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時空を超えるトンネルに挑む少年と少女の夏。
「ウラシマトンネルって、知ってる? そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入るの」
「なんでも?」
「なんでも。でもね、ウラシマトンネルはただでは帰してくれなくて――」
海に面する田舎町・香崎。
夏の日のある朝、高二の塔野カオルは、『ウラシマトンネル』という都市伝説を耳にした。
それは、中に入れば年を取る代わりに欲しいものがなんでも手に入るというお伽噺のようなトンネルだった。
その日の夜、カオルは偶然にも『ウラシマトンネル』らしきトンネルを発見する。
最愛の妹・カレンを五年前に事故で亡くした彼は、トンネルを前に、あることを思いつく。
――『ウラシマトンネル』に入れば、カレンを取り戻せるかもしれない。
放課後に一人でトンネルの検証を開始したカオルだったが、そんな彼の後をこっそりとつける人物がいた。
転校生の花城あんず。クラスでは浮いた存在になっている彼女は、カオルに興味を持つ。
二人は互いの欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶのだが……。
優しさと切なさに満ちたひと夏の青春を繊細な筆致で描き、第13回小学館ライトノベル大賞のガガガ賞と審査員特別賞のW受賞を果たした話題作。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
「夏へのトンネル、さよならの出口」
2022年9月9日公開
声の出演:鈴鹿央士、飯豊まりえ
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
コミカライズを数話読んで、原作が気になったので手に取った。
夏を舞台にしたボーイミーツガールのSFものということで、どこか時をかける少女を思い出す設定。
ただし、SFとはいうもののギミックの設定はファンタジーに近い。
夏のじっとりとした暑さ、すべてを諦めているがゆえの主人公の割り切りの良さ、それでもなお現れる葛藤など、情景と心理描写が非常に生々しくて引き込まれた。
現実を受け入れ、正面から選択し、選んだ道を正解にするために足掻く、そんな物語だった。
「何が正しいのかなんて誰にも分からない。だからこそ自分が選んだ道を、正しかったと思えるまで走り続けるしかないんだよ」
というセリフは、物語の根幹を1つのセリフで表していて、読んでいる自身にも刺さって、作中で一番気に入った部分かもしれない。
Posted by ブクログ
気がつけば僕は、さよならの出口に立っていた。部屋の掛け時計は10時前を、さも当たり前かのように指している。ついさっきこの本を開いた時は、6時かその辺りだったはず。
この本は本物のウラシマトンネルだったんだ。
その証拠に、僕は、失ったはずの「勇気」を手にしていたから。
面白かった〜。映画みてるみたいだった。
兄として、妹を失った塔野カオルの一挙手一投足に深く共感した。あ〜やりそ〜って思った。
後半の方から、話をどう着地させるのかが不安になったけど、杞憂だった。勇気を持って思い切った設定にすると、話の重みも増してシネマティックになる分、着地させる難しさがあるけど、この物語の終幕は、よく考えられていると思う。
Posted by ブクログ
何年かぶりに入ったアニメイトでさっぱり最近のものがわからない中で探していたら見つけた。
なんとなく手に取ってあらすじ読んだだけでこれは面白そうって思えたから買ってみたけど、読み出したら夢中になって読んでしまって、読み切るまであっという間だった。これは買って正解。
学生じゃないとできない思い切りの良さとか、後先の考えなさとか、こうと思ったら突き進む感じが読んでて清々しかった。花城も最後までトンネルに入るか悩んでいたけど、普通はああなっちゃうと思う。でも、吹っ切れてトンネルに挑んだから若いうちに再会することもできた。これが結婚して子供ができて家のローンがあってなんて大人が主人公だったら、諦めてお終いになっちゃう。そうならずにがむしゃらに突っ走っていけるのが若者の特権なんだろうな。
ボーイミーツガールというか青春物というか10代の子が主人公の話って歳を取るにつれ段々読まなくなっていく気がする。久しぶりに読んだ青春物は、自分を当事の感覚に持って行ってくれる気がした。人はこういう感性を失って行っておじさんになるんだな。
これからはラノベももう一度読んでいこうと思ったかな。
ウラシマ効果を体験できました
自分は中々本を読むのに時間がかかってしまう方なのですが、スターバックスでこの本を読んでいて僕は、時間を忘れ、気付いたら本は最終章に、時計を見ると昼から読んでいて日は沈み外は夜になっていました。
たった数十分のように感じられた時間で数時間が経っていました。
この本が作者の方のデビュー作という事にも驚きです。
ウラシマ効果を感じる事のできたこの小説は、僕に
とって忘れられない一冊となりました。
ありがとうございました。
「夏へのトンネル、さよならの出口」
2022年9月9日公開
声の出演:鈴鹿央士、飯豊まりえ
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
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