福島香織のレビュー一覧

  • 武漢病毒襲来

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    昔、友人の一人が佐藤優『国家の罠』を貸してくれたことがある。彼は本を手渡す際にこう言った。

    「これはあくまでも"フィクション"だからね。」

    その言葉通り、あくまで虚構=小説として読んだが、とても面白く夢中になって読んでしまった。
    書籍が面白くなるかどうかは、著者がどう構成するかによって決まるのであって、真実か否かなど些細な問題にすぎない。
    自然主義文学の大家エミール・ゾラは、「ありのままに描こうとしても必ずそこには自己のフィルターが介在する。」と語っている。つまり完璧な真実など存在しない。本を心から楽しむのであれば、真実を求めるメガネを外して読まなければならないと思う。

    さて、この『武漢病毒襲来』という本をフィクションとして読んだ結果どうだったか。掛け値なしに素晴らしかった。現実に即した詳細な情報で紙面を隙間なく埋め尽くして畳み掛けてきたかと思えば、『水滸伝』のような地方の力強さを感じさせる逸話が挟み込まれる。リアリティ路線で話を進行させておきながら、主人公を武漢へと運ぶ運転手が突然呼吸困難に陥って死亡するという「ファンタジー」へ方向転換させる。中国共産党の隠蔽体質を暴こうとする生々しく強烈なメッセージを叩きつけながら、同時に低層の人々の中に溢れる「義」を描き出す。ルポルタージュと力強い民話が複雑に絡み合いながら進む本書は、やがてフィクションと現実の垣根を曖昧にしていき、真実を伝えられる以上の衝撃を読み手の心に残していくのである。

    この小説は真実以上に真実である、と逆説を含んだ言い方もできるかもしれない。我々が知っておかなければいけない現実が、本書には克明に記録されている。


    余談になるが、本書にて引用されていた『失踪人民共和国』という、中国共産党の恐ろしき隔離措置、「居住監視」について詳細に書かれている書籍を読みたいと思ったのだが、英語版と中国語版(原題『People's Republic Of Disappeared』)しかないようで残念である。どこかで時間を作って英語版をダウンロードして読まなければいけないな、と思った。

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    2025年09月02日
  • ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在

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    中国政府のウイグル支配により、ウイグル人たちは再教育施設送りに怯え、表現の自由を規制され、宗教をとりあげられている。
    東トルキスタンの国が元は一つの民族だったのに、中国政府の一帯一路圧力により、ウイグル人をテロ組織と認めてしまうような状態。外構政治のやり方が極悪非道すぎる。

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    2023年05月31日
  • ウイグル人という罪─中国による民族浄化の真実─

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    先程感想を書いた「ウイグル人に何が起きているのか:民族迫害の起源と現在」の著者・福島香織さんと清水ともみさんの共著。
    本書の印象としては、上記に挙げた福島さんの本の内容を清水さんが漫画にしてより読みやすくしたうえで、さらに情報の肉付けをされている、といった感じ。
    絵だけでなく現地の写真なども載っているのでイメージがとてもしやすいです。
    清水さんのウイグル関連の前著「命がけの証言」(同様に基本漫画形式)よりも文章量は多いものの、純粋にウイグル問題のみを取り上げており、本書の方がウイグル問題を周りの人に知ってもらうために紹介しやすいとも感じました。
    要するにウイグルの漫画で読む入門書としてベストだと個人的に思った、ということです。
    さらに個人的に思ったことを言うと、福島さんの「ウイグル人に何が起きているのか」と本書を合わせて読むとすごく理解が進みました。
    近いうちに他の当事者の証言本も読もうと思っています。

