福島香織のレビュー一覧

  • 中国のマスゴミ ジャーナリズムの挫折と目覚め

    Posted by ブクログ

    挑発的なタイトルではあるが、その内容は中国の記者と中国ジャーナリズムの現状を訴えたルポタージュ。最初の企画案では「中国の記者」だったのが「今、中国ものは売れないから」という理由で没になり、同じ内容でタイトルを変えて提案したら通ったとか。この本を読みながら中国という国の難しさを感じると同時に、震災や原発報道での日本のマスコミの対応がダブって見えてしまった。あとがきを読むと、それも本書の狙いの一つだったことが判明。メディア情報に対する意識を変える必要があるかも。

    0
    2011年05月09日
  • 中国のマスゴミ ジャーナリズムの挫折と目覚め

    Posted by ブクログ

    中国の「マスゴミ」なんていうタイトルがついていますが、副題である「ジャーナリズムの挫折と目覚め」のほうこそ内容を指しているように思いました。背景には、中国関係の書物は売れない、という出版事情があったようですが、できればこの副題に注目してもらったほうが良いのではないかと思います。

    本書の中で展開される、SARS発生時の報道をめぐるエピソード。国内で問題が発生した段階で当局が報道規制を敷き、外国メディアが気づいて騒ぎ始めた頃にはすっかり感染が広がっていたという話です。
    もちろんこれは中国の報道規制問題を示す事例として紹介されているのですが、これを隣国の未熟な報道環境として笑えるのでしょうか。
    折から、日本では原発事故に関連して、情報開示とマスコミの対応についての問題が顕になったばかりです。電力会社の記者会見の様子を、私もネット中継で視聴していたのですが、あれを見た後では本書のエピソードはまったく笑えないし呆れることもできない。まるで一緒。
    もちろん、かたや一私企業の、いわば「個人的」ともいえる自己保身、かたや国家崩壊に怯える政府による暴力的な抑えつけがその背景であって、問題の構造は異なるのだけど、結果として伝えるべき情報が伝えられないという点には違いがない。
    当時の中国では、不十分な情報を受けた国民の間に奇妙なデマが流れ、SARSに効くとしてヤクルトやキムチがばか売れしたという…

    諸々の壁に阻まれて必要な情報にアクセスできないとしたら、果たして記者はどうするべきなのか。

    厳しい報道規制と労働条件の下、腐敗していく中国人ジャーナリストたちがいる一方で、なんとかして伝えるべき情報を伝えようと文字通り命がけで取材し、記事を流すべく戦う記者もいるということ。
    インターネットの登場によって、少しずつではあるが、報道が規制に打ち勝つチャンスができつつあること。
    まっとうなプロ意識を持つ中国の記者から見れば、日本の報道環境はうらやましい限りでしょう。けれど、恵まれた環境(もちろんこれが当然の環境であるべきなのだけど)にいる日本人ジャーナリストはその魂を全うしているといえるのか。
    著者は問う…

    著者の記者としての誇り、ジャーナリズムへの愛情が感じられる本です。
    マスゴミと言われるのは中国に限った話ではない。日本こそ、新聞、テレビは死んだ、スポンサーや社内圧力に迎合するばかり、ろくなニュースはないと見切る動きがあります。ある部分はそうかもしれません。でも、それでも報道の仕事に命をかけて、戦い続けている記者がいるし、自らもそうありたいという思いが溢れていると感じました。

    前回読んだ同じ著者による「中国の女」もそうなのですが、具体的な個別の事例を通して、普遍的全体的な問題へと視点を誘ってくれる、血の通った文章。(もっともご本人は、情景描写から入るような文章、マクラとオチがあるような文章が得意で、所謂記事としてのフォーマットにのっかった文章が苦手、と告白しているのですが)
    中国に関心のある人にはもちろんですが、今の日本で今のタイミングで読むと、また大変におもしろいのではないかと思います。

    0
    2011年04月19日
  • 中国のマスゴミ ジャーナリズムの挫折と目覚め

    Posted by ブクログ

    この本で紹介されている中国の状況は、筆者のブログなどでほとんど現地にいる間に知っていた内容であり、報道とは関係ないがSARSやネット規制・政府機関との駆け引きは自分でも経験してきた。特にローカルテレビの報道と、GFWを越えたネット上で知ることのできる情報のギャップは非常に大きい。しかし、この2,3年で海外メディアの報道を直接知ることのない庶民にもそういう情報が漏れ伝わる割合が高くなっているような気がする。また、8年ぶりに日本に戻り見聞きする日本国内での中国報道・中国理解と、実際に体験した中国の現実のギャップも非常に大きいと感じる。中国を知らずに中国を語っている人にはとりあえず読んでもらいたい本だと思う。

