星野博美のレビュー一覧
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こんな方だった?
と心配になる日常や考え方が綴られたりしてもいますが
総じて、この方の考え方や物の見方はおもしろい。
本書連載中に発刊された、2冊を次は拝読致します
もう読みたくないって思えないのが魅力。 -
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星野博美(1966年~)氏は、東京都生まれ、国際基督教大学教養学部卒、会社勤務を経て、写真家・橋口譲二氏のアシスタントを務めた後、1994年に独立してフリーの写真家・作家となる。1997年7月の香港の中国への返還を挟んで、1996年8月~1998年10月に香港に住み、そこに暮らす人々を描いた『転がる香港に苔は生えない』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。その他、読売文学賞随筆・紀行賞、大佛次郎賞等の受賞実績あり。
本書は、上記の2年間の香港滞在から帰国した直後に書かれたエッセイ39篇をまとめ、2001年に出版、2003年に文庫化された。
著者は本書を記した背景をについて、まえがきで、「香港で何 -
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星野博美(1966年~)氏は、国際基督教大学教養学部卒、会社勤務を経て、写真家・橋口譲二氏のアシスタントとなり、1994年に独立しフリーの写真家・作家となる。本書『転がる香港に苔は生えない』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したほか、読売文学賞随筆・紀行賞、大佛次郎賞等の受賞実績あり。
本書は、大学在学中に一年間、香港中文大学への留学経験のある著者が、1997年7月1日の香港の中国への返還を挟んで、1996年8月から1998年10月まで約2年間香港に住み、そこに暮らす人々を描いたノンフィクションである。2000年出版、2006年文庫化。
私はノンフィクション物を好んで読み、しばしば新古書店で過 -
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ネタバレ五反田に2年住んでいたので、単純にタイトルが気になって全く期待せずに読んで見た。
お、おもしろーい!
知ってる場所の知らないことのオンパレード。FRIDAYの場所は知ってるけどそこに映画館があったことは知らかった。駅前の歓楽街は知ってるけど、町工場が沢山あるからというのは知らなかった〜。駅前の歓楽街と隣山の高級住宅地(池田山)の配置ずっと気になっていたんよね〜
あと、五反田の土地の低さ、めっちゃ分かる!魅力屋(ラーメン屋)らへんだとめちゃくちゃ感じる。
めちゃくちゃ個人的な五反田史と思いきや、途中から始まる戦争の話めちゃくちゃ興味深かった。武蔵小山から満州に渡った人々のしたこととたどった運 -
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題名からして、おふざけの部分の多い本なのかと思ったら、大間違い。極めて、真面目な、真摯な内容で感服した。ご自身のルーツをたどりながら、五反田にまつわる社会的歴史的な考察が盛りだくさん。九十九里の方からやって来た祖父が開いた町工場、それは大五反田という土地だった。
なぜ、五反田周辺に町工場が多いのか?戦時中に果たした軍需工場という役割。無産者(いわゆる生産手段を持たない、資本家に対しての労働者)の闘い。さらには、空襲、疎開、焼け野原と、戦争にまつわる話が続く。五反田は小林多喜二や宮本百合子、プロレタリア文学と言われる小説の舞台でもあったらしい。その視点がなかなか面白い。
本の中に出てくる立会川や -
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ゲンロン叢書 星野博美 「世界は五反田から始まった」
五反田の歴史や家族の歴史を通して生きようと模索した人々の声を取り上げた本。東京大空襲の中の祖父の言葉「生きて戻ったら、すぐに 自分の名前の杭を打てろ」は 生き抜く意思の強さを感じる
デビュー作「謝々!チャイニーズ」のような 個性の強い人は出てこないが、国のシステムの中に組み込まれず、生きようとする意思の強さは共通している
戦争に反対するだけでは生き抜くことにはならないとし、プロパガンダに呑み込まれず、権力者と距離を置き、孤立して生き延びることを見出している
「物書きというのは自分が見た世界を、あたかもそれが唯一の世 -
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文春文庫 星野博美 「謝謝!チャイニーズ」 30年前 (著者27〜28才)の旅行記。ベトナムから広州、福建省、寧波、上海へ北上
タイトルの意味は、中国の人たちの生きる姿や自由な精神を通して、生きる実感のヒントを得たことに対する感謝と解釈した
政体と関係なく、個人が自由に生きる中国の人々と 国家と法律のもと集団行動をとる日本人という論調。中国と個人の自由精神は結びつかないが、著者は 中国の人々の方が 自由に生きているように見ている
「国とは 人である。私は やはり人を見続けていく」という 著者の言葉は興味深い。他の本も読んでみたい
「食べることも〜自分の身を守ることも、自分を -
