星野博美のレビュー一覧

  • 愚か者、中国をゆく

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    旅先の中国よりも、旅そのものに主眼が置かれていて、旅行中に変化する相棒との関係や、著者の「旅論」が語られる。

    『転がる香港~』以降、感傷的になっているが、相変わらず考察は深い。中国鉄道の硬座(二等座席)がこの世の地獄のように書かれているのが興味深い。87年当時のことなので、自分の知っている2010~2012年よりもずっとマナーが悪くて自由だったのだろう。怖いもの見たさに一度経験してみたかった気もする。

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    2022年07月01日
  • 戸越銀座でつかまえて

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    「銀座と戸越銀座だけが本物の銀座なのです」「本当かっ」(^-^) 星野博美 著「戸越銀座でつかまえて」、2017.1発行。同学年は小泉今日子、中森明菜、山本昌、古田敦也など。八百屋で「奥さん」と呼びかけられて怒り、道端で渡されかけたティッシュ(キャバクラ)を引っ込められて傷つき、自由とは何かを自問自答。40代、非婚、吉祥寺での一人暮らしをやめて、13歳のめす猫ゆきを連れて実家のある戸越銀座に帰った星野博美の放つエッセイ。若い頃に成功したとか、昔は幸せだったとか、老後には何も意味はない。大事なのは現在。

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    2020年07月02日
  • 銭湯の女神

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    もう20年くらい前のエッセイなんだけど、ここで書いてある世のなか……というか現代日本への違和感とかとても共感できる。常識ばかりがはびこって良識が通じなくなっている。そういう世のなかで生きていくのってつらい。

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    2020年02月15日
  • 愚か者、中国をゆく

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    香港に留学中の日本人が中国を旅行した時の話
    天安門事件の前なので、今と時代は違うが、変わりゆく中国、巨大な中国、中国における外国人などが当時の目線でリアルに表現されている

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    2019年08月31日
  • 銭湯の女神

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    これは良いエッセイでしたねぇ…香港の熱気が文面から漂って来るやうです…。

    初めて読んだ作家さんですけれども、これは他のも読んでみたくなりましたね!! それくらいこの本にはエネルギーがあるというか…香港という場所にはこれまで全く興味・関心はありませんでしたけれども、本書を読んでこう…行ってみたくなりました!! けれども帰るのめんどそうだなぁ…(!) 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    香港に長らく滞在していた著者だからこそ、現代日本における違和感とかね…そういうのに敏感になれるんだと思います!!

    まあ、そんなわけで久しぶりにイイ本でしたよ、ええ…さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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    2015年07月28日
  • 転がる香港に苔は生えない

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    返還前の香港には行ったことがある。返還後の香港は行ったことがない。そんな私の感想としては、600ページは長かった、です。読み終わってしばらくたっているせいか、つまらないわけではないのですが、取り立ててコメントするものも思い出せない。

    ただ、この本を書くのに手間暇がとてもかかっていることはわかる。

    払ってもいい金額:1,000円

    著者の考え方のルーツがわかるような気もするが、そこにはあまり興味がなかったので、謝謝!チャイニーズのほうが好みかな。

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    2015年05月10日
  • コンニャク屋漂流記

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    この本は何で知ったんだったかなあ。
    中江有里さんのエッセイかな?
    かなり前に買って読んではいたんだけど、他に読みたい本が出てくるとついつい後回しになった一冊です。

    最初の辺りはおもしろかったんだけど、途中から自分の気持ちがダレてきました……。
    なんでだろ? なぜか、著者のことが好きになれない。
    たった一冊読んだだけで判断するのもよくないけど。

    自分のルーツが知りたい、という思いはとてもわかります。
    私も知りたいから。
    母方の曽祖父は淡路島から北海道へ渡ってきたと聞いたことがあります。
    北海道では庫富というところに住んだんだけど、それは兵庫と富山から来た人が多かったからだ、ということだそうで

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    2015年01月31日
  • のりたまと煙突

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    簡潔な文体がいいな、と思った。
    自分は作者ほど豊かな感性を持ち合わせていないと知った。
    動物とのスタンスは、かなり異なる。
    そして私は米国より英国贔屓、ネズミの国のキャラクターにはまるで心がときめかないのであった。

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    2014年08月30日
  • コンニャク屋漂流記

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    祖父が残した手記を元に一族の祖先、ルーツを探って房総半島、紀州を廻る。
    一族の祖先を遡りながら、その時代時代を必死に生きてきた一族の記憶とともに、時代の雰囲気と漁師のおかれた立場なども明らかになっていく。

    著者が持つ一族に対する深い親愛の情とバイタリティに引き込まれ、この本を読み進ませてくれる。

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    2014年03月30日
  • 謝々! チャイニーズ

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     単行本は1996年発行。ベトナム国境から上海までの旅行記である。改革開放に沸く中国を、長距離バスを乗り継いで北上する。16年前の中国なので状況に変化は感じる。日本の経済力が年々疲弊している昨今、日本へ違法な方法で入国することなど無くなっているのではないだろうか。それほど、今の中国の成長は目覚しいのだ。今年、香港旅行で見たブランド店前の行列は、中国本土の人たちだった。過去の日本人の勢いはない。貧困差が拡大し、心の貧しさが広がると、この本に書かれている中国人の人情も希薄になってしまう。悲しいことだが日本を見るとうなずくしかない。

