福島香織のレビュー一覧
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台湾問題、香港の2014年の雨傘革命が当事者たちの声を通してリアルに語られる。暢気な発言は憚られるが、雨傘革命はある種の青春を投影したもので、学生運動の熱量にカタルシスを感じる。自由な思想が奪われ、民意が反映されない国家にならぬよう、民主主義を守れ。今、香港の学生は何を感じるだろうか。
もう一つの主題は新型コロナだが、果たして、コロナは終わったのか。感染症そのものは弱毒化しても、それを隠蔽した中国の体質、マスクやワクチン外交に転じた厚顔無恥な態度は是正されない。米中関係は益々悪化。
本著で明かされる共産党の内部事情も面白い。
ー 習近平退陣論が、党内で賑やかれるようになってきました。もち -
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ウイグルという言葉は聞いたことがあるだけで、それが何であるのか、何が問題なのか、全く分かっていませんでした。ウイグル人に対して、いまもこのようなジェノサイドが起きているということは本当に信じがたく、驚きました。
“豊かさとは誰かの人生を踏みつけにしたうえで享受するものではない”という主張には特に共感できます。どんな理由があったとしても、だれかの人生が失われているならば、それは正当化されてはいけないと思います。考え方が違うとか信じるものが違うとかそういうことではないです。浅い知識で他の考えや思想を簡単に尊重することは良くないな、と最近思っています。 -
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中国は巨大な国家であり、世界の至る所に経済の力で影響を及ぼしている。かつて日本が高度成長期に飛躍的に経済が拡大し、何度かの好景気を経ながら世界のトップを覗った頃を更に上回るスピードで経済が巨大化していく。13億人を抱えユーラシア大陸の東に広大な土地を持つ中国。近年では一帯一路構想の元、世界規模で更に影響力を伸ばして行こうとしている。更に中国側から日本を上半分に見た「逆さ地図」を見てわかる様に、広大な太平洋を目指す上では、日本が邪魔な位置に見える。特に台湾や沖縄は日本本土を避けて太平洋へ抜ける上での最良の立地となる。船舶が沖縄で燃料補給しながら更に西の東南アジアや東の太平洋に埋蔵される海底資源を
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ここ数年、中国の権力闘争についてのニュースを読み解くのに、福島さんの意見を参考にすることが多い。
断片的に見聞きする、中国からのニュース。
それも最新のもの、習金平政権による反腐敗キャンペーンによって、獄に繋がれ、あるいは死に追いやられ、または謎の死を遂げる大物政治局員たち。
その反腐敗キャンペーンは、国家人民のために行われているためでは決してなく、胡錦濤、江沢民の流れを汲む権力者たちとの闘争に、習金平が勝ちを収めていく過程に過ぎない。
本書は、その、表面的には反腐敗キャンペーンと糊塗されている権力闘争の真の姿を、細かく解説してくれる。
これは歴史ではなく、いま現在、現実に隣国中国で繰り広げ -
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農民工と呼ばれる工場労働者たちのルポ。
絶望工場とタイトルにあるが、過酷過ぎる労働条件に絶望しているのではなく、諸悪の根源である戸籍制度から決して逃れることが出来ない未来に絶望していると知った。
日本人なら格差があろうと一代で成り上がりも可能だが、中国の農民戸籍の若者はそれが出来ない。本人の努力とは無関係に産まれた時に決まっている。
反日デモが起きると過去の日本の所業がまだ許されてないのか?と思う人や、フォックスコンの自殺が労働条件に因るものと思っている人は、本書を読めばそのベースにある農民工達の絶望を知ることが出来る。中国へ赴任される方にもオススメ。
作者が可能性を示唆するように、中 -
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中国の矛盾の本質は農民工の存在に凝縮されている。農民でありながら工人(労働者)というのが農民工。いわゆる出稼ぎ農民のこと。しかるに日本と決定的に異なるのが戸籍の制度。中国版アパルトヘイトと酷評されている。中国には農村戸籍と都市戸籍があり、農民の子には農村戸籍が、都市民には都市戸籍が与えられる。戸籍は厳格であり、親の身分からは原則逃れられない。都市に押し寄せる農民に資源をくいつぶされないための農民隔離政策である。たとえ大学に進学したとしても就職においては都市民が優先され農民戸籍は大きな挫折を味わうこととなる。今、多くの農村戸籍大卒者が高学歴ワーキングプアとなって都市の片隅で逼塞している。クレバー
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それでも生きている
中国人女性は多様な状況に置かれており、その環境によって考え方や思いなどが形成されるのだろうと感じた。
しかし、ここまで格差が大きな国とは何なのであろうか?
日本では、憲法により基本的人権が保障され、貧富の差はあれども国家に完全に見捨てられるような集団(村や集落)はない。
しかし、国が集団の生活を見捨てたとき、女性たちはそれぞれの思いで生きていくすべをみいだしていくのだろう。
反日感情すら感じることができない人々が未だに多く生きていることに中国という国の矛盾を感じた。
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中国には歴史に名を残す女性がトップ政界の周囲によく現れる。しかし、たいていは悪い評価である。そのような悪女は美女、才媛、世間を驚愕させる事件を起こす、政治権力と関わるという4つの条件が揃っているそうだ。
最近では薄熙来夫人の谷開来がそうで、彼女を筆頭に列伝という書名のとおり江青以来の10人を紹介している。基本的にはゴシップ記事を含む本や伝聞が元であるためか、谷開来では新しい話は出てこないし、話題にならない人の話は薄くなってしまう。
この書では、なぜ中国ではこのような悪女が登場するのかという筆者の見解が読みどころで、ひとつの現代中国論を成しているのだ。公共情婦という言葉あるようで、そうまで