    0
    2011年03月08日
  • 米中ソに翻弄されたアジア史 カンボジアで考えた日本の対アジア戦略

    Posted by ブクログ

    米中ソに翻弄された東南アジアの歴史。

    今まで知らなかった東南アジアの近代史について知ることができた。

    0
    2025年11月01日
  • 台湾に何が起きているのか

    Posted by ブクログ

    わかりたい、理解したいのに
    どうしても集中力が続かず、読み飛ばしてしまうことも多かったです。

    台湾と中国の歴史についてはなんとか興味をもてました。

    0
    2025年01月31日
  • 米中ソに翻弄されたアジア史 カンボジアで考えた日本の対アジア戦略

    Posted by ブクログ

    カンボジアの近現代史についての本。
    フランス、アメリカ、中国、ベトナムに翻弄されながら、シハヌーク、ポルポト、ロンノルとプレーヤーも多く、いわゆる華僑の存在と影響が実は大きかったことを知ることができてよかった。

    0
    2024年07月24日
  • ウイグル人という罪─中国による民族浄化の真実─

    Posted by ブクログ

    ウイグルという言葉は聞いたことがあるだけで、それが何であるのか、何が問題なのか、全く分かっていませんでした。ウイグル人に対して、いまもこのようなジェノサイドが起きているということは本当に信じがたく、驚きました。
    “豊かさとは誰かの人生を踏みつけにしたうえで享受するものではない”という主張には特に共感できます。どんな理由があったとしても、だれかの人生が失われているならば、それは正当化されてはいけないと思います。考え方が違うとか信じるものが違うとかそういうことではないです。浅い知識で他の考えや思想を簡単に尊重することは良くないな、と最近思っています。

    0
    2024年07月09日
  • ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在

    Posted by ブクログ

    中国は巨大な国家であり、世界の至る所に経済の力で影響を及ぼしている。かつて日本が高度成長期に飛躍的に経済が拡大し、何度かの好景気を経ながら世界のトップを覗った頃を更に上回るスピードで経済が巨大化していく。13億人を抱えユーラシア大陸の東に広大な土地を持つ中国。近年では一帯一路構想の元、世界規模で更に影響力を伸ばして行こうとしている。更に中国側から日本を上半分に見た「逆さ地図」を見てわかる様に、広大な太平洋を目指す上では、日本が邪魔な位置に見える。特に台湾や沖縄は日本本土を避けて太平洋へ抜ける上での最良の立地となる。船舶が沖縄で燃料補給しながら更に西の東南アジアや東の太平洋に埋蔵される海底資源を採りに行けることは中国にとっては大きな利点だ。最早、眼前には浮かんでいる日本の姿を飛び越え、アメリカを意識して軍事力強化を図っている。
    その様な中国の光が当たるオモテ側の発展とは逆に影に当たる問題、それがウイグル族やチベット族などの自治区の問題である。既に世界中を駆け巡るニュースでも、多くの書籍でも、これら中国の一部になっている民族浄化の国家戦略は世界中から多くの批判を受けている。新疆ウイグル自治区に存在する強制収容所紛いの施設に放り込まれた住人が、リンチや共産党国家思想を無理やり叩き込まれ、進行するイスラムや自分達の言葉さえ禁じられた世界だ。
    かつて太平洋戦争に負けて、戦勝国アメリカが日本を長期に渡り間接統治(実質直接統治の状態だが)をしていた。もしその際に日本語を喋っただけで牢屋にぶち込まれ、君が代を口ずさむことも、おばあちゃんから教わった日本の民謡すらも全て禁じられ、英語以外の会話を禁じられたとする。勿論、お正月も七五三もお盆も伝統的な日本の行事は禁止、ハロウィンやクリスマスなどキリスト教的な行事以外はできず、日本食を作ることさえ禁じられたら。今、ウイグル自治区は正にその様な状態にある。徹底的な共産党教育が行われ、幼い頃から中国共産党として生きていく事を強いられる。そして年老いた真のウイグルを知る世代がやがていなくなる頃には、顔はまだ堀の深いウイグル人の面影をかろうじて残しながらも(漢民族との交配が国家的に進められる)いつかはウイグル人そのもの、文化、歴史は地球上から消し去られる。これが中国が行なっている民族浄化の実態なのだろう。様々な書籍でその壮絶な経験が語られ、世界中が批判している内容全てが偽りとも思えず、またかつてのナチスドイツがユダヤ人に対して実施してきた歴史もあるから、共産党が絶対的な権力を持ち、領土拡大に熱心な中国の姿を見ているとほぼ間違いないことだと思われる。
    筆者は日本人はこの問題に対しての意識が低く、どこか遠い世界の出来事として関わり合いを持とうとしないことを危惧する。そして日本人としてできることは何か、1人のジャーナリスト以前の人として提案をしている。先ずはこういった書籍を見て実態を知ること、そして虐げられる民族のために何ができるかを考え始める必要がある。
    中国が真の世界の覇者になれるとすれば、こうした非人道的な手を使わずとも、あらゆる民族の人権を尊重した形で共に発展していける様なやり方を知らなければならない。こうした力による押さえつけや、暴力的な進め方は、益々世界から中国批判の壁を強固にするだけであり、いつかは反撃を喰らうであろう。だからいつまで経っても覇者にはなれず、火種ばかりを抱えた危うい国家から抜け出すことは出来ない。
    習近平が毛沢東や胡錦濤に続く偉大な指導者になるには、それくらいの手腕がないと永続的な中国発展は訪れず、いずれは類を見ない超高齢社会として経済力は徐々に低下し、世界から見捨てられる様な気がしてならない。

