志駕晃のレビュー一覧
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うっかりスマホを落としたことが大きな災難に繋がっていく恐ろしさを描いたホラーミステリー。シリーズ1作目。全6章。
「このミス大賞」隠し玉作品。
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スマホから情報を抜き取ることなど、スキルを持った者にとって容易いことだとわかりました。いくらロックをかけていようが関係ないのですね。
SNSを辿って来られれば簡単に突破されてしまうとは驚きです。
そしてそのスキルは、その気になれば誰でも身に着けることができる。粘着質の性格と悪意の持ち主なら簡単なようです。
利用頻度に違いはあれ、SNSと無縁である人など現代ではほとんどいません。それだけにこの作品は、身 -
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東京の私立大学に通う女子大生のパパ活事情をテーマにしたサスペンスミステリー。
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物語は2つの時間軸で展開し、交互にそれらの断片が描かれるため、中盤までは緊迫感が高まらないまま読み進めざるを得ませんでした。正直、集中力を保つのが難しかった。
でも2つの時間軸が交錯する終盤は、友映が犯人を追い詰める場面などは読み応えがあってとてもおもしろかった。
「パパ活」。よく耳にしますが、本当にアルバイト感覚で一般の女子大生の間に広がっているのでしょうか。
俄かには信じ難いのですが、経済的な問題を抱える学生の増加等が言われているのも確かです。
現代社会の病理とも -
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面白かった。
最後の最後まで隠された真実に気付けなくて、最後の一行で「えっ?!」となって、関係しそうな箇所を読み返した。
「日本人は皆何かしらに洗脳されている。世間体とか人並みの幸せとかいう考え方に、自身がマインドコントロールされている。」
「現代人は時間が有限だってことを理解していない。考え方によっては、時間はお金よりも重要なのに、平気で何時間もスマホをいじって時間を潰す。本来だったらその時間で、本を読んだり勉強したり、家族との団欒をたのしむべきなのに、巨大プラットフォーマーのために、貴重な時間を搾取され続けているんだ」
ーーーというのが胸に刺さった。自分の夫婦も、同じ空間に居ながらにし -
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ネタバレ「悩み(心)のビックデータを集めた。…。どうアドバイスすれば、自殺させられるかが分かった」最後の中河内が怖い。
「自殺相談室」からのメール。内容は人生相談と4つの選択肢(4番目の回答は「自殺する」)。このメールに返信するとき、回答として「自殺する」を選べる人と選べない人がいる。善悪は関係ないが、選べる人は、ステージをどんどん進んで幹部になっていく。または卒業していく。そして、選べない人は、…。
質問者に対しては、簡単に「自殺する」と回答できても、自分が質問する場合は、「自殺する」と答えて欲しくなかったりする。自分の回答で質問者が自殺してしまったら、きっと眠れない。だから、「自殺は心の安楽死 -
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「コロナウイルス」「パパ活」など、2020年の様々な問題も一緒に書き綴られていたため、想像しやすく読みやすい物語でした。
学生の貧困は年々酷くなっていく一方ですね。援交による殺人事件は昔からありますが、最近ではパパ活で稼ぐのも普通な時代になってきていて、このような事件が増えるのでは無いかと心配です。
若者の貧困、どうにかならないものなんですかね…
最近ではますます貧困化していっていますし、大学を辞めざるを得ない子も沢山いて、日本はなぜこんなに貧乏になってしまったのだろうと感じます。
私の妹は現役女子大生です。
妹がこの物語のようなトラブルに巻き込まれていたり、身体を売らなければ生活してい -
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シリーズ第3弾。続きものだけど、この本だけ読んでも楽しめると思う。
昨年刊行されたばかりということで、時事ネタもあり面白かった。PCを使えない五輪担当大臣兼サイバーセキュリティ担当大臣とか・・・そんなこともあったな笑。東京オリンピックもかなり出てくるけど、これは2020年1月に刊行されたから、まだその時はやる予定だったのだな。果たして、今年もどうなることやら・・・
日本のサイバーセキュリティの技術や人材確保の遅れは事実なのかな?あとスパイ防止法がないとか。この本を読んだら、あり得そうな感じのことだらけで、なんだか色々恐ろしくなってしまった。PCや携帯の取り扱いやネットにはくれぐれも気をつけよう -
ネタバレ 無料版購入済み
殺人鬼がただのサイコパスじゃなくて、こうなるに至った母親とのエピソードもしっかり描かれてるのが良かった。それにしても他人にクレジットカード情報教えちゃうのは危機感なさすぎるでしょ…
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ネタバレAMラジオのDJ・垣島は、最近奇妙な出来事が次々と起きる。就職活動中の人に会う約束をしたのに遅刻。でも会っていたという。他にも垣島の声を使って、店をキャンセルしたりと自分の他にもう一人の自分が?
命も狙われることになり、垣島はどうなっていくのか?
作者の志駕さんは、ニッポン放送にいたこともあり、「この人ってあの人だよね。」と思わせるような登場人物や番組などが登場するので、思わずクスッとしてしまいました。ラジオの裏側も楽しめるので、ラジオ好きの私にはたまらなかったです。
SFミステリーということですが、タイムトラベルものです。垣島が過去に飛び込んでは、また過去へと繰り返していくので、それま