生が対面・体験した患者さんの様子が愛を持って書かれている。先生のこの -
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神経科医師のオリヴァーサックス先生のミクロネシア探訪記。ピンゲラップ島とポーンペイ島には遺伝による先天的な全色盲の人が多く存在する。そしてグアム島にはリティコという筋萎縮性側索硬化症に似た進行性の神経麻痺とボディグというパーキンソン病に似た症状で痴呆を伴うことがある、この2つの病気が混ざり合って発症する風土病がある。
医者の記録だから症状の話や病気の原因の考察などがあるがそんな話は置いておいて、こうした原因不明の風土病に対して人間は寛容に受け入れる。これを病気と捉えず、ありのままに家族は受け入れる。何が普通、正常なのか知らないが、病名を付けて騒ぎ立てる現代医療には少し不信感がある。性格にも病 -
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少々長いなと思うようなところもあったが、まあ結論言いますと、みんな違ってみんないい、十人十色、につきますな。画家が色盲になってからの過程から、どんな悲劇、驚くようなことがあっても、物事をどう捉えるかによって世界は大きく変わるんだなと、深く再認識。単純なことだけどそれがなかなかできないんだよね。でも少し、変えてみただけで、マイナスで暗い世界が少しずつ明るくなっていく、素晴らしい。自分の短所と言われる部分がきっと武器になるんだろうなと、願いたい。
以下抜粋
さまざまな偏りのある能力と性格をもったあなたであり、わたしである。その意味では人間は誰もが奇妙な存在だ。健康とか健常という言葉は、実はむ -
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学校で習った元素周期表(水平リーベぼくの船…)とか
理科室で実験した水分解とか
当たり前に習ったけど、それを発見するのにたくさんの科学者が
いろんな仮説たてて実験してめちゃくちゃ時間かけてたんだなあとしみじみ。
つぎつぎと解明されていく元素の事実を、科学にのめり込んだ少年の目線で読んでいると自然と自分も楽しくなってきます(難しくてよくわからないところも多々ありましたが)
新しいなにかが発見された当時の世間の反応が新鮮だったり怖いなと思ったり。
X線が発見された当時、見透かされることを恐れて鉛の下着が売られたり。
放射能の危険性がまだ十分に議論されておらず、放射能は治療効果があるといわれ、医師が