    0
    2023年09月24日
  • ウイグル人という罪─中国による民族浄化の真実─

    Posted by ブクログ

    恐ろしい事実を伝えようとする人たちを尊敬する。

    文化大革命の成功という、歴史上の大失敗。穏健派の失脚。生きている人間からの臓器摘出や奴隷同様の労働搾取。恐ろしい事実は挙げればキリがない。
    日本人であることが罪になるとしたら、私はどうやって無実を証明したら良いのか。考えると絶望してしまう。

    0
    2022年05月09日
  • 本当は日本が大好きな中国人

    Posted by ブクログ

    ルポとしてはとても優秀で、現代中国風俗の中での日本文化なるもののポジションがよくわかる、よく纏まっていて、大変読みやすい本。

    0
    2020年01月10日
  • 中国のマスゴミ ジャーナリズムの挫折と目覚め

    Posted by ブクログ

    中国の報道統制の厳しさ、国としての制御の腐心がわかる。
    中国をみて、我が日本もマスコミを戒めてみることが必要に思えた一冊

    0
    2019年06月12日
  • 孔子を捨てた国――現代中国残酷物語

    Posted by ブクログ

    本書に書かれた事例がすべてではなく、一般庶民の生活が本書に書かれたほど悲惨ではないとは思うものの、かの国で生き残るのは並大抵ではないだろう。

    0
    2017年10月29日
  • 中国美女の正体

    Posted by ブクログ

    お二人とも女性の中国研究家としては、有名な方です。中国美女の正体といっても、中国女性の話だけでなく、中国全体の文化論になっています。表紙がピンクで通勤電車で読むには多少恥ずかしいか?

    0
    2017年09月23日
  • 権力闘争がわかれば中国がわかる

    Posted by ブクログ

    ここ数年、中国の権力闘争についてのニュースを読み解くのに、福島さんの意見を参考にすることが多い。

    断片的に見聞きする、中国からのニュース。
    それも最新のもの、習金平政権による反腐敗キャンペーンによって、獄に繋がれ、あるいは死に追いやられ、または謎の死を遂げる大物政治局員たち。
    その反腐敗キャンペーンは、国家人民のために行われているためでは決してなく、胡錦濤、江沢民の流れを汲む権力者たちとの闘争に、習金平が勝ちを収めていく過程に過ぎない。
    本書は、その、表面的には反腐敗キャンペーンと糊塗されている権力闘争の真の姿を、細かく解説してくれる。
    これは歴史ではなく、いま現在、現実に隣国中国で繰り広げられている闘争である。

    その、不安定な国家は、現在、世界第二位の軍事国家であり、核兵器を保有し、隣接諸国との境界線を伺う状態にある。国内の不安定さを解消するには、国外の敵に対して一致団結するという方法も、選択肢のひとつに数えられるはずだ。
    本書は、習金平がこれからたどると考えられる道を、4つのシナリオとして提示する。そのどのシナリオも、隣国である我が国に、大いなる影響を及ぼすことになるのだろう。