    タイトルの「ウイグル人という罪」の意を、ウイグル人であるだけで犯罪者に仕立て上げられる現在の状況を指しているのだと思うと、胸が痛くなります…。
    ウイグル人は外国にいてもなお監視されていて、自治区現地では子どもは孤児でないのに孤児院(子どもたちも常に監視され檻に入れられている)に入れられて、親が謂れのない罪で強制収容所に入れられたせいで本当に孤児になってしまったり。
    多くのウイグル人の子どもがいなくなって、やっと見つかったと思ったら臓器を抜かれていたり。
    強制収容所でウイグル人が拷問を受け亡くなっても、勝手に火葬されてしまったり(臓器が抜かれているとの証言も)。
    無理矢理漢人と結婚させられる女性たちも。
    本書の最初に、アブドゥハリック・ウイグル氏の詩・「目覚めよ!(1921年)」(抜粋)とパルハット・トルスン氏の詩2篇「ロプノール」「母語」が清水さんの絵と共に掲載されていたのですが、すごく刺さりました。
    どちらも消えゆく母国の文化や民族に対する痛切なまでの思いが綴られていて…
    ぜひ多くの人に読んでほしい本です。
    ウイグルの詩や物語にも触れたいなと思いました。
    ウイグルは狼にまつわる神話が多いそうで、とても興味深いし踏み躙られて欲しくない文化です。
    踏み躙られていい文化など、そもそもないのですが…。
    でも日本でウイグル人が書いた物語とか出版されているかどうかも分からないので、ちょっとその辺も調べてみたい。あったらぜひ読みたいのですが。

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    2022年10月10日
  • ウイグル人という罪─中国による民族浄化の真実─

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    新疆ウイグル自治区
    弾圧への認知度が日本で高まっているらしい。
    ☆その商品はなぜ安いのか?真の豊かさとは、誰かの人生を踏みつけにした上で享受するものではない。

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    2022年09月18日
  • ウイグル人という罪─中国による民族浄化の真実─

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    漫画で世の中に有意義なことを表現し訴えていくことができるのはいまのところ日本人だけです。
    漫画により中国人により受け続けてきているウイグル人達の惨状を世の中に広めて、ウイグル人達のことを救うためにこの本は作られました。

    Abduxaliq Uyghur 詩人ウイグルの危機を訴えたことにより、盛世才により処刑
    本書の冒頭のこの詩のことばの内容は、わたし自身を始めとして日本人にも向けらていて、とても当てはまって、身につまされる詩の内容だと思いました。

    目覚めよ!(1921)より
    さあ、哀れなウイグルよ、目覚めよ。
    もう十分に眠っただろう。
    おまえには財産はない、
    次は命を失うだろう。
    もし、おまえが目を開けず、
    周りを見渡さなければ何時しか死に至るだろう、
    確実にだ。

    もはや、おまえの体は抜け殻のようだ。

    視野を広げ、周りを見渡せ、
    自分の未来をよくよく考えろ。
    もし、この機会を逃せば、
    未来は危難に遭うだろう。

    遭うだろう。

    その日が来た時、
    おまえは後悔するだろう。
    そして、おまえは私の呼び掛けの真意を理解するだろう。
    おまえは「嗚呼」と嘆くだろうが、
    それでは遅すぎるのだ。

    perhat tursun 1969/1~2018年から強制収容所~生死不明

    P.204の4コマの漫画の中で、
    「自ら守らねば、未来など、あるはずがない。すでに弾圧を受けた渦中にいる人たちが、私たちに教えてくれている。自由か、奴隷か。その二択を。」
    と漫画の中に記されています。

    ですが残酷なことに、いま現在までにウイグル(東トルキスタン)の地で中国人たちにより行われてきていることは、奴隷にされるどころか、民族殲滅・絶滅(ジェノサイド)・浄化させられることです。
    中国人の中で理工系出身の優秀な政治家の指揮・指示・指令のもとに、まず弾圧の矛先は、ウイグル人の中でも影響力が強くて、優れている人間達の、知識人、文化人、実業家、起業家、教育者の著名人に向かった。
    現代世界最先端のテクノロジーを活用してウイグル人達を監視、抑圧し、腎臓・肝臓などの臓器を取り、拷問し、処罰、虐待、処刑していく。

    それらの残酷な惨状を知っているのに見てみぬふりの国際社会、特に人権を売り物にしてきた偽善・極悪・お金ふんだくり権威団体で、散々日本人からお金をふんだくり、日本人を食い物にしてきた、いまのウクライナ戦争にもまったく無力の、「国連」は、いまこそノーベル平和賞をもっとも必要としているウイグル人に授けるべき。
    ウイグル人の優れた実業家である、ラビア・カーディルさんは、実際にノーベル平和賞候補に何度もノミネートされてきたのだから。
    しかし世界的に著名な優れたウイグル人のラビア・カーディルさんは、すでにご高齢。
    「国連」なんぞというのが、世界中の「権威」「力」「人道」『正義』「平和」なのか、存在価値があるのか?
    ラビア・カーディルさんに残された生命の時間は、そう長くはないはず。
    中国も「国連」もそれを待っている。

