星野博美のレビュー一覧

  • 愚か者、中国をゆく

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    素晴らしい旅の記録である。時間をおいて、その後の中国の変化から、さらに気がついた事を掘り下げているのが素晴らしい。また、異文化コミュニケーションについて深く考えさせられる。

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    2022年07月31日
  • 世界は五反田から始まった

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    筆者の生まれ育った五反田の町工場の歴史から、庶民にとっての戦争を見つめ直す1冊。平和教育だけでなく「どう生き延びたのか」を語り継ぐ事の大切さが心に響く。満州開拓団に関する記述が哀しすぎた。

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    2022年07月19日
  • 戸越銀座でつかまえて

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    人と違う道を選ぶことは、多くの人が考えなくてもいい「なぜ?」や「どうして?」と深く長く付き合っていくことでもある。
    そしてその問いへのヒントは、意外にも近くて狭い範囲にあったりする。わたしも生き方に迷ったときは、自分の「戸越銀座」へ目を向けてみようと思った。

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    2022年06月19日
  • みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記

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    とても読み応えのある本だった。こういう体験ができるから、本を読むのはやめられない。
    参照された膨大な資料と著者の並々ならぬ行動力もさることながら、そこから導き出される考察が深く、読みながら何度も胸を打たれた。名もなき人々の声に耳を傾けることは、本人たちが亡くなった後からでも十分可能だし、また長く語り継がれていくべきことなのだ。

    大切なのは、忘れないこと。後ろめたい過去を「きれいな思い出」に書き換えないこと。「負の遺産」を美化せず受け止める心を多くの人が持つようになれば、過ちは繰り返されなくなると思う。

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    2022年05月30日
  • 転がる香港に苔は生えない

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    最高でした
    台湾の喧騒を思い出す、また行きたくなるけど、この本で思い出せそうな気がする
    何度でも読み返したい

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    2021年06月09日
  • 転がる香港に苔は生えない

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    あらゆる出来事や物に対する、星野さんの繊細で暖かく、時にハッとさせられる洞察力に感嘆。
    星野さんがその目を通じて見たもの、感じたことが、丁寧に丁寧に書かれています。

    正直、読んでいると香港の街はなんて生きづらく、香港人と接するのはとても苦労するな…なんて思うことはたくさん!笑
    でもそれと同じくらい、魅力に溢れる場所であり、力みなぎる人々なんだと思わせてくれる。それはひとえに、星野さんの力でもあります。

    面白かった!他の作品も読みたい!

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    2021年06月05日
  • 転がる香港に苔は生えない

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    勤める業界のOBが勧めていて手に取った。

    4ページ目で、筆者が香港の返還を北極星に例える描写がロマンティックで、それなのに華美ではなくて、この本は絶対に面白い、素晴らしい本を手に取った、と確信した。

    実際に、うんざりしつつもどうしようもなく香港に惹かれている筆者による香港の喧騒の描写が素晴らしかった。香港の様子がありありと思い浮かんだ。

    この本に出てくるエリートや密航者、街の飲食店に勤める人々はいまどうしているだろうかと思わずにはいられない。いまどこで過ごし、いまの香港の現状をどんな風に受け止めているんだろう。

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    2021年04月01日
  • 転がる香港に苔は生えない

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    香港返還時期に立ち会った生き証人。生々しく生きる人々から学んだ香港の光と陰。著者は「日本はいい国だ」という言葉の意味は、自分たちが無防備でいられることだという。単一のほうが楽だから、楽な方向に向かおうとし、異物を排除しようとする。


    「今我々に必要なのは誇りではなく、多様性だと私は思う」

    今から16年以上前に著者が感じたことだ。そして現在、我々はその時から変わっているのであろうか。世界を震撼させ続けている疫病を理由に再び楽な単一を選ぼうとしているのではないだろうか。 

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    2021年03月19日
  • 戸越銀座でつかまえて

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    今まで読んだ女性エッセイの中で、特に面白かった。
    同じアラフォーとして、40代独身女性ってなんか寂しいのかなとか思っていたけど、そんなこともなく。なかなか目的どおりに用事を済ませられなかったり、そうかと思えば震災の時の冷静な視点など、ハッとさせられる鋭い記載があったり。
    色んなところを見てきたからこそ、わかることがある。いつかふわりと着地するなら、今もっと沢山のモノをみて、身の回りくらいは把握して歩こうと思った。

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    2021年03月07日
  • 旅ごころはリュートに乗って

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    星野さんの著作はハズレがない。今作、途中の章はYouTube再生可能な環境で実際にCantigaを聴きながら(ありがたいことに細密画も再生される!)読み進めた。聴くと洋画のBGMで聴いたことがあるような?と感じるものが多いことに気が付く。キリスト教徒の方たちにはある程度親しまれているものなのだろうか、と思いを馳せる。そこから禁教下の日本の信徒の心情まで、後半は辛くもグッとくる。
    楽器からここまで広がる(掘っていける)のが素晴らしい。「みんな彗星を見ていた」とセットで読み返したい一冊。

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    2021年02月25日
  • 謝々! チャイニーズ

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    転がる香港に苔ははえない よりも好き。これを詠んでからは、中国 華南方面へ行った際には常に本の内容の何処かが浮かんでくるし、読んでいると過去に訪れた地域の風景が思い出される。
    中国、また行ける日は来るのかな。

