あらすじ
一一八六年。平家一門の生き残りである、亡き平頼盛の長男・保盛はある日、都の松木立で女のバラバラ死体が発見された現場に遭遇する。生首には紫式部の和歌「めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲隠れにし 夜半(よは)の月かな」が書かれた札が針で留められていた。そこに現れた、保盛の友人で和歌を愛してやまない青年歌人・藤原定家は「屍に添えて和歌を汚す者は許せん」と憤慨。死体を検分する能力のある保盛を巻きこみ、事件解決に乗り出す! 後に『小倉百人一首』に選出された和歌の絡む五つの謎を、異色のバディが解く連作ミステリ。/【目次】一 くもがくれにし よはのつきかな/二 かこちがほなる わがなみだかな/三 からくれなゐに みづくくるとは/四 もみぢのにしき かみのまにまに/五 しのぶることの よわりもぞする/単行本版あとがき/参考文献・史料/解説=千街晶之
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Posted by ブクログ
ホームズな定家(和歌が好きすぎて変人だが謎解きは上手い)とワトソンな保盛(検死はできるが謎解きはできないフィジカル強し)のバディが様々な和歌絡みの事件を解決していく連作短編ミステリ。
和歌が絡むとキャラがぶっ壊れる定家が面白い。
史実でも変人だったようなので、あながち的外れではないキャラ造形だと解説で知って本気でびっくりした。
あと、保盛が以前読んで好きだった『蝶として死す』に出てきた平頼盛の息子と知って、それにも本気でびっくりした。
最初の話はちょっと解決が弱いかなと個人的には思ったのだが、2話目からは俄然面白くなった印象。
定家の推理がきれっきれである。
その時代だからこその常識がトリックに関わってくることもあって、それも面白かった。
そんな中、最後の最後に明かされる「種明かし」
一番驚いたのはこれだった。
二人の友情にまさかの亀裂が……?
これまでの謎解きの更なる仕掛けは凄まじかった。
是非最後まで読んで、この驚愕を味わって欲しいと思う。
Posted by ブクログ
前作の主人公、平頼盛の長男・保盛と、歌人・藤原定家がバディとなり謎を解く5話。源平合戦終結直後の不穏な空気と雅な和歌、残忍な事件が合わさって抜群の雰囲気。そして定家の奇抜なキャラにラストはジーンとしたりも。面白かった!