羽生飛鳥のレビュー一覧
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鎌倉時代、かつて名うての盗賊であった小殿は穏やかな隠居生活を送っていた。そこに訪れる様々な人たちに小殿が語るかつての悪行と、それにまつわる不可解な謎解き。読みやすくしかし読みごたえもある連作歴史ミステリです。
謎解きの魅力はもちろん、小殿の話を聞きに来る歴史的有名人たちのキャラクターも面白いです。特に上皇さまのお茶目さがツボでした。そして「明けの明星」もまたきっと有名な誰かなのだろう、と思っていたら……!
お気に入りは「?倒」。かつて救われた少女に恩を返すため、正倉院に盗みに入った小殿。そこで出くわした殺人事件の謎を描いた本作ですが、しかしその後明かされた別の謎が何とも切なくて印象的でした。
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Posted by ブクログ
京から福原へ遷都を強行した時期の平清盛邸で起きた怪事件。平家にとって不吉な夢を見たと喧伝していた青侍が逃げ込んだはずの清盛邸から姿を消し、翌日雪の中屍で発見される。同日清盛の寝所から平家を守護する小長刀が消え、物の怪騒ぎが起き、更に事件が続く。源頼朝との内通を疑われる四面楚歌の状態で平頼盛は全ての事件の謎に挑む。清盛の息子の宗盛・知盛・重衡三兄弟との推理対決が面白いし、この時代背景を活かしたトリックも秀逸。読み返せばちゃんと提示してあるし。平安貴族の生活事情もしっかり語られていて興味深い。寝殿造りの構造が良く判らなかったのでネットで調べながら読み進めた。ネット万歳。最後の清盛vs頼盛のタイトル
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Posted by ブクログ
ネタバレまさかの第二巻。大歓喜。
【子供が被害に遭います 苦手な方はご注意を!】
長編です。
舞台は清盛が福原(神戸)に無理矢理遷都したところから始まります。
平氏と源氏の戦いが始まった直後で、平家への求心力が試されるなか、「平家は天下人としてふさわしくないので、伝家の宝刀は神が取り返しにやってくる」という夢を見た若い侍はそれを言いふらします。
侍に激怒した清盛は頼盛に身柄を捉えるように命じます。
ギリギリまで追い詰めるも、逃げ込まれたのはなんと清盛の屋敷で…というお話。
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平安時代の慣習が大きなネックになってる今回の作品。
安定の面白さでした。