あらすじ
一一八三年、源氏の木曾義仲軍が平家を破って都入りした。しかし、平清盛の異母弟・平頼盛は都落ちした一門と決別し、都に留まっていた。そんな頼盛は、彼を知恵者と聞いた義仲に「首がない五つの屍から恩人の屍を特定してほしい」と依頼され……。第15回ミステリーズ!新人賞受賞作「屍実盛」ほか全5編。清盛が都に放った童子は、なぜ惨殺されたのか? 遠く離れた場所にいたはずの大姫が、父・源頼朝の話の内容を言い当てられた秘密とは? 平清盛や源頼朝などの権力者たちと対峙しながら、推理力を武器に生き抜いた頼盛の生涯を描く連作集。/【目次】禿髪(かぶろ)殺し/葵前(あおいのまえ)哀れ/屍実盛(かばねさねもり)/弔千手(とむらいせんじゅ)/六代(ろくだい)秘話/あとがき/参考文献/解説=細谷正充
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Posted by ブクログ
室町時代を舞台に、
平清盛の異母弟、平頼盛を主人公に紡がれる
ミステリー短編集。
清盛の生前は蛹期。
あまり推理にもキレがなく、読み味はイマイチ。
清盛の死後は蝶期。
思考が羽ばたき、果てまでを見通す。
1冊としては後半にしっかり上がっていく構成になっていて、十全の仕上がり。
結局清盛には一矢も報いていないように見えてしまって、そこは消化不良の感も。
Posted by ブクログ
テレビで紹介されていて、手に取りました。
時代物のミステリーは初でしたが、
ロジカルに進んでいくので、
思い描きやすい描写だと感じました。
言い回しが少し難しいのでとっつきにくいかも。
面白かったです。
Posted by ブクログ
平清盛の異母弟・池大納言・頼盛を主人公としたミステリー・タッチの歴史小説は実にユニーク。平清盛の配下の若者の殺しの背景、高倉天皇の愛娼の死、源義仲の依頼による斉藤実盛の屍体の分別、源頼朝の娘・大姫の謎の行動の真相、北条時政の依頼による清盛の曾孫・六代の行方探索などの事件・課題に取り組んでいく。頼盛が名探偵としての活躍をするという物語は楽しく読めたが、どこまでが事実なのか?平家一門きっての知恵者は兄・平清盛から疎まれて、一門を裏切ったという前提そのものが、そうなのか?高倉天皇、義仲、頼朝、時政との会話の場面が実際にあったのだろうか?小説としては面白かった。