羽生飛鳥のレビュー一覧

  • 揺籃の都

    Posted by ブクログ

    (Ⅰ)平家物語をある程度知っている方がキャラや、この物語の歴史上での位置づけがイメージしやすく、より楽しめるとは思うけど、まったく知らなくてもたぶん大丈夫。ミステリとしてもかなり凝ってます。個人的にはここ数年、たまたま平家物語関係に親しく接していたのでよかったです。(Ⅱ)前巻で完結かと思われたけど年代を遡って今回も頼盛が探偵役でかつ長編。清盛の息子たち宗盛、知盛、重衡らも活躍(捜査妨害?)。ほとんどが福原にある清盛屋敷でのできごと。化鳥。小長刀盗難。青侍殺害。神の顕現。厳島神社の小内侍襲撃。猿の福丸殺害。単独犯なのか? 犯人の目的は?(Ⅲ)選択は悪くなかったのに方法が清盛らしからぬ杜撰さで、以

    0
    2024年03月15日
  • 揺籃の都

    Posted by ブクログ

    前作「蝶として死す」が見事な平家物語の連作ミステリーでしたが、それに続く頼盛を主人公とした第二弾の本作は長編! 平家一門の福原遷都の頃を舞台に、清盛の館で起こる怪事件の謎を平頼盛が調査にのりだすが――

    あの時代の文化風俗を描きつつ、丁寧なネタのちりばめ方と清盛の息子達との駆け引き、さらには推理合戦と盛りだくさんで密度の濃い一冊でした。

    0
    2023年07月03日
  • 揺籃の都

    Posted by ブクログ

    これは平安貴族を題材にしてるだけで平家である設定が生きてないなと思ってたら、最後に表題の意味も含めて意味をもたらした。
    それでも前作で綺麗に片付いていたので新たに清盛との時代に戻して長編にするよりは、前作で終わっていて良かったと思う。
    ミステリ的には無理がある部分もあり納得はしにくい。雅な世界観と雰囲気はよく描かれていると思った。

    0
    2023年01月15日
  • 揺籃の都

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     よく出来たミステリーになっている。ただ、最後の文の件は、文面無しの方が謎めいて楽しかったのでは。

     正直、この頼盛という人物に興味がある。
     「頼」盛という名前自体が偶然なのかと思わせるくらいに。
     できれば、彼の人生のこの後の時期についても、作品化してほしい。彼が登場する小説自体が、ほとんどないから。
     

    0
    2022年09月29日
  • 揺籃の都

    Posted by ブクログ

    福原遷都を舞台に、清盛邸で起きた事件の解決にのぞむ頼盛。

    この時代に明るくないため、前回の短編集と違い少し読み進めるのが大変でした。今回は身内だけれども微妙な関係の棟梁清盛家ということで、動きにくい中、最後は丁寧に回収していました。

    小さな伏線の積み重ねのため、ついつい戻ってしまうこともありましたが、面白い内容です。

    0
    2022年09月09日
  • 揺籃の都

    Posted by ブクログ

    「蝶として死す」に続く平家一門のミステリー。
    異母兄・清盛やその息子たちから疑いや嘲笑を向けられても、扇で口元を隠して優雅にかわす頼盛。腹芸がすごいし謎解きも面白かったです。

    0
    2022年08月11日
  • 揺籃の都

    Posted by ブクログ

    「蝶として死す」から11年、福原遷都と富士川の戦い大敗で揺れ動く清盛一門で起きた事件に異母弟・頼盛が再び挑む。

    平家一門にとって不吉と思われる夢を見た青侍(身分が低い若侍)が逃亡、清盛から捕縛を命じられた頼盛。家人の報告で青侍が清盛邸に逃げ込んだことを知り、清盛に邸内探索の許可を得ようと乗り込むが、何故か清盛に碁を誘われたり清盛の息子たちによる富士川の戦い大敗の報告などで探索が出来ない。
    吹雪により清盛邸に泊まり込んだ一同だが、その翌朝、清盛の枕元にあった小長刀が消え、さらに青侍が塀の外でバラバラ遺体となって発見される。

