岩明均のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この巻で、一気にものがたりは動きはじめます。
故郷に帰ったエウメネスは、少年期から青年期までを思い出し、古い知り合いに会ったり会えなかったりもしています。
一見クールなように見えるエウメネスですが、実の親ではないものの育ててくれた父や母、また家族のことなどを懐かしく思い、少しホロっとさせられます。
けれども、過去の因縁から、結局は故郷を逃げ出さなければならず、それが同時に新しい人生のスタートになったというのが、この5巻目。
ようやく本来のエウメネスの物語が始まったというところですね。
エウメネスについて気がつくのは、他人を羨んだり憎んだりということが無いらしい事。
また、先入観でものを -
ネタバレ 購入済み
本当に面白かったが…
作者が還暦を過ぎて手の痺れもある事からここから先は読めないかも知れない。
104話、まるで七夕の国であった様なSF的な終わり方で伏線を貼っていたものの、
アリストテレスが行なった事によって前王がどの様な変貌を遂げるのか読者が目にする事は出来ない可能性は高い。
それでも今巻最後のエウメナスの殺陣シーンは見事で、その後のエウリュディケとのやり取りも
感情を揺さぶられた。
”完結しないなら読まなくてもいいや”と思ってる方は是非他の作者の『寄生獣』や『七夕の国』を読んで
それでも読みたいかどうかを考え直して欲しい。私は読んで良かったと思った。 -
Posted by ブクログ
初期短編集の新装版。
寄生獣以前の漫画は読んだことがなかったのだけど手を出してみた。
キャラはどこかで見たような顔立ちが多い。いや順番から言えばここから寄生獣のあのキャラになったのだが。
こじつければほとんどのキャラが寄生獣に登場したと言えるかもしれない。
そんな邪推をし始めれば田村玲子も加奈もいる。
和田山はまんま後藤(事務所攻撃スタイル)だったなあとか、案外やっていることも同じかもだったりはちょっと笑った。
話はあまり笑えなかったが。
いや笑うべきなのだろうかこれは。
そんな感じで結論は読者側に振られるような話が多い。
結論の出し方一つで感想も変わりそう。
あの距離加速した物体とぶつかっ -
購入済み
激動
史実と創作の境界がわからないが、母たちの覚悟と強さ、エウメネスの心情に心を揺さぶられる。
それにしてもあの伏線がついに!?(まあ巻数でいうとまだ12巻だけども)。 -
Posted by ブクログ
顔の!情報量!何だこの台詞の少なさに反比例する情報量の多さは。最も重要なシーンの殆どに最低限の台詞が無い。ダイナミックなアクションシーンには台詞どころか音すらない。私の脳内のヒストリエにはBGMがない、終始無音の中の瞬きの時間の中にほんの僅かに動く目線(とその先に映る光景)と表情筋の機微に圧倒的な情報量が圧縮されている。岩明均の作品には僅か1コマで何の説明もなく登場人物達がまるで別人になった様に成る(その変貌もまた無言の表情で伝わる)、コマとコマの間の畳み込まれた次元が存在する様な異様な空間が在る。その畳み込まれた隙間までにはきっと私の様な素人には分からない高度な漫画的技法が織り込まれているの
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ネタバレ 購入済み
エウリュディケ…
初登場10年ぐらい前でしたっけ?
パフラゴニアを去ってからの唯一の拠り所といっていい存在だったので
読む側としても別れの喪失感は大きかったですし今回の結末も寂しいです
ただ王の妻として戦い生き抜いて最愛の男に抱かれて眠るのは
彼女にとって幸福だったと言えるのかもしれません