福島香織のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
香港に住んで、スタッフに大陸出身者も抱えて仕事してるから、普通に日本に住んでるよりは中国人について知ってる方だとは思う。けど、日本人同士だって世代が違えば判らないように、今の中国の若い子が考えてることなんて判ったようで判ってない。最近発売になる中国本と言えば、叩くか阿るかばかりのなかで、まあこの本は割とストレートに今の中国人の日本への想いを伝えているんじゃないかな、と思う。日本にいて、普段中国に接することが無くて、漠然と中国人にネガティブな感情持ってる人は、取っつきやすいし読んだらいいんじゃないかな。大体、中国人は日本について良く知ってるのに、日本人は中国に興味がないから、情報量に差がある。これは徹底的に事実だと思う。そうするとネガティブな感情って蔓延しやすい。
余談だが僕の部下には中国大陸出身の若い子が4人いる。みんな20代で独身で、まあ正直何考えてるのか良くわかんない(苦笑)。でも、日本人の下で働くのも全然嫌そうじゃないし、日本に出張って言うと行きたそうにしてる。彼らがどんなこと考えてるのか、改めて話してみようとも思ったよ。(^^; -
Posted by ブクログ
ゴシップとして読むのにおもしろい本。
ただ悪女とかってそんな風に簡単にカテゴライズできるものなのか・・・
なんかもっといろいろあったからこそなのにほんとシン
プルに区分けしていく。
あと「日本に生まれたからよかった」みたいなのが作者の中で一環している気がしたんだけど、どうしてそんなに赤ちゃんみたいに日本という国を信じられるんだろう。
確かに中国で生きて行くのは大変。でも日本だって簡単じゃない。一概に比べられないってこと、中国を知って深みにはまってしまえばしまうほど考える気がするんだけど、そういう感じはなくて、やっぱり中国に中国人に作者の心の距離的なものを感じてしまった。
だからやっぱり女性自身的な一の本。 -
Posted by ブクログ
現代中国の様々な層に生きる女性を取材したルポルタージュ。2011年に刊行されたものの文庫版。文庫版のためのあとがきが増補されている。全四章構成。
第一章 エイズ村の女たち
第二章 北京で彷徨う女たち
第三章 女強人(女傑)の抬頭
第四章 文革世代と八〇后と小皇帝たち
最初から重たいものを扱っている。河南省上蔡県文楼村は売血によってエイズが蔓延した村。そこに生きる女性を取材している。現代の中国が「一人っ子政策」をとっていることは、中学校の社会で習うだろう。しかし、その上で妊娠してしまったり、産まれた子が女の子であった場合どうなるか、ということまでは習わないと思う。さらに未だに儒教思想が農村を中心に色濃く残っており、根本部分で男尊女卑であることまではなかなか知られていない部分ではないだろうか。
その上で、取材対象の女性の話を読むとすさまじいものを感じる。とにかく「男の子を産む」ことが至上命題で、現実に「育てる」ことは二の次なのかもしれないと感じた。
生きていくために売春婦になる女性は、古今東西を問わずどこにでもいる。それがエイズ村と呼ばれる村であっても。筆者はあまりにエイズに対し慎重さを欠く売春婦や女衒に嫌悪感を抱いたかもしれない。しかし、最終的には「生き方」への問いということになろうか。極めて貧しい農村で、明日もわからず生活するくらいなら、パッとかせいで昨日よりは少しでもましな暮らしをしたい。たとえその結果エイズになったとしても。かなり刹那的に感じるが、豊かさや暮らすための知識、知恵を得る学校にだって通えないほど貧しければ(理屈というか建前としての社会主義国ではありえないと思うが)、それを知る術がない。生まれてきて全てが悪循環になる。
第二章では、場所を首都北京に移し、やはり売春婦を中心に取材している。一章でも感じたが、「したたかに生きる」というのは、何も中国だけに限った話ではない。男尊女卑についても、現代のアフリカ諸国にも根深く残っている(内海夏子『ドキュメント女子割礼』(集英社新書、2003)参照)。同性愛については、アメリカでも一昔前まで精神障害の扱いだったわけだから、中国ではなおのこと厳しい扱いだったのだろう。しかし、同性愛者がカミングアウトできるのは北京という都会だからかもしれない。これが地方の田舎ではそうはいかないような気がする。
第三章では、経済的に成功した女性、人権活動に従事して公安に拘束された女性、チベット民族主義者の女性、中国初の女性漫画家、野生動物保護活動家などへの取材。
興味深かったのは、人権活動家の話。公安のネットワークはさすが社会主義国と思わせる。スカイプですら盗聴できるんですか、