    大体ノーベル賞の名前となっているノーベルという人物自体が、散々と人殺しをしまくってきた極悪・残酷な「死の商人」です。
    ノーベルなんぞという人間の命を大切にせずに、殺しまくってきた「死の商人」を「偉人」に祭り上げて、ありがたく思わされている今の世界中の人類は頭がおかしくて、とても不幸です。

    本書に名前が登場する、ウイグル人達のことを虐殺してきた中国人政治家を始めとして、中国の政治家たち何人かのことをググって調べました。
    みな「理工系」の出身です。
    幸か不幸か、人類にとってもっとも正解のはっきりとしていて、信頼・信用のできる学力である、「理工系」の学力をしっかりと勉強し、身につけたうえで「政治家」になっています。
    ですから中国人の代表的「政治家」たちは、みな手強くて優秀なのは当たり前だなと思わせられざるを得ませんでした。

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    2022年07月23日
  • ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在

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    現在のウイグルの状況、歴史的経緯、これからのこと、を丁寧に記述している。情報源について、インタビューについても、歴史の部分についても、あやふやな部分はしっかり明示しているあたりさすがであり、単なる中国批判・ウイグル同情論ではない。
    最後の、我々に提示された3つのアプローチまで含め、ウイグル問題の素人がウイグル問題に首を突っ込むにあたり、非常に有意義な本。

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    2022年05月06日
  • ウイグル・香港を殺すもの - ジェノサイド国家中国 -

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    この本の中身を信じるか信じないか。それによってこの本の評価は分かれるだろう。星五つの評価を下した私は…彼の国での五輪はあり得ないと思う。

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    2021年12月20日
  • ウイグル人という罪─中国による民族浄化の真実─

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    こうしている今も進行形で起こっているジェノサイド。
    知らないじゃ済まされないこと決して他人事にしてはいけない事実を知ることができた。
    日本は中国のプロパガンダで誤解していることもたくさんあるのだなと衝撃を受けた。
    ぜひ幅広い人に読んで欲しい一冊。

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    2021年12月16日
  • 米中ソに翻弄されたアジア史

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    カンボジアの歴史の近現代史。カンボジアはほぼ知らないと言っても過言のない国なので、とても勉強になりました。中国と共産党に蹂躙されすぎ。そして王様がいい加減すぎて…。
    今はまた中国に間接侵略されているみたいですが、どうなってしまうのでしょうか?そして日本も傍観してはいられないな、と思うのですが、私にできることは今いる中国人に精日になってもらうようにするくらいか…?

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    2021年03月14日
  • 米中ソに翻弄されたアジア史

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    ネタバレ

     カンボジアといえばアンコールワット、それからポル・ポトの虐殺があったということを辛うじて知っていた程度だったが、かなり複雑で壮絶な歴史を歩んで来たことが分かった。タイトルの通り米中ソに翻弄された他、ベトナムとの関係、残留日本兵が与えた影響など知らない事実がたくさんあった。シハヌーク国王の行動を見ると、「私の命はどうなっても良い」とマッカーサーに仰った昭和天皇はじめ、改めて日本の天皇は誇らしいなとも感じた。
     これからの対チャイナ関係において、カンボジアはじめ東南アジアの情勢にも注視してみようと思う。

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    2020年11月19日
  • 新型コロナ、香港、台湾、世界は習近平を許さない

