感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年10月09日
コミカライズを数話読んで、原作が気になったので手に取った。
夏を舞台にしたボーイミーツガールのSFものということで、どこか時をかける少女を思い出す設定。
ただし、SFとはいうもののギミックの設定はファンタジーに近い。
夏のじっとりとした暑さ、すべてを諦めているがゆえの主人公の割り切りの良さ、それで...続きを読むもなお現れる葛藤など、情景と心理描写が非常に生々しくて引き込まれた。
現実を受け入れ、正面から選択し、選んだ道を正解にするために足掻く、そんな物語だった。
「何が正しいのかなんて誰にも分からない。だからこそ自分が選んだ道を、正しかったと思えるまで走り続けるしかないんだよ」
というセリフは、物語の根幹を1つのセリフで表していて、読んでいる自身にも刺さって、作中で一番気に入った部分かもしれない。
Posted by ブクログ 2023年09月19日
まさに夏の青春!って感じの小説でした。
どんどん読み進めてしまい、あとがきに書いてある作者さんの思惑通りウラシマ効果を感じました。
キャラクターが魅力的ですね。
特にお気に入りは小春ちゃんです。最初出てきたときは悪ガキのいじめっ子な訳ですが、本当はプライドが高いのに自信がなく小心者なだけ。あんずに...続きを読む顔面パンチを食らい鼻血出して逃げてしまいます。かといって家では弟思い。いいお姉ちゃんです。あんずに簡単に論破されて大粒の涙を流す。かわいいですね(笑)
彼女は精神的に最も成長したキャラクターで、最後は苦しむあんずを助けてくれます。
それにしてもカオル君の母親は徹底的に悪に徹していましたね。そのおかげかダメ人間の父親がなんとも憎めないキャラクターになっています。彼は母親と違い本質的には悪党ではないですからね。
Posted by ブクログ 2023年02月11日
気がつけば僕は、さよならの出口に立っていた。部屋の掛け時計は10時前を、さも当たり前かのように指している。ついさっきこの本を開いた時は、6時かその辺りだったはず。
この本は本物のウラシマトンネルだったんだ。
その証拠に、僕は、失ったはずの「勇気」を手にしていたから。
面白かった〜。映画みてるみたい...続きを読むだった。
兄として、妹を失った塔野カオルの一挙手一投足に深く共感した。あ〜やりそ〜って思った。
後半の方から、話をどう着地させるのかが不安になったけど、杞憂だった。勇気を持って思い切った設定にすると、話の重みも増してシネマティックになる分、着地させる難しさがあるけど、この物語の終幕は、よく考えられていると思う。
Posted by ブクログ 2022年04月15日
何年かぶりに入ったアニメイトでさっぱり最近のものがわからない中で探していたら見つけた。
なんとなく手に取ってあらすじ読んだだけでこれは面白そうって思えたから買ってみたけど、読み出したら夢中になって読んでしまって、読み切るまであっという間だった。これは買って正解。
学生じゃないとできない思い切りの良さ...続きを読むとか、後先の考えなさとか、こうと思ったら突き進む感じが読んでて清々しかった。花城も最後までトンネルに入るか悩んでいたけど、普通はああなっちゃうと思う。でも、吹っ切れてトンネルに挑んだから若いうちに再会することもできた。これが結婚して子供ができて家のローンがあってなんて大人が主人公だったら、諦めてお終いになっちゃう。そうならずにがむしゃらに突っ走っていけるのが若者の特権なんだろうな。
ボーイミーツガールというか青春物というか10代の子が主人公の話って歳を取るにつれ段々読まなくなっていく気がする。久しぶりに読んだ青春物は、自分を当事の感覚に持って行ってくれる気がした。人はこういう感性を失って行っておじさんになるんだな。
これからはラノベももう一度読んでいこうと思ったかな。
自分は中々本を読むのに時間がかかってしまう方なのですが、スターバックスでこの本を読んでいて僕は、時間を忘れ、気付いたら本は最終章に、時計を見ると昼から読んでいて日は沈み外は夜になっていました。
たった数十分のように感じられた時間で数時間が経っていました。
この本が作者の方のデビュー作という事にも驚き...続きを読むです。
ウラシマ効果を感じる事のできたこの小説は、僕に
とって忘れられない一冊となりました。
ありがとうございました。
Posted by ブクログ 2021年08月23日
これがデビュー作というからすごい才能だなと思いました。
私が失って取り戻したいものは、なんだろう。
改めて考えでみると、たくさんありますね。
とてもあたたかく、大切なものは何かを教えてくれて、今を生きる大切さも感じられる作品です。
Posted by ブクログ 2023年03月07日
最初に悪い事
個人的にはもう少しsf感が欲しかったのと、出てきた後のこともう少し詳しく書いて欲しかった。まぁ想像するってのも、読書の良いところなんだけど。
次いで良かったこと
読み終わった後、時間がいつもよりはやく進んでいた。これに尽きる。
ぜひみんなに読んでほしい一冊でした。
Posted by ブクログ 2022年08月17日
妹の死。その日から僕の家族は壊れてしまった。
歳をとることと引き換えに、欲しいものがなんでも手に入るウラシマトンネル。
失われた日々を取り戻すため、主人公は謎のトンネルに挑む。
映画公開も決まっている人気作。噂に違わぬ良作でした!