    本を開くといきなり清盛邸の見取り図があり、わくわくする。
    バラバラ遺

    0
    2022年07月31日
  • 女人太平記

    Posted by ブクログ

    まず、読みはじめの感想は、「一見さんお断り」の本。
    「『女人』太平記」のタイトル通り、太平記を楽しんでる人がサイドストーリーとして読む本なのかな、と。

    最初の方で登場人物がざざっと出てきて、文章でざっくり生まれや立ち位置など紹介(?)されるのだけれど、どの天皇が南北どちらで、誰が南北どちら側だっけ??みたいな私には、頭で整理をしようとするだけで、、、読みすすめる気が損なわれる。
    人物紹介と系図くらいつけてくれてたらいいのに、と思う。(これって、常識の範囲なの??うーん、厳しい)
    読み仮名も登場2回目以降はほぼふられておらず、この人、なんて読むんだっけ??と、かなりストレス。

    それにめげずに

    0
    2025年11月12日
  • 女人太平記

    Posted by ブクログ

    平清盛の異母弟・平頼盛、歌人・藤原定家を探偵役として謎解きに挑む形式の作品が楽しくて読んできた作家さんだが、今回は趣向を変えて、足利兄弟を西園寺名子から見つめた歴史ものとなっている。

    太平記は大河ドラマでも視聴したし、足利兄弟の話はいくつか小説でも読んだが、やはり足利尊氏という人間は掴みどころがない印象。
    この作品での後醍醐天皇はまったく良いところなしといった感じで、周囲を振り回すだけ振り回したうえに、亡くなったあともまだ多くの人たちの人生に影響している。

    今回初めて西園寺家について知ったのは収穫。
    摂関家に次ぐ『清華家』という格の高い家柄であり、それだけに権力争いに深く関わり、特にこの作

    0
    2025年10月15日
  • 歌人探偵定家 百人一首推理抄

    Posted by ブクログ

    コバルト文庫やティーンズハートが大好きな文学少女だった私が、苦手だったものがあります。

    作家の自分語り強めなあとがき

    これがもう心の底から苦手だった。今で言う共感性羞恥に近いのかな。とにかく、自分の作り出したキャラクターを「作品外でいじり倒す」言動が耐えられなかった。

    「作者が作品を語り終えた瞬間に、そのキャラを使って二次創作するな」

    っていうのが、後になって二次創作を多少齧った私が行き着いた結論でした。本編がシリアスだとその虚しさもひとしおでしたね〜。


    で、なんで突然こんな自分語りを始めたかと言うと、本作のダブル主人公の1人である藤原定家。彼のヒートアップした時の言動にね、そのあ

    0
    2025年09月30日
  • 歌人探偵定家 百人一首推理抄

    Posted by ブクログ

    たったの三十一音で情景を表す歌人に、そして詠まれた歌への、興味が高まりました。国語の教科書に出てきたなくらいの知識しかなかったので、作中の解説は自分にとって新鮮でした。
    また、当時の生活の様子について日本人なのに知らないことも多くて、びっくりでした。

    ただ、ミステリとして読むには、
    定家の話し方と、女性の名前の覚えにくさが気になって気になって‥読むのに時間がかかる感じでした‥

    おもしろくはあったけど、求めてたのと少し違ったのでごめんなさい‥

    0
    2025年07月06日
  • 賊徒、暁に千里を奔る

    Posted by ブクログ

    なかなか面白かった。
    あまりミステリでは描かれない時代を書いてなおかつミステリ的面白さを出す。
    いいですね。
    2884冊
    今年112冊目

    0
    2025年04月22日
  • 『吾妻鏡』にみる ここがヘンだよ! 鎌倉武士

    Posted by ブクログ

    鎌倉時代の登場人物を現代人のイメージに置き換えて紹介しているので、興味深く、面白く読めた。多少の誇張はあるとは思うが、今もこんな人いるなぁ、と思い巡らしながら読み進めた。時代は変われども、人間の本質的な部分は昔も今も大きくは変わらない。