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     現時点での米中関係を俯瞰するというマクロな視点で参考になったことはもちろん、香港、台湾、中国の中で具体的に何が起こっているのかというミクロな視点も併せて非常に参考になった。非常に読みやすく、筆者も取材で参加された香港デモの記述など感情移入して没入して読んでしまうくらい。具体的な内容次のとおり。
     現時点で国際情勢は、米国に代表される民主主義的、普遍主義的価値観と、中国式全体主義的価値観の衝突を軸に回っており、今回のコロナ事案により、その流れが加速しているという全体的な情勢認識。その上で、我が国としてどういう戦略的立場はあくまで前者に与し、全体主義的価値観に対抗していく一翼となるべきという論理を現場の取材も含む中国ウォッチャーとしての視点から展開する。
     第一章では、2000年代からの香港における民主化デモの背景と、今回の反送中デモの位置付けについて。習近平の強圧政策の下で、一国二制度が風前の灯火となっていること、香港警察が中国公安と一体的に運用され、暴力装置としての傾向が強まっていること、また若き民主化リーダーの一人、周庭さんとのインタビューを引用する形で、民主派の考え、中国に対して抑制的な日本メディアへの苦言を呈している。中でも、「強い国とは経済力だけでなく人権や人命の尊重ができる国」とした上で、日本政府も人権問題について意見表明してほしい、日本メディアは表面だけ見てデモを暴力的と軽々しく言わないで欲しいと訴える。また、選挙離れする日本人に対して折角の権利を行使していないと悔しさを滲ませているのも印象的。
     二章では2020年1月の台湾総統選を扱う。民進党の勝利を蔡英文の勝利では無く、習近平の敗北と位置付ける。やや急進的な蔡英文の国内政策は選挙民の受けは悪く支持率は低迷していたが、習近平が一国二制度による統一を迫る演説をしたこと、その一国二制度が香港で危殆に瀕していること、これに対して蔡英文がノーをはっきりとさせたこと、断固たるコロナ対応で中国からの感染を締め出したことなど習近平のオウンゴールに助けられた点が多く、トランプ政権やオーストラリア政権の支援も側面支援になっていると見ている。
     三章は中国のコロナ対応。SARSの時の隠蔽を繰り返した上に、習近平による個人独裁のせいで現場の情報がまともに上がらず(嫌な情報を上げて勘気を被りたく無い)、十分な情報・分析がないまま判断を迫られるため、政策のピントが外れ、悪循環が生じると分析。例えば、生産の早期回復を指示するのに対して、現場は工場と現地政府がグルになって再開したフリをする、習近平の武漢訪問に際して、住民の不満を交わすために、現地政府が各住宅のバルコニーに警察官を配備して、歓呼の声で答えさせるなど深刻化する現状の糊塗が、コミカルとも言える形で行われていることを紹介。
     四章では、共産党内部で習近平おろしの声が出ていることから秋の党大会で終身制が撤回されるかが注目としている。また、中国による世界の守り手としてのナラティブはイタリアや後進国に浸透しつつあるが、習近平の隠蔽から始まったことを理解している米国はこれに明らかにノーを突きつけているとしている。最後に、コロナ対応のみでは無く、米中の価値観を巡る戦いであるとの大局観を持ち、また中国がその勝者となり、世界のルールを全体主義的なものへと塗り替えていくようなことの内容に我が国としても全力を尽くすべきという観点で書かれている。

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    2020年07月25日
  • 新型コロナ、香港、台湾、世界は習近平を許さない

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    香港の反送中デモ、デモの現場のレポート、知名度の高い周庭へのインタビュー、香港理工大学での立てこもり、香港区議会選挙の香港民主派の勝利、台湾総統選の民進党の勝利、武漢コロナの中共の初期対応のミスと隠蔽、パンデミックの中での中共のプロパガンダ、whoの癒着など、香港・台湾・武漢コロナの3つの事象がまだ完全に終わっていない中でよくまとまっていると思う。広く浅くと言う内容が多いが、1つ1つの検証は今後に任せれば良い。

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    2020年05月30日
  • 新型コロナ、香港、台湾、世界は習近平を許さない

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    大陸ウォッチャーとして、真摯に、時にコミカルに共産中国とその周辺、
    台湾、香港などの国々の状況をも伝えてくださっている、福島香織さんによる一冊。

    ジャーナリストとはかくあるべきか、と感じさせられ、一気読みしてしまいました。

     “(今回のコロナ禍のような危機に直面すると)民主主義の自由と人権を尊ぶ価値観と、
      安定や発展を理由に、時に自由と人権を踏みにじるような手法をとる
      中国式の全体主義的な価値観のどちらがいったい世界にとってより良いのか、
      という判断を問われたとき、一瞬迷う人も出てくると思う”

    との警鐘を鳴らされたうえで、根底では、、

     “日本人の価値観には、はっきりと人権と法治の価値観、民主主義を是とする価値観がある”

    との想いを持たれていて、これは麻生太郎さんが外相時代に提唱された「自由と繁栄の弧」ででも
    「普遍的価値観」と表現され、この価値観を共有できる国々と手を携えて、との理念にも通じる想いかと。

    大枠としては、香港デモから始まり、台湾総統選、コロナ禍(武漢肺炎)、
    そしてアフターコロナのトピックから、香港・台湾の活動が第二局面に、、な流れでしたが、

