本作において、壬生と宇治は著しく体格が大きく、目を引く服装の模様を纏っている。彼らは高校時代からの腐れ縁であり、また、周囲には謎の男も登場する。壬生に謎の男は、道徳心理学に基づき、人間の道徳レベルは三段階に分けられると語る。その三段階とは、まず第一に罪を避けるために道徳的に振る舞うこと、第二に法律やルールに従って道徳的に行動すること、そして第三に内心の良心に基づいて自ら判断し、道徳的に行動することである。
ほとんどの人々は、声の大きな者に耳を奪われ、思考停止しながら役割を果たし漠然と生きている。「ルールに従って一生懸命真面目に生きていれば報われる」などという考えは、現実にはない。なぜなら、ルールや法律を制定した側が有利になるようにできているからである。
「心の中にある自由は誰にも奪うことはできない。どんな状況下でも他者ではなく自分自身の軸で判断できる術を学ばなければ、人間としての本質を見失ってしまうことになる。」と謎の男はいう。
事件屋の有馬が現れ、「病院を譲れ」と恫喝してくる。さらに、穴を掘った画像が有馬から射場に送られる。半グレの壬生は、病院の射場事務局長と密談しながらほくそ笑んでいる。一方、射場に関する相談を受けているのが九条弁護士である。
病院から金を搾り取ろうと画策する顧問弁護士の相楽に対し、理事長の秘書である池尾は九条に弁護を依頼し、相楽に比べて九条を信頼できると述べる。相楽は、罪を被る代償として1億円を提示しており、これは白栖医院長の差金である。
検事は、「あなたが独自の判断で補助金の不正受給を仕組んだ」と白栖医院長が供述したと言及する。また、「なぜ醤油味のカップラーメンであり、弁当は鮭弁当なのか」と問うてくる。果たして、慎重さとは良いことなのか?と。そこで、秘書の池尾は完黙を貫き、その結果病院長も含めて不起訴となる。
九条は秘書の池尾に、「毒樹に毒果、不正が蔓延する会社からは信頼できるサービスは生まれない」と伝える。「企業倫理を徹底するならば、医院長を完全に断ち切るべきだ。白栖病院の経営モデルを変更し、医院長をスーパードクターである息子の技術者、白栖正孝にする必要がある」と続ける。
しかし、白栖正孝には医療過誤事件があり、その手術記録にはミスが記載されていなかった。医療ミスにどのように対応するか、事前合意は取っていたが、要するに相手が求めているのは「専門的で難解な説明でなく、人のために尽くしたと感じられるような言動」であると九条は指摘する。そして、ニュー白栖病院は再生の道を歩む。白栖正孝は手術を失敗すると泣いたり、延命治療を拒むタイプで、コミュニケーション能力が低い一方で真摯な医師である。
一方、白栖正孝の弟は美容病院で評判を得るような宣伝を行い、自由診療で利益を上げている。
沖縄旅行の際に、ホテルでマッサージを頼んだ結果、猥褻行為に遭う事件が発生する。九条弁護士にとっては、これもまたお茶の子さいさいであろう。
今後、物語はどのように展開していくのか。