生活苦に喘ぐシングルマザーの貴代が足を踏み入れたSNSの個人間融資のヤミ金の世界。
一章の「騙される人」で親切な貸主・未奈美のソフトな語り口に乗せられ、ディープな借金地獄に陥った貴代が、二章の「騙す人」では紆余曲折を経ててっきり金を借りる側から貸す側に転身したとばかり思って読んでいたら、最後の最後にびっくり仰天!また志賀さんにやられたわ~と苦笑いするしかない見事な罠の騙しっぷり。
金を貸す方も借りる方も命懸け、どちら側になっても幸せになれない末路にはフィクションだと笑えない切実さがあり、暗澹たる気持ちになる。