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    2012年09月08日
  • 愚か者、中国をゆく

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    硬座、どれほどのものなのか思わず体験してみたくなる。
    一緒に旅をするとその人の本当の姿が見えてくるとはよく言うが、典型的な例かなと思った。

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    2012年08月19日
  • 謝々! チャイニーズ

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    旅は好きだし旅本もよく読むが、現地の人から見れば幻想と思い入れの入り混じった感傷に過ぎまい。人生が変わるとまで思った藤原信也『印度放浪』もインド人が読めば笑止であろう。でもそれで良い。旅は検証ではない。通り過ぎる者だけが持ち得る思いもある。「私は中国に恋していた~」で始まる本作は韓国に恋していた当時を思い出させてくれる。見知らぬ国に恋するには若千の無知・無謀と充分な気力が必要である。だから、瑞々しい旅の記を読む度に~旅に疲れた自分に悔悟の念を抱きつつ~惹かれるのだと思う。もう一度、遠く旅立つ勇気がほしい。

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    2012年05月31日
  • のりたまと煙突

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    この人のエッセイ、割と好きです。これは、彼女と猫たちとの関わりを主軸にしたエッセイ。
    この本の解説をしている角田光代氏もだけど、星野氏も自分と近い世代なので、なんとなく目線が似ているというか、似ているからこそ異なる部分が際だって、その人の持つ感覚がとても気になる、そんな気持ちにさせられるエッセイ。

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    2012年02月16日
  • のりたまと煙突

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    ネタバレ

    表紙の猫の写真が気になって手をとってみた。
    読んでみて彼女の世界と対面する。
    そこには猫はもちろん彼女の家族、そして香港でのエピソードや日常生活でふと思ったことが12章にわかれて描かれていた。 

    この本を読んで一番に感じたのは、彼女の周りにはあまりにも死にあふれていると。
    …いや、実は気が付いていないだけで誰の周りにもあふれているんだろう。
    彼女の独特な死に対しての考え方や周りの人たちとの環境でそれが目立っているだけ…涙を流すような死ではなく、淡々と(本人はそんな気は無いのかもしれないが)描かれていることが、余計に死が身近なことなんだと印象づける。
    それに猫や家族に対する愛情はかなり感じる。

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    2013年05月01日
  • 愚か者、中国をゆく

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    香港を抜けて広州、鄭州、西安、敦煌、ウルムチの旅程を、著者が21歳の時にアメリカ人の相棒と共に汽車で巡った回想日記。

    時代は80年代。当時の中国では切符販売がオンライン化していないので各駅が適当にばら売りしているという状況で、待てど並べど硬臥の切符が手に入らないが、その駅の窓口に切符が無くても満席とは限らない。そこで硬座の切符を買って乗車してから空いている硬臥を押さえるという裏技に成功したり、失敗したり。
    中国人の多さ。駅ではこれが圧倒的に感じられると書かれている。それは今も昔も変わらないんだなあとしみじみする。
    敦煌に至って期待したほど感動出来ない戸惑いが、そこが非日常に長く身を置いた旅の

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    2010年08月16日
  • 謝々! チャイニーズ

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    「転がる香港に苔は生えない」の著者のデビュー作。
    こちらは中国大陸部の旅行記になるのだが、
    「転がる香港に苔は生えない」を先に読んでしまっていたので
    若干物足りなかった。
    中国好きの人にとっては、やはり血が騒ぐ一冊だといえると思う。

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    2010年05月05日
  • のりたまと煙突

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    猫と作者との関わり合いが、絶妙なタッチで書かれています。
    女性にしてはベタベタしていない文章が私好み。

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    2009年10月04日
  • 謝々! チャイニーズ

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    女性版「深夜特急」という感じ。
    中国の海側を北上していく旅のエッセイ。
    現地の人の懐に深く入り込めるのは凄いと思いました。

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    2009年10月04日
  • 愚か者、中国をゆく

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    劣悪な中国の列車の切符をとるためだけに奔走しているさまは、旅行記とは少し違うようなきがするけれど、
    その当時の中国の様子を思い浮かべることができて、大変おもしろかった。
    読んでいて疑問だったのは、マイケルとの関係だった。恋人だったら恋人とはっきり言えばいいのにな〜、と。
    恋人との甘い旅行記を望んでいるわけではないが、その上での葛藤とか、世界観の違いとか、書いてくれればいいのになと。あと、旅行後そして今に至るまでの中国に対する深い分析がほしかった。

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    2009年10月07日
  • 愚か者、中国をゆく

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    茶屋町Book1stにて何となく。中国について知識がなかったため楽しく読めた。留学時の特殊な環境・学生たちの態度等は自分の経験とも重なる。いつの間にか切符第一になってしまったという記述に、ヲタ活動における「並び」の「楽しさ」を思い起こす。社会主義と中国の国民性について興味を引かれる。更に何か読みたい。080531

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    2009年10月04日