    先日の全人代で、香港弾圧法(国家安全法)が採択されました、それに伴い、
    香港への「共産中国の軍事力による弾圧を加えることが可能になりました」ので、不安定さが増しています。

    アメリカから、即時にカウンターが出ていのは頼もしい限りですが、一つ疑問なのは、
    こうした弾圧法案に対して声を上げる、人権派(屋)が、どうして日本国内にはいないのか、との点。

    現在進行形で、共産中国が侵略を続けているウイグルやチベットで行われている、
    「民族浄化(エスニッククレンジング)」に考えが及ばないのであれば、相当にお花畑でしょう。

    憲法9条とやらは、日本を侵略から守ってはくれない、それは、連日の尖閣諸島への侵入を見ても明らか、
    にもかかわらず、オールドメディア(第四の権力)は、なぜ、批判的な意見を出さないのか、本当に不思議です。

    また2017年でしたか、共産中国の習近平氏が、実質的な終身国家主席≒独裁制を導入したのは、
    それについても、終身国家主席と化した習近平氏を独裁者と指弾するメディアが皆無であるのも、また不思議です。

    仮に、安倍さんがそんなことをしようものなら、どうなりますやら、、と皮肉を込めたくなりますね。

    まぁ、安倍さんはそんなことは絶対にしないでしょうけども、この戦時下ともいえる、
    コロナ禍(武漢肺炎)への対応のためであっても、愚直なまでに民主的な手続きを守っています。

    それに対して、最速で金寄越せ、でも強権的にするなとは、ただの夢想主義者で、現実感覚がない○○でしょう、
    いわゆる、言うだけ番長ってやつで、現場を知らない声が大きい一部の○○が騒いでる、と信じたいところです。

    そうは言っても、こんな状況下で“民族浄化を行っている独裁者”を国賓待遇とか進めるのであれば、
    さすがに現政権へも批判的にならざる得ません、とも、考えていますが。

    それそれとして、個人的な白眉は、香港デモのアイコンリーダーでもある、周庭(アグネス・チョウ)さんとの対談、

     “強い国、繁栄した国というのは、経済力があるだけでなく、人権や人の命に対する尊重ができる国”

    とは、果たして、今の日本がそうだといえるのか、背筋が伸びる気分でした。

    普遍的価値観を共有できる国々とは、と、久々に思い出させてくれた、そんな一冊です。

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    2020年05月25日
  • ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在

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    新疆ウイグル「自治区」という名称で知るこの地域が蹂躙されている事実が克明にレポートされている。現地では最近ではジャーナリストの取材は大変な困難と思うのだが、福島氏が訪れているのは2019年5月! 肝の座った取材をしている。そこにはあるのはCCTVに監視された作り笑顔、民族消滅の危機に瀕したディストピアだ。日本はウイグルの人たちに何が出来るか。中国共産党の拡張主義に如何に対峙すべきか。1章は胸を締め付けられるような現地レポート。3章、氏の主張は力強い。

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    2019年08月31日
  • 赤い帝国・中国が滅びる日

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    ネタバレ

    人権弁護士狩り、香港書店関係者失踪事件、赤いAKB、天津大爆発、ゴーストタウン、シャドーバンク、大量のゾンビ企業、様々なキーワードがただ消費されていく中国関連報道だが、やはりきちんと体系化していかないと全体像が見えてこなかったり、意外なモノが繋がっていたり。
    一党独裁ではあるが、集団指導体制を敷いている中華人民共和国。
    果たして、習近平は毛沢東の再来となるのか、その苛烈な権力闘争の報復として、失脚あるいは実力で排除されるのか。『チャイナリスク』とは、ミリタリーな物だけでは無く、無理に無理を重ねている中国経済の破綻(あるいは破綻の表面化)、独裁体制強化に対する民心の離反及び事実上の反乱、暗殺による権力からの強制的な排除とその後の混乱など様々なケース及びそれらの複合した形態が予想されると言うことである。
    それらの『チャイナリスク』を未然に防ぐためにも、日本に出来ることはやっていかねばならない。特に、今年は党大会が開かれるので誤ったシグナルを出さないように細心の注意が政府に求められる。

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    2018年10月24日
  • 潜入ルポ 中国の女 エイズ売春婦から大富豪まで

