あらすじ
40代、非婚。「自由」に生きることに疲れ、一人暮らしをやめて戻ったのは実家のある戸越銀座だった。老いゆく両親や愛猫2匹、近所のお年寄りとの日々で見つける新たな生き方とは? "旅する作家"が旅せず綴る珠玉のエッセイ。《解説・平松洋子》
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Posted by ブクログ
サリンジャー風のタイトル。2008年から09年に「週刊朝日」連載。戸越銀座近辺の今昔を語るエッセイだったが、単行本&文庫では大幅に書き改められ、ルポライターの地金が顔を覗かせている。
自由を求めて戸越銀座を去るが、20年後、訳あって舞い戻る。かつて暮らしたその場所で、意外にも自分の生き方や考え方が変わってゆく。
個人的には、共感できるエピソードがいくつも登場した。たとえば、かつてはよくあった私鉄(東急池上線)のストライキ。そうだったよね、線路をどこまでも歩けたもん、日常にはなかった空間がそこに広がっていた。スタンドバイミーみたいに。たとえば、初めて出席した女子高の同窓会(たぶん立教女学院)。ほとんどはハイソでセレブな奥様がた。話題は子どもの教育。自分は独身、着ていたのは普段着、しかも履いていたのは安全靴。……ああ、よくわかる。
Posted by ブクログ
人と違う道を選ぶことは、多くの人が考えなくてもいい「なぜ?」や「どうして?」と深く長く付き合っていくことでもある。
そしてその問いへのヒントは、意外にも近くて狭い範囲にあったりする。わたしも生き方に迷ったときは、自分の「戸越銀座」へ目を向けてみようと思った。
Posted by ブクログ
今まで読んだ女性エッセイの中で、特に面白かった。
同じアラフォーとして、40代独身女性ってなんか寂しいのかなとか思っていたけど、そんなこともなく。なかなか目的どおりに用事を済ませられなかったり、そうかと思えば震災の時の冷静な視点など、ハッとさせられる鋭い記載があったり。
色んなところを見てきたからこそ、わかることがある。いつかふわりと着地するなら、今もっと沢山のモノをみて、身の回りくらいは把握して歩こうと思った。
Posted by ブクログ
星野さんの文は、オムニバス形式のエッセイ本で何度か読んでいて、どれも面白かったので今回、きちんと一冊のエッセイ本を手に取りました。
戸越銀座という街を、面白おかしく書いているだけではなく、時にシュールに少し哀愁漂う感じに描かれていて良かった。 社会から、世間から自分のいる環境を、流されずじっと留まりながら見つめている。焦らずに。
この本に出会えて良かった。 行き詰まった時に何度でも読み返したいです。 声を出して笑ってしまうくらい可笑しいエピソードも多々あり!
こんな方だった?
と心配になる日常や考え方が綴られたりしてもいますが
総じて、この方の考え方や物の見方はおもしろい。
本書連載中に発刊された、2冊を次は拝読致します
もう読みたくないって思えないのが魅力。