八目迷のレビュー一覧
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葬送のフリーレンのノベライズオリジナルストーリー。フリーレンに出会う前のフェルン、シュタルク、カンネとラヴィーネ、そしてアウラの、コミック本編の前日譚。それぞれのお話がとても彼ららしく、またノベライズだからこそシーンを思い浮かべる楽しみを味わえました。
コミックを読んでないと楽しめないところもあるので、12巻くらいまで読んでからがおすすめかな。
個人的には最後の、フリーレンのお話が素敵。人は一緒に過ごしたと思ったら別れがあって、でもまた違う人との出会いがある。それを繰り返してたどり着く先には、何があるのか。
人との出会いは大切にしたいですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分のせいで妹を亡くした主人公が、妹を取り戻すために「ほしいものがなんでも手に入る」トンネルに入るひと夏の物語
SFのようなトンネルの謎を解き明かしていくドキドキですごく引き込まれたし、
主人公・転校生・いじめっ子のそれぞれの成長がみえて、高校生の青春も味わうことができてよかった
『夏への扉』と似たようなタイトルでどちらもタイムトラベルものだけど、意識してるのかな?
『夏への扉』は殺風景な冬から楽しい夏に行きたい!って感じだったけど、こちらは悲しい出来事があった夏につながりつつも今を生きていこうと戻るのが、扉とトンネルの違いに感じた
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Posted by ブクログ
ネタバレ最近は予算が潤沢になったのか、あるいは、日本での企画が強くなってきたのかわからないが、Audibleで複数の声優を組み合わせた作品が配信されるようになった。本作『夏へのトンネル、さよならの出口』もそういった作品の一つで、主人公となる男性以外にも、脇役や友人たちにも声優が配置されている豪華な作品となっている。Audibleと言うと朗読というイメージが強かったが、もうこのように多くの声優が配置されるようになると、どちらかと言うとオーディオドラマと言った方が近くなってきている。
本作はライトノベルの直球と呼ばれるような作品で、それほど特徴のない主人公と皆が振り向くような容姿を持った女性とが、ふとしたことで惹かれ合い、恋に落ちていくというのは、まさにこのジャンルの王道だ。
その上、主人公は幼い頃に妹を事故で亡くしており、一家は崩壊。そもそもが、自身も母親が不倫した相手と作った子供ということで、父親との距離も遠いという、こういった作品にありそうな設定をこれでもかと詰め込んだキャラクターになっている。
ヒロインのほうも、都会から突然引っ越してきた美人という設定であり、しかも家は裕福だが両親とは疎遠ということで、一人きりであることに違和感を持たせないような設定になっている。作中ではこのヒロインは暴力を振るうことも厭わないが、実は漫画を書くのが大好きで、将来は漫画家になることを夢見ているという何というか頭の中で作ったようなキャラクターと言われても仕方がないような設定だ。
実際に読み始めた最初の頃は(正確には聞き始めた最初の頃は)、そのあまりにも作り物じみた設定に、読むのをやめようかという気にさえなった。そもそも高校生にもなった男子が、亡くなった妹に会えるならば何を失っても良いと思うというのは、ちょっと想像がつかない。設定としては、妹を失ったことで家族が崩壊してしまった彼は、人を愛する資格を持たなくなってしまったという自己認識を持っているということになってるらしいのだが、いくらなんでも健康な男子高校生であれば、それなりに恋心の一つでも持つのではないだろうか。
ところが読み進めていくにつれて、この嘘臭さというのはあまり気にならなくなってくる。その一つの理由は、作者の語りがこれがデビュー作と思えないほどうまかったこと。もう一つは、劇中に出てくるウラシマトンネルという設定が実に魅力的だからだ。
