星野博美のレビュー一覧
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まだ途中ですが。
エッセイはこの人、っていうほど全部読んでるし、他の人はあまり読まない。
音楽と西洋と歴史と。ちょっと現実逃避できる楽しい内容。著者は日本人の西洋かぶれみたいなものに非常に手厳しいけれど、対極にあるものって憧れるものなのだ。特に小学校の音楽室の音楽家のポスターやクラシック音楽重視という音楽教育への批判があるが、ああいう教育があったから、多くの日本人が広く音楽を知り、楽しめることができると思う。最近は音楽の授業に和楽器もよく導入されるし、部活動でお琴なんていうのも結構アリなのに。
各章のタイトルが曲の題名なので、すぐに検索して音楽も楽しめる。
ありがとう、YouTube。 -
Posted by ブクログ
一念発起して、中年の筆者、星野さんが長崎の離島で車の免許合宿にいったエッセイ。
私は島ののんびりのとした雰囲気が好きなので、島旅を擬似体験できて楽しかった。だいたい想像どおりの展開というのも、それはそれで安心感。何より星野さんのキャラがいい感じ。不器用でマジメ、というのはそれだけで物語が成立するなあと。
島での出来事も良かったけど、後半の星野家のストーリー、文庫本あとがきが個人的にはなんだかじんわりココロに染みました。星野さんは異文化に興味がある旅好きのようですが、「車」という異文化に触れることで、「父」という異文化にも順応していったんですね。 -
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〇あなたの生活の快適さを保証するために、あなたが眠っている間に働いている人たちが社会にはたくさんいるのだ。
☆だから、人のことをとやかく言うもんじゃないなあと思う。そうなると、どうも無口になってしまう。なんも言わないのが一番いいような気がして。
〇100円の健康青竹を踏むことは、幼い頃の自分自身の記憶を踏みにじることだった。
☆その商品の裏にいる人たちのことを考えてみると、100均の商品が不気味に思えてくる。298円のパイナップルでさえ、え、外国からきてこの値段なのかと思うけど、本当に元の元の人の所にはいくら入っているんだろうか。
〇日本とて、もともとは多民族の寄せ集まりだった。
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ネタバレコンニャク屋さんの話じゃなかった!
という、いきなりのタイトル詐欺をぶち込んでくるわけだが、それはそれとして面白かった。
とりあえず出てくる人みんな、語尾が「だお」なのが可愛かった。おっさんからおばあちゃんまでみんなだお。
自分も最近急にルーツを気にしだしたというのもあるし、半分実家である和歌山も話題に出てくるし、なかなか他人事とは思えない内容だった。
しかし、自分みたいな行きあたりばったりとは違って、ちゃんと調べる人はちゃんと調べるんだな… 江戸時代の文書まで調べないとそりゃ出てこないかぁ… 自分には無理だな、と思ったりも。
でもやっぱりコンニャク屋さんの話を読みたかったんだよ僕は。 -
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10年くらい前の本ですけれども、割と楽しめましたね…著者の文章がイイからか、中国の情景まで浮かんでくるよう…けれども、今の中国はもっと都会化しているでしょうねぇ…10年前に出版された本の上、1980年代に旅行したことをここには書いているんですから…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
中国人…主張の激しい人たち、というイメージですけれども、現代だとそれほど? 熱い人達ではなくなっているんでしょうか…なんか著者が中国の、現代の若者についてそのような感想を漏らしていたので…。
今の日本はスマホ中毒の、それこそゾンビみたいに無反応な人間が増えているきらいがありますが(!)、中国はまだ人が会話を -
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面白かったです! あの頃のこと……つまりは苦い教習所時代のことを思い出してしまいました(笑) 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
僕も著者同様、頭が「車を運転する」ための構造になっていないようで…基本的なことで何度も教官に注意され、挙句の果てには「お前は乗らない方がいい」とまで言われる始末……けれどもまあ、星野さんと同じように僕も免許、取れたんですけれどね。
星野さんと違うところは僕は免許取得後、一度しか乗っていないということ…もう運転できません…ので、もし乗るとなればペーパードライバー教習とか受けなくちゃならんですねぇ…。
最近、車に興味を持ちだしている僕ですけれども…そんな気分の -
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ノンフィクション作家の星野博美氏が、亡くなった祖父の手記を頼りに一族のルーツを探るという作品。
星野氏の祖父は東京で町工場を営んでいたが、もともとは千葉県岩和田の漁師の家系で、その屋号が「コンニャク屋」だったそうだ。そして今でも岩和田の親戚の家に伝わる言い伝えでは、およそ江戸時代の頃に紀州から移り住んだという事らしい。
手がかりを求め千葉の親戚を訪ね歩いたり、墓石に刻まれた名前や古い史料をもとに、実際に和歌山を訪れたりと、チョットずつ核心に迫って行く道程は非常に興味深い。しかもコンニャク屋のメンバー一人ひとりが個性的で面白く、まるで自分の親戚であるかのような親近感が沸いてしまった。
この -
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タイトルは日本の国歌「君が代」の歌詞のもじりから。
返還前後の香港で暮らした30代前半の日本人女性の、瑞々しいレポート。こんな文章書けたらいいのになぁと思う。
何が良いかって、彼女自身がしっかりと媒介になっている点がブレずに徹底している。人と人との生々しいコミュニケーションの軌跡、街の喧噪やごみの臭いがこちらに届きそうな描写、身を切るような筆者自身の自省を含め、すべてがストンと腑に落ちるように読めるのは、彼女の等身大レンズを通した街や人が丁寧に描かれているからだと思う。それも、留学を機に築かれた10年ものの関係を温め、そして新たな人々の出会いを追いながら、丹念に人の姿を追っていくやり方で