    0
    2016年03月08日
  • 中国絶望工場の若者たち 「ポスト女工哀史」世代の夢と現実

    Posted by ブクログ

    農民工と呼ばれる工場労働者たちのルポ。

    絶望工場とタイトルにあるが、過酷過ぎる労働条件に絶望しているのではなく、諸悪の根源である戸籍制度から決して逃れることが出来ない未来に絶望していると知った。

    日本人なら格差があろうと一代で成り上がりも可能だが、中国の農民戸籍の若者はそれが出来ない。本人の努力とは無関係に産まれた時に決まっている。

    反日デモが起きると過去の日本の所業がまだ許されてないのか?と思う人や、フォックスコンの自殺が労働条件に因るものと思っている人は、本書を読めばそのベースにある農民工達の絶望を知ることが出来る。中国へ赴任される方にもオススメ。

    作者が可能性を示唆するように、中国の社会構造が変わるとしたら、ここからかもしれない。

    0
    2016年02月09日
  • 本当は日本が大好きな中国人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    インバウンドのセミナーがあり、中国人が大挙している実情の中、彼らが日本のことをどう思っているのかと。ドラえもん、高倉健、蒼井そら、村上春樹などの中国で人気のある人物?を通して、また、現地で人気のジャスコや、お土産に買われていく南部鉄瓶を通して、中国人の日本観を説く。

    0
    2015年07月06日
  • 中国絶望工場の若者たち 「ポスト女工哀史」世代の夢と現実

    Posted by ブクログ

    中国の矛盾の本質は農民工の存在に凝縮されている。農民でありながら工人(労働者)というのが農民工。いわゆる出稼ぎ農民のこと。しかるに日本と決定的に異なるのが戸籍の制度。中国版アパルトヘイトと酷評されている。中国には農村戸籍と都市戸籍があり、農民の子には農村戸籍が、都市民には都市戸籍が与えられる。戸籍は厳格であり、親の身分からは原則逃れられない。都市に押し寄せる農民に資源をくいつぶされないための農民隔離政策である。たとえ大学に進学したとしても就職においては都市民が優先され農民戸籍は大きな挫折を味わうこととなる。今、多くの農村戸籍大卒者が高学歴ワーキングプアとなって都市の片隅で逼塞している。クレバーな頭脳を持ちながら貧困。都市の中での深い孤独を感じながら、社会への憎悪が膨れ上がる。ストライキ頻発の大きな要因がここにある。終章には希望を喪失した中国の若者の救世主となりうべきは日本であると喝破している。日本の今後が大いに期待される。

    0
    2014年07月11日
  • 潜入ルポ 中国の女 エイズ売春婦から大富豪まで

    購入済み

    それでも生きている

    中国人女性は多様な状況に置かれており、その環境によって考え方や思いなどが形成されるのだろうと感じた。
    しかし、ここまで格差が大きな国とは何なのであろうか?
    日本では、憲法により基本的人権が保障され、貧富の差はあれども国家に完全に見捨てられるような集団(村や集落)はない。
    しかし、国が集団の生活を見捨てたとき、女性たちはそれぞれの思いで生きていくすべをみいだしていくのだろう。
    反日感情すら感じることができない人々が未だに多く生きていることに中国という国の矛盾を感じた。

    0
    2013年12月17日
  • 現代中国悪女列伝

    Posted by ブクログ

     中国には歴史に名を残す女性がトップ政界の周囲によく現れる。しかし、たいていは悪い評価である。そのような悪女は美女、才媛、世間を驚愕させる事件を起こす、政治権力と関わるという4つの条件が揃っているそうだ。
     最近では薄熙来夫人の谷開来がそうで、彼女を筆頭に列伝という書名のとおり江青以来の10人を紹介している。基本的にはゴシップ記事を含む本や伝聞が元であるためか、谷開来では新しい話は出てこないし、話題にならない人の話は薄くなってしまう。
     この書では、なぜ中国ではこのような悪女が登場するのかという筆者の見解が読みどころで、ひとつの現代中国論を成しているのだ。公共情婦という言葉あるようで、そうまでして成り上がろうとする又は成り上がろうとせざるを得ない中国人はたいへんだな、と私は同情のような感想を持ったが、筆者は切ないと感じたそうである。

    0
    2013年12月09日
  • 中国「反日デモ」の深層

    Posted by ブクログ

    「反日デモ」は、中国人民の反日感情が嵩じて起きるのではない。現代の中国共産党一党独裁政権の中で一番虐げられ、自由を奪われているのは中国人民である。本書は、その多くのページが中国独裁政府による中国人民への弾圧の告発、そして政府と闘う人民のために割かれている。
    そして、中国政府は、その人民の怒りの矛先を逸らせるために、反日デモを組織しているのだと指摘している。

    0
    2013年02月28日