Posted by ブクログ 2022年08月04日
ウラシマトンネル。。。
トンネル内の時間の経過は、現実の世界では何倍もので進む謎のトンネル。
自分と遊んでいた妹が
木から落ちて死んでしまう。
それが、原因で家族がバラバラに。
自分のせいだと思い苦しみながら生きている主人公。
そんな彼の前に
現れたトンネル。
。。。。。
死んだ妹に逢う...続きを読むために、トンネル内に入り
ボロボロになるまで、走り続ける。
そして、やっと妹に逢うことが出来たが、
妹は兄に
好き人と生きるべき
ここに居てはいけないと言う。
兄は泣く泣く、妹に別れを告げ
現実の世界に戻るために
ひたすら走り続ける。
意識がもうろうとし
倒れたとき、そこには愛する人が。
そして、トンネルを出たときには
17才体で戸籍上は30才。
愛する人と人生をスタートする。
Posted by ブクログ 2022年02月02日
表紙から「面白そうな予感」がして、読んだら予想通り面白かった。
入ったら欲しいものが手に入る代わりに歳を取ってしまう噂が囁かれているトンネルに挑む高校生、カオルとあんずの物語。
SFモノのようだが、徹頭徹尾青春ストーリー。まさに一夏の青春を描いている。
とにかく展開が早い為、飽きる事なく読み進められ...続きを読むると思う。
中学生や高校生で本を読み始める人や何も考えずに楽しめる本を探している人にはピッタリだ
個人的にはもう少し読んでいたい気持ちがある。
しかし、物語として読後はスッキリするので、作業の合間に読んで気分をリフレッシュしたい時にオススメする。
Posted by ブクログ 2021年04月14日
案外自分で望んでいるものは、違うものかもしれない。
すごく読みやすく、すらすらと小説の世界観に入り込めました。
続きが気になり、途中でやめられない中毒性がありました。
面白かった!!!
Posted by ブクログ 2020年10月05日
表紙がすごくいい。とても誠実な青春小説。
うじうじした主人公がぴったりくるヒロインと出会って色んなものを犠牲にして彼女を選ぶ、というライト文芸の王道っぽい流れだが、三秋縋系ではない爽やかな王道青春。
トンネルは自分の生きる世界での時間を捨ててでも得たいものがあるかどうか、というギミックで、そこにこ...続きを読むだわる主人公にとってのトンネルが、最後には元の世界の大切なものを浮き彫りになせるという構成が丁寧。
序盤はうじうじしているだけで停滞する主人公が退屈だが、それを補うようにパワフルなヒロインがとても魅力的。ラノベっぽいキャラ造形が、時間を経て普通の、だけどとても強い大人になっていく姿が愛おしい。
トンネルに意思はないにしては終盤の妹の言動は主人公にかなり都合がいい気もしたが、そのくらいはいいんじゃないかってくらい青春のパワーがすごかった。
Posted by ブクログ 2020年06月30日
田舎町の高校2年生の地味な主人公(塔野)のクラスに、東京から美少女で孤高な転校生(花城)が来る。花城は異質さから、目をつけられいじめに遭う。しかし彼女は信念を持ち、跳ね返した。塔野は、花城は自分とは真逆の人間性を持っているから、関わる事のないまま卒業を迎えると思っていた。しかし、ウラシマトンネルとい...続きを読むう、いわば「逆・精神と時の部屋」の存在を知った主人公は、そこで花城と遭遇する。そのトンネルは、欲しいものが何でも手に入ると噂されていた。そこで、塔野は過去との対面、花城は夢を叶えるために、手を組んで調査を始めた、、
この作品は、このラノTOP10にランクインしていた事から手に取った。まず表紙絵が自分好みだったこともあり、今の季節感にもあったこの一冊を選んだ。一巻完結のラノベであり、作者にとっての処女作。
田舎町とSFの組み合わせがマッチしていて、読んでいて爽やかな気分になるものだった。終始テーマは夏。前半で各キャラの特徴がわかりやすく描かれていて、後半の怒涛の展開の中でも、キャラに入り込めて、大変読みやすかった。複雑な家族設定や浦島太郎現象の実際の弊害もしっかり描写されていて、リアルに置き換えて考えてしまうことがたまにあった、、、加賀の登場シーンがもう少し欲しかった、、
しかし、爽やかなテーマ設定で、一巻でうまく纏まっていて、気付いたら一気に読んでしまった。引き込まれる世界観だと感じた。映像化したら絶対に綺麗だと思うので、今後映像化されることを期待しています!