    著者は香港留学経験はあるので広東語なら出来るだろうが、マンダリンは独学なのかな。筆談するにも本土は簡体字だから、そう簡単にはいかないだろうし。

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    2020年07月05日
  • 転がる香港に苔は生えない

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    ネタバレ

    香港返還の瞬間に立ち会うため、返還の前後2年間現地で過ごした筆者による記録。

    政治的、経済的に不安定な中でもたくましく生きる香港の市井の人々の人生が、筆者との交流を通して瑞々しく時に生々しく描かれている。

    現在の、この不安定な日々の中、勇気をもらえた作品。長編が苦手だが、読みやすい文章&電子書籍だったおかげで、どんどん読めた。

    「すべてのものは変わってゆく。永遠に変わらないものなど何一つない。予期しない変化を嘆いたところでどうしようもない。ただその中で自分が生き残ることだけを考えて前に進む。」

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    2020年04月12日
  • みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記

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    天上遣欧使節の少年たちについての本かと思ったらもっと広い視野の本だった。家康のキリスト教への態度の変遷がとても腑に落ちた。

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    2019年11月22日
  • 謝々! チャイニーズ

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    米原万里さんの著書から興味を持って読んだ。
    当時の中国で著者が出会った人たちの描写と著者の心の動きが飾らない表現で描き出されていて引き込まれた。引き込まれつつ今の中国が知りたいと強く思いながら読んだ本。

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    2019年10月07日
  • みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記

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    1600年代前半のキリシタン弾圧についてのノンフィクション。対象へのアプローチの仕方が、なんというかファンっぽくてよい。例えば、天正遣欧使節団がリュートを引いたので自分もリュートを習うとか。ドニー・イェンにはまったぼくの友だちが、詠春拳を習おうとしているんだが、それに近いぞ。対象を自分にひきつけて、身体や感情ごと捉えているんだよね。

    著者が調査を進めていく中で、調査対象の人物や土地の歴史と感情が同調するさまがとても魅力的だ。解説ではこの本について「キリシタンを巡る感情の歴史を書いた本」というような記述があった。これは、見事な指摘だ。ファン的なアプローチだからこそ、できたのだと思う。最近、専門

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    2019年09月10日
  • みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記

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    約400年前の日本で起きたキリスト教への弾圧と殉教者をテーマとした作品。殉教者とはすなわち信仰を守るために命を落とした人々の事である。

    日本へ最初にキリスト教が伝わったのは1549年、その中心的人物といえばあの有名なフランシスコ・ザビエルだ。ザビエルが所属するイエズス会の戦略もあり、大名などの上流階級を取り込みながらキリスト教は急速に信者を増やしていった。

    当初は時の為政者も、キリスト教と一緒に伝わる西洋の文化や情報を重宝していたのだが、死をも恐れぬキリスト教徒たちの強い信仰心に危機感を抱きはじめ、やがては禁教令や残忍な宗教弾圧に発展。当時国内にいた約30万~40万人といわれる信者は、無情

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    2019年02月09日
  • 戸越銀座でつかまえて

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    星野さんの文は、オムニバス形式のエッセイ本で何度か読んでいて、どれも面白かったので今回、きちんと一冊のエッセイ本を手に取りました。
    戸越銀座という街を、面白おかしく書いているだけではなく、時にシュールに少し哀愁漂う感じに描かれていて良かった。 社会から、世間から自分のいる環境を、流されずじっと留まりながら見つめている。焦らずに。
    この本に出会えて良かった。 行き詰まった時に何度でも読み返したいです。 声を出して笑ってしまうくらい可笑しいエピソードも多々あり!

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    2018年10月26日
  • 転がる香港に苔は生えない

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    1997年にイギリスから中国へ返還された香港で、返還前後の約2年間を現地で生活したノンフィクション作家、星野博美氏の著書。最初の1年は就学ビザのため語学学校へ通い、2年目からは1か月間の観光ビザを取得するために入出国を繰り返すという、実に気合いの入った生活ぶりである。

    ちょうど歴史的転換点を迎えた香港の様子を描いているのだが、政治的な話はほとんど登場しない。一緒に語学学校へ通うシスターや、大学時代に留学していた中文大学のエリート同級生、借りたアパートの近所の人々とのエピソードを通じて、街の喧騒や匂いが存分に伝わる内容となっている。

    大陸との関係や移民問題、密輸や密入国者が多い事、不自由な住

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    2018年08月24日
  • 転がる香港に苔は生えない

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    昔から香港という土地に不思議と興味をひかれていて、香港に関わる書籍を読もうと思ってまず手に取ったのがこの本。
    読んで本当に良かった。
    リアルな香港が作者目線で瑞瑞しく書かれていて、香港という場所がどういうところか、よくわかった。
    香港へ旅行することになったときに読み返したけど、旅行でも役に立つことが多くあったし、本当、読んで良かった本。

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    2017年06月17日
  • 転がる香港に苔は生えない

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    香港返還が、現地ではどのように感じられていたのか。
    物事は、どちら側から見るかで変わってしまうのだと、当然の事を思う。

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    2016年04月30日