このウラシマトンネルは、あらすじのところにも書いたように「入った人間が欲しいと思っているもの」を手に入れることができる場所だ。ただし、その中ではものすごい速さで時間が流れており、奥に行けば行くほど現実の世界との時間の差は大きくなってしまう。主人公は、失ってしまった妹とこのトンネルの中であれば出会うことができると信じて、トンネルの中へ行こうと思案する。もしあまりにも中で時間をかけてしまえば、現実の世界に帰ってきたときに、大きな困難にぶつかってしまうことは当然理解している。しかも妹に会えるというのは、本人の思い込みでしかない。
最終的には葛藤の果てに、主人公はトンネルの中を深く進むことを決断するのだが、このトンネルの中を進む際の緊張感はこちらにも伝わってくるような、ヒリヒリとしたものだ。何せトンネルの中の1秒が現実世界の40分なので、ちょっと立ち止まっただけで、あっという間に現実世界では数日が経ってしまう。
SF的には、このトンネルの中に入った後、現実世界に戻ってきた人間がどのように世界と折り合っていくのか、あるいはトンネルの中に何か秘密があり、その秘密を知った者は、時間の流れを元に戻すことができるのかといった点に興味を持って読み進むことができた。実を言うと、自分はこのトンネルは最後には壊れてしまって、失ったはずの時間を取り戻すという展開を予想していたのだが、作中では、その方向には進まない。
代わりに作中で実際に提示される「主人公は17歳のまま、12年後の世界に戻ってくる」結末は、ある意味で最もわかりやすい展開であると同時に、最も折り合いが難しい結末である。ところが、小説の中ではまるで予定調和のようにハッピーエンドとして物語が終わる。この物語の終わり方を、いかにも嘘くさいと感じるのか、あるいはヤング向けの小説であればこそ、このような形が良いと思うのかは人それぞれだろう。40歳半ばのおっさんとなった自分には、本作の終わり方は少々甘ったるすぎた気もするが、物語世界は常にポップでハッピーであるべきだと思う自分にとってはやはり心地良いものであった、ということも正直に告白しておこう。 -
Posted by ブクログ
「小説」という形をとっていること、「未発表」であり「前日譚」であること…を踏まえてどんな世界観だろう?と興味深く読みました。
フリーレンの世界観の1つに「静謐」と「諦観」というものがあると思います。魔法や時間軸の自由さという点で、ファンタジーではあるのだけれど、そこには浮世離れした途方の無さを打ち消すくらいの強さで、実人生を生きている人間の感覚…つまり、命の儚さや、みんないつかは終わる、変わらないものなんて無いという無常感、孤独感、一種の諦観…そして、何より「愛」…そんなものがあるように思うのです。それが、物語りの核となり、沢山の人達を惹きつける要因にもなっているかと。
そんな世界観を、小説という形の中でも活かせているな、と思います。
個人的には、最後の「葬送」という章が良かったかな。(短編集になっています)
各エピソードの前章的な位置付けですね。
読む前の後とでは、キャラクターの理解がより深まります。
「葬送のフリーレン」という作品が、アフターファンタジー、後日譚という形になっていることを考えると、前日譚と位置付けるこの作品は、対として楽しめるのではないかな、と思いました。
ちなみに、長寿の動物種は心拍数が少ないという傾向がありますが…起きるのが苦手というフリーレンの心拍数と血圧を調べて、なんなら血液検査もしてみたい…と思いました。。。人とは何がちがうんだろうか。。。謎ですね。 -
ネタバレ 購入済み
良質な前日譚
幼い頃のフェルン、ラヴィーネ&カンネコンビの馴れ初め?にまだ単独行動中のシュタルク、Web人気の高い断頭台のアウラ様と場所に揺られて夢をみるフリーレン(フランメお師匠つき)、といった視点の短編集です。
転んで服を汚してしまったフェルンが服を綺麗にする魔法を欲しがったり、模擬戦で命乞い⁇をし、唯一の弟子に必殺・投げキッスを伝授するフランメお師匠等とか、本編を彷彿とさせるエピソードも上手く入れています。
これはこれで良い番外編でした。