志駕晃のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルが面白そうだったのと、「スマホを落としただけなのに」の作者の作品だと知って興味が湧いたため手に取った。
この本の面白いところは、細かい伏線が随所に張られていることだ。だからこそ、後半で伏線がどんどん回収されていくときに、ゾワゾワしてしまった。何より、鈴木の周囲の人間の様子がおかしくなるに従って、「鈴木どうにか最後まで生き残って〜」と思いながら読み進めてしまうほど、物語に熱中していた。しかし、結果的に鈴木は自殺という道を選択してしまう。
この作品の恐ろしいところは、鈴木に感情移入させておきながら、その鈴木本人が実は洗脳されていたことが終盤で明かされる点だ。人間の脳がいかに脆く、洗脳されやすいのかを考えさせられた。それと同時に、私自身も洗脳されているのではないかと思うようにもなった。私の価値観や思想というのは、果たして本当に私の意思で形成されたものなのだろうか。私が見るツイート、私がフォローするインスタグラマーは、果たして私の思考がどれほど反映された結果表示されたものなのだろうか。現代においてそんなことを考えるとキリがないのも事実だが、同時に、私たちが人間らしくあるためにもこの問いに向き合うことは重要だと思う。本作は、私に洗脳やネット社会、AI技術の恐ろしさを改めて感じさせた。