・感想とあらすじ
一冊の内容がてんこ盛りすぎてあらすじをまとめるのが困難すぎる。
メインは風師、水師、白話真仙の秘められた過去と確執の話。
展開のテンションの落差がすごすぎてどういう感情になっていいかわからない。
甘→辛→笑→甘→不信→笑→怪→辛→驚愕→甘→甘々→絶望→甘笑、みたいな感じだった。
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3人の確執があまりにも衝撃すぎて読んで3日経過した今も引き摺っている…。なんか単純に辛い…。
作者の作品は「地獄」「しんどすぎる」などが評判になっているのは知ってた。
魔道祖師はアニメを数話見たけど合わなくて離脱したんだけど、天官のこの展開があまりに「業」が深すぎて。
なるほどこういう事かと納得した。
いや水師が全て悪いんだけどさーそれにしても辛すぎた。
風師は人間の頃から付き纏われている白話真仙に再遭遇したためシエリェンに解決のための助力を願い出る。
シエリェン、花城、風師、地師はとある村を訪れる。
寒露前日、その村では不運によって身を滅ぼされ村人を大量虐殺した「賀書生」という傑物を祀る血社火という奇習がおこなわれていた。
その村で白話真仙と対峙するうちに風師は兄(水師)の犯した罪を知る。
その騒ぎの最中、水師は3度目の天刧と対峙する。
荒れ狂う海に取り残された漁師たちを助けるため、シエリェンと花城は水師がいる海域に向かう。
嵐に巻き込まれ気づいた時には4害の1人、黒水沈舟の縄張りに入り込んでいた…。
ラスト辺りの展開があまりに辛すぎるし、後半はもうぶっ続けで読む手を止められずに読み切ってしまった。
たまに「えっ…ちょっと待って…そんなん辛すぎん?」という感情になって一呼吸置いて先を読むということを繰り返してた。
水師の傲慢さと自分勝手さが全ての元凶なんでこいつに限ってはこの悲惨なラストもさもありなん、な心境。こいつに関しては同情も何もない。
だから「つらすぎる」っていうのは、賀玄の境遇と自分の兄が犯した罪、親友だと思ってた賀玄の真実を何も知らずにいた青玄の運命に対しての感情なのかな。
彼が何も知らなかったからこそ賀玄は何度もチャンスをあげてたんだけど、でもそれでもさ…
己のものではない他人から奪い取った幸運を数百年享受したツケがここに一気に収束してしまったんだろうか。
でも、それでも青玄は何も知らなかったんだよ…。
天界人間界の人気者、風師(青玄)を地師(賀書生(賀玄)=黒水沈船=白話真仙)はどういう心境で眺めていたんだろうか。
全て己から奪った命格で、何の苦労もなく幸せに輝かしい人生を送る青玄。
代わりに押し付けられた不運により自らの運命は狂わされ、家族は死に、恋人は奪われた上に凌辱の末殺され、それでも諦めずに奮起していたが結局最後には村人に騙され破滅した賀玄。
復讐と怨念のみで絶にまで上り詰めた賀玄の絶望と恨みの深さはとてもじゃないけど、「原作が辛すぎるから二時創作で幸せな2人を妄想しよう」とかでは消化できないレベルだった…。
一方では花城とシエリェンの距離が縮まってた。
この本がBLだと忘れかけるほどの展開の合間にちょいちょい2人のそういうシーンが挿入されててその落差すごかったw
続きが読みたすぎるーーーーと思ってちょっとネタバレ漁っちゃったよ。
翻訳はけっこう読みにくいし、正直翻訳物を読み慣れてる身からしたらみたら翻訳のレベルがちょっとお粗末に感じる。
直訳が悪いわけではないけど訳者が原作の魅力、意図を取りこぼさず、美しい表現を損なわないように日本語にするなんてとっても難しいだろうとは思う。
かといって意訳がすぎるのも…塩梅って難しい。
昨今、意訳レベルではない訳者の思想を勝手に盛り込んだりという問題もあるし。
だけどそれでもストーリーの質が高いので読む手が止まらない!!
原文で楽しめたら1番なんだろうけど、それでも他国のこんなに素晴らしい作品を日本語で読める事、全てに感謝せねば。
続刊早く!!!そしてアニメの天官をまた見よう(好きすぎて1期なんて20回は観てるかも。今見たらまた違う感想が浮かぶんだろうな)