Posted by ブクログ 2020年03月05日
「ウラシマトンネルって、知ってる? そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入るの」
そんな会話を耳にした高二男子・塔野カオルは、偶然『ウラシマトンネル』らしきトンネルを発見するが…
ちょっとSFぽい設定も、無理なく読める青春小説。
ライトノベルにしてはまっとうです。
文章も癖がなくて、大...続きを読む人の自分が読んでも読みやすく違和感がありません。
青春時代真っ盛りの人は、自分の青春とダブらせて。
そうでない人は、「そういえば自分にも青春時代があったんあだなあ」なんて感想を抱かせる小説。
登場人物もステキに描かれているし、読み終わったととも爽やかな気分。
Posted by ブクログ 2019年10月06日
タイトルとカバーイラストに惹かれて購入。
夏が終わるまでに読み切るつもりだったのに、いつの間にか秋になってしまった。
ひと夏の爽やかな青春SF小説。これがデビュー作ってなかなかすごい。近い将来、絶対映像化(実写映画とか)しそうだな~と思いながら読んだ。
あんずが読んでた小説って絶対『夏への扉』だ...続きを読むよね。タイトルが似てるのは、作者の八目さんが好きだったからなのかな?
失くしたものを取り戻せるかわりに、出る時には一気に年を取ってしまうという「ウラシマトンネル」。
トンネルの中での時間経過が本当にエグい。ナルニアみたいにあっちで何年も過ごしても、現世ではほんのわずかな時間しか経っていなかった……とかじゃないんだ、と。そこが新鮮といえば新鮮。
カレンとカオルの最後のやりとりはジーンとくるものがあった。その後のあんずとの再会も(あんずの泣き方には少し笑ってしまったが)。
それと、いなくなってる間の税金の支払いはどうなってるんだろ? フィクションなんだから、そういう現実的なことを考えてはいけないんだろうけど^^;
とまあ、いろいろ書いてみたけど。とりあえず、八目迷さんの次回作もぜひ読みたい! と思わせてくれる小説だったのは間違いない。
Posted by ブクログ 2019年08月16日
時間が遅く流れる不思議なトンネルにはもう一つ別の効果が。トンネルによって結びつけられた男の子と女の子の運命は、なんとなくうらやましく感じられる。良い物語だ。
Posted by ブクログ 2024年03月02日
表紙を見て気になっていたけど、先に見たのは映画だった。
映画はトンネルを出たところで終わってたので、本を読んでその後が補完出来て良かった。
浦島太郎は一人でおじいさんになったけど、カオルにはあんずがいて、二人には川崎や加賀もいる。
でもやっぱり、都合が良いけれど、もっと早く戻れててたら良かったな...続きを読むと残念な気持ちもある。
二人なら乗り越えていくんだろうけど。
Posted by ブクログ 2021年06月08日
一言で言うなら「主体的なラーゼフォン」(どちらもウラシマ効果が舞台装置だしね)。 後半からの畳み掛けるような勢いそれ自体は良いのだけど、「残り僅かなページできちんと畳めるのか?」と心配してしまうくらい。進行が急にペースアップするので、どうしても描写の密度が粗くなる。全体の3/4くらいまで続いていた丁...続きを読む寧さで最後まで書いてくれたらもっと良かったのになぁ。あと主人公の所々に垣間見える「異常な割り切りの良さ」についていけなくてモニョる。でも嫌いじゃないよ。ただただ惜しいの。