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    収録されている話は知っているものもあったが、知っている話の中で新たな知識が増えたので良かったと思う。
    それは、河南省のエイズ村のこと。非合法の臨床試験が行われていることは知らなかった。
    どの話も気が重くなるものばかり。
    経済成長が続く中国だが、これではまだまだ先進国とは言えないだろう。
    収録されている話の中で唯一希望が持てたのは、嫁に売られたものの、駐在員の家を掃除する職を持った女性である。
    希望を持たせるためにも、あと少し明るい話があれば良かったと思うが、問題山積の中国を題材にしては仕方ないのだろうか。

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    2017年02月28日
  • 本当は日本が大好きな中国人

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    このような本で、中国では銀英伝が大人気。ファンサークルもあるという話を知るのは意外だった。こんな話ばかりではなく、日本のソフトパワーが中国ではどのように受け入れられているかのレポート

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    2015年12月09日
  • 中国食品工場のブラックホール

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    中国の食品問題は 話題満載である。
    なぜ それほどまでに 食品が 軽視され
    信頼関係をなくしているのか?
    中国には わからないことが 実に多いのだ。

    それを 気鋭のジャーナリスト福島香織がどう編集するのかが
    楽しみである。

    『福喜食品』事件は 実に興味深い。
    『食っても、死なないよ』という言葉が
    あまりにも印象的で、なぜそんな言葉を吐いたのか?
    ということに 疑問だった。

    潜入記者が その言葉たちを丁寧に拾ったと言うのが、
    まさに中国らしいのかもしれない。
    内部告発 → 会社への潜入記者 → センセーショナルなスクープ。
    それが CCTV の手法だとすると、
    確かに、党の思惑が かなり 関与しているとおもう。
    マクドナルド、ケッタッキーを始めとした標的にした 
    センセーショナルな食品問題は 
    誰かが 演出していることは確かだ。
    そこまでの 状況証拠は きちんと集めているような感じをした。

    しかし、それにしてもマクドナルドは 
    経営手法におおきな問題があるようだ。
    肥大化した組織が 食に対する安全と管理が確立されていない
    短期的な目で 利益を追求することで 
    おろそかになっているサムシングが 表面化している。

    食品問題を時系列で どんな問題があり
    中国当局が どんな態度を取り
    その事件は 一体 どんな問題があるのかを
    福喜食品、メラミンミルク、毒ギョウザ事件、パナマ咳止めシロップ事件
    などの 最近の主要なことが よくまとめられていて、
    わかりやすく 理解できる。

    塩酸クレンブテロールについては、
    ぜんそく発作の抑制と気管支拡張剤であり、
    その作用は、交感神経を興奮させる作用があり、
    これをエサに混ぜられて食べた豚は
    『興奮し血流がよくなり、脂肪が減り、筋肉に赤みがます。
    肉が鮮やかなピンクとなり、商品化した時に見た目がよくなる。』
    こういうものを 使うと言うのを 中国人の研究者が
    発表したと言うのが おもしろいのである。

    その上で なぜそのような 問題が 繰り返されるのか?
    1 都市戸籍と農民戸籍の矛盾
    2 官僚汚職体質
    が 分析されて、その上で、日本はどうかかわるのか
    指し示している。

    中国の食品問題の 好著である。

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    2015年03月16日
  • 中国複合汚染の正体

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    福島香織さんは、新聞記者で、北京での 食事会の時に参加されていた。
    柔らかい感じの人で、書かれている文章とイメージが少し違った感じを受けた。
    中国の複合汚染をどのように 突撃取材して まとめあげるかと言うことに興味が持てた。
    新聞記者と言う肩書きと フリーのライターでは、取材がしやすいかもしれないとおもった。

    はたして 中国の複合汚染の正体まで 暴きだしているのか?
    ということで言えば、フリージャーナリストとして
    中国をネタにして 書いていかなければ ならないということから、
    ペン先に すこし 躊躇がみられるのは 残念でもある。
    もっと、暴いてもいいことが あるはずなのだが。

    水質汚染、土壌汚染、大気汚染。
    その主たる犯人は 産業活動 にある。

    企業は 利益を上げることを最優先として、
    『環境への配慮』が ほとんどなされない。
    安全性のない食品が平気で売られる。
    死んだブタを食にまわす。
    痩肉精(塩酸クレンブテロール)を使った豚肉。
    メラミン混入牛乳。などが、食の安全を直接 消費者を脅かす。
    企業の倫理 が どこかで ネグレクトされている。