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千葉に白浜、勝浦の地名があって、紀州から房総へ流れてきた移住民が名付けたがゆえに、同じ地名があることは知ってはいた。しかし、漂流者がたどり着いたのかと思ってたら、そうではなかった。この本で初めて事実を知って、長年の疑問が氷解してありがたかった。。
時は17世紀ごろ、泉州、紀州、あたりは漁法先進地でかつ漁場は飽和状態で、房総へ季節出漁することが常態化していたという。中世末期から近世初めにかけて、農業で魚肥が本格的に使用されるようになり、その原料となる鰯を追って紀州の漁師は西へ東へと出漁していたのだ。当時、一単位が網元が漁師20-40人を引き連れて、それが複数の網が一団となって移動する、という組 -
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最初は何の本かわからなかった。
東浩紀のゲンロンカフェのメンバーの一人である著者が、
自分の実家のある五反田について書いている本、、、
おじいちゃん子だったということで、いろんな記憶がある。
さらに、癌を患った祖父が書き残した自伝もあずかっている。
記憶と自伝をもとに、五反田をめぐる旅、大河ドラマが始まる、
というところだろうか。
五反田、、大五反田と称しているが、
白金も含むそうだ。
白金、、、高校時代からの友が住んでいた。近所ってことか。
たびたび出てくる「清正公」という地名がそれを感じさせる。
記憶がある。
妹が著者と同い歳。なんだか親近感がわく。
話は五反 -
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五反田の近く、戸越銀座で育った著者。
実家は祖父の代から続く町工場である。
本書はその祖父の半生を中心に五反田界隈の街の変遷や戦時中の出来事などが書かれている。
戦争と言って思い起こすのは、原爆であるが、市井の人々は空襲という恐怖も味わっていたのである。
本書を読んで改めて身に染みた。というのも、私自身過去に五反田の近くに住んでおり、本書に出てくる地名に馴染みがあったから、街の風景を思い出しながら読むことができたからだ。
馴染みのある地名が出てくると、俄然身近に感じる。
あのあたりも関東大空襲で焼けたのだそうだ。
今でも残る五反田独特の雰囲気や、その周辺の下町の様子を思い浮かべ、当時の人の営み -
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とてもインパクトのある、しかし、ややふざけた感じの「世界は五反田から始まった」という題名。中身は星野家の家族三代と、彼らが住んだ五反田という土地についての物語だった。
外房から上京し、五反田近辺に工場を持った星野博美の祖父は、亡くなる前に手記を残した。星野博美は、それをベースに、更に調査を加え、五反田に住みついた星野家の物語を書いている。クライマックスは、終戦の年の、五反田周辺も巻き込まれた、米軍による東京・城南地区への空襲であるが、五反田近辺の大正、あるいは、戦前からの歴史も交えて、面白い物語となっている。たしかに、星野博美にとって、世界は五反田から始まっているのだ。
私の祖父も自伝を残し -
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明治36年生まれの祖父が大正5年に芝白金三光町の町工場で働き始め、戸越銀座で住居と工場を構え、昭和49年に自宅で71年の生涯を閉じた。五反田を中間地点とする東京生活の起点と終点に当たる。
筆者は私より若いが、祖父母、父母の生きた時代が重なり、五反田、武蔵小山、NTT病院、中島飛行機の武蔵野製作所、ICU大学・・・知り合いの住んでいる場所や行ったことがある場所が重なり、とてもリアルに読める。スペイン風邪、満州開拓団、小林多喜二、東京大空襲など、昔の話ではなく、ついこの間のことだったのだと感じられる。「焼け残ったら戻ってきて杭を打て」との言い伝え。戦争の記録は重いが、生き残る知恵が詰まっていると思 -
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読み進むにつれ、どんどんひきこまれていった。自分の生まれ育った土地から、両親祖父母の人生の軌跡から、世界を再認識する。こんなことができるんだと目を見張る思いだった。自分のいる場所を歴史と地理の中に位置づけることを、「教養を身につける」と呼ぶならば、これはまさにその生き生きとした実践。説教臭さのない語り口で、読みやすいのも良い。
歴史の流れを俯瞰すると、ともすれば、大きな動きのなかで個人は翻弄されるばかりだと思いがちだ。特に第二次世界大戦時の日本の状況については、知るほどに絶望的な気持ちになる。しかし、著者は悲観と諦念に逃げ込まず、よく見ることでその経験から汲み取るべきものがあると考える。その -
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「転がる香港に〜」に続き、星野博美2作品目。
私の中の星野博美像がガラッと変わった。
素直で、実直、それは変わりない。
しかし、ここまで“出来ないキャラ”だったとは思わなかった。中年と呼ばれる年齢で新しいことを覚えることが大変なのはよくわかる。
しかし、そもそも挑戦する事実が素晴らしいのだと思う。
どれだけ運転ができなくても、わからないことは分からないときちんと伝える。言われたことは素直に従う。星野博美は実直にそれを行う。
こんなにも簡単なことが意外と出来ないものである。それは歳を増すほど難しい。
だからこそ、星野博美を素敵に感じる。
五島列島という特異な場所で、その島の特別な空気を吸いながら