    0
    2025年02月25日
  • 賊徒、暁に千里を奔る

    Posted by ブクログ

    推理小説の舞台が
    鎌倉時代の不思議な小説。
    面白く読めたが、謎解きのための
    伏線がくどく感じられるところも。

    0
    2025年02月11日
  • 歌人探偵定家 百人一首推理抄

    Posted by ブクログ

     恐る恐る読み始めたのだが、なかなか面白かった。定家を探偵役に和歌が絡んだミステリというのはケレン味があり、思いつきそうでなかなか思いつかない、思いついてもなかなか書けない設定だと思う。作者に拍手である。
     個人的には、当時の生活に対する蘊蓄がとても興味深かった。しっかり調べてあるし、それがうまく物語に溶け込んでいて感心した。和歌が絡むということについては、作品によってばらつきがある感じがしたが、連作を最後まで読んで「なるほど」と思わせてくれたのはよかった。それでも、和歌についてはもうひとつ掘り下げてほしいような気持ちもあった。なんといっても定家を出してくるくらいなのだから、もっとびっくりさせ

    0
    2025年02月03日
  • 賊徒、暁に千里を奔る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【収録作品】真珠盗/顛倒/妖異瀬戸内海/汗牛充棟綺譚/雪因果
    鎌倉時代の都で暮らす、元大盗賊・小殿。
    彼のことを聞きつけ、説話集のネタにしようと、橘成季が仏師運慶、少年僧侶・明けの明星と共にやってくる。

    小殿の謎かけ部分と明けの明星の正体がミステリ。他愛もないトリックだが、時代背景とあいまって面白く読ませる。

    0
    2025年01月19日
  • 賊徒、暁に千里を奔る

    Posted by ブクログ

    最近お気に入りの作家さんの新刊。
    これまで平清盛の異母弟・平頼盛、歌人・藤原定家を探偵役として謎解きに挑む形式の作品が続いてきたが、今回は趣向を変えてある。

    主人公はかつて伝説の盗賊・小殿(ことの)と呼ばれ、今は検非違使の奉公人となった老人。
    彼が盗賊時代のエピソードを客人である橘成季、明けの明星と呼ばれる訳ありの若き僧侶らに語りながら、謎かけをする。

    貴族の家から身体検査を潜り抜けいかにして真珠を盗み出したのか。
    刃物を持たぬ悪僧が、どうやって仲間の僧の喉を切り裂いたのか。
    船の中で次々仲間たちを殺していくのは敵対する海賊なのか、それとも船の中にいる仲間の誰かなのか。
    書庫に閉じ込められ

    0
    2025年01月02日
  • 歌人探偵定家 百人一首推理抄

    Posted by ブクログ

    歌人・藤原定家が探偵役の連作短編集。語り手の平保盛は途中で気づいたが『蝶として死す』の頼盛の息子で、折に触れて父の偉大さを回想しているので前作を思い出してほろりとする。
    定家が事件に首を突っ込む理由が、死体に和歌が添えられているのが和歌が汚されたと怒り心頭なのが面白い。この定家のキャラクタはエキセントリックすぎてちょっと退くが、鎌倉時代ならではの習俗やトリックがあって楽しめた。

    0
    2024年12月27日
  • 『吾妻鏡』にみる ここがヘンだよ! 鎌倉武士

    Posted by ブクログ

    鎌倉幕府の公式書「吾妻鏡」から。
    勿論全てが史実であったとはとても思わないが、記される人物の、常軌を逸したエピソードを、軽いヒッチで紹介する。

    脳筋最狂超人軍団。

    これに喧嘩売った、元と高麗が、不幸としか思えない元寇だな。

    0
    2024年09月26日
  • 蝶として死す

    Posted by ブクログ

     平清盛の異母弟・池大納言・頼盛を主人公としたミステリー・タッチの歴史小説は実にユニーク。平清盛の配下の若者の殺しの背景、高倉天皇の愛娼の死、源義仲の依頼による斉藤実盛の屍体の分別、源頼朝の娘・大姫の謎の行動の真相、北条時政の依頼による清盛の曾孫・六代の行方探索などの事件・課題に取り組んでいく。頼盛が名探偵としての活躍をするという物語は楽しく読めたが、どこまでが事実なのか?平家一門きっての知恵者は兄・平清盛から疎まれて、一門を裏切ったという前提そのものが、そうなのか?高倉天皇、義仲、頼朝、時政との会話の場面が実際にあったのだろうか?小説としては面白かった。

    0
    2024年08月27日