    同時に 地方政府は 儲かる企業を支援していることから、
    環境破壊については、利益が減少するが故に
    目をつぶり、みなかったことにしている。
    そして、出世のために 握りつぶそうとする 木っ端役人。
    その地域の共産党書記だから 中国語では 地元のヘビ と言う感じではあるが。

    そんなことから、工場からの排水、煙突からの有害物質が
    垂れ流されて、構造的な 公害が 広がっていく。

    工場排水を 河川に流すだけでなく
    直接 地下水に 注入して、処理する。
    水は 過剰なまでに 汚染されている。
    そこから、ガン村と言われるような 村が生まれる。

    がんと水質汚染の関連を追求する 良心的な研究者というものが
    存在しない。草の根の 公害を追求する人がいるが
    企業との妥協点を探すにすぎない。
    それでも、前進と言うべきなのだろうか。

    土壌の重金属汚染は もっと深刻である。
    そこから生産される カドミニウム汚染米。
    そして、疑われるイタイイタイ病の存在。
    「軟脚病」と言われているが、
    日本のイタイイタイ病の経験が生かされない。
    というか、中国は 公害をある意味ではみとめていないので、
    活かすこともできない。それは、愚かなことだ。

    雲南の陸良のクロム汚染も、
    雲南にいながらも 知らなかった。
    ビタミンK3 を作る会社 雲南省陸良化工実業。

    クロム残渣土(5000トンあまり)を不法投棄した。
    廃水による汚染もあり、実に悪質だった。
    それによる健康被害も起こった。
    結局は その当事者たちは 捕まったが、
    健康被害を受けた人たちへの補償はされていないようだ。

    大気汚染 PM2.5 は、もっと 被害が 大きく広がっている。
    中国の死因のなかで 肺がんは 大きな比率を占める。
    北京オリンピックのために 北京の空気だけをきれいにする
    という 中国的なメンツが もはや そのレベルでは解決しない。

    この本は 日本人にむけての本であるのが残念だ。
    中国人が 読んでもいい本だとおもう。
    有吉佐和子の『複合汚染』は、1975年に本となり、読んだ時に衝撃的をうけた。
    私自身の その後の農業に対する基本的な視点を与えてくれた。
    その時の『複合汚染』は、農薬、化学肥料というものにまみれた農業を中心に組み立てていた。

    今回の福島香織さんの本は、
    水、土地、そして 空気の汚染を 複合汚染として
    それに立ちはだかる 中国の独特な政治的な構造が 
    解決し得ない複合汚染として 描き出されている。
    『正体』を明らかにするのが ジャーナリストかもしれないが、
    中国における 複合汚染を 解決する チカラは どこにあるのか?
    というところまでは、描き出されていない。

    確かに、日本では 不思議なほど 公害事件が おこっているが
    それを追求する 医者や 大学などの研究者、経済学者、弁護士など
    多くの良識ある人々が 取り組むことで 因果関係を 明確にした。

    中国には 『ガン村』が 400ヶ所以上あると言われるが、
    因果関係が 明らかにならないまま 隠蔽されている。
    住民や農民が 一時的な抗議行動をしても、反政府活動と認定され弾圧される。
    中国の 公害は どういう道筋で 解決されるのかが
    まさに 不透明であり 濃霧におおわれているところが、現実なのかもしれない。

    ただ 水が汚れ 土壌が汚れ 空気が汚れる ということは
    農作物も 汚れるということだ。
    それが、ニンゲンに及ぼされ、生物にも及ぼされる。
    生態濃縮という メカニズムの中で さらに悪循環の未知へ。 

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    2015年02月04日
  • 現代中国悪女列伝

    Posted by ブクログ

    中国で、役人の妻がイギリス人を殺したという事件を覚えているだろうか。どのような環境で育ち、これから目のありそうな男性をどのように落とし、巨万の富を得て、上に登り、こういう事件を起こすことになったのか。中国新幹線の大事故を覚えているだろうか。その裏にいる女性の存在。現代中国における悪女について、実例を挙げながら、その生い立ちから、環境、なぜそのような悪女になっていったかについて語る。「女神的リーダーがいる会社が伸びる」という本があるが、彼女達は女神なのか、魔女なのか。男っぽい部分もあるが、長年にわたり、信頼を築き蓄財していく姿は女性的でもある。どんな美人なのか、ネットで検索しながら読んでしまった。女性って怖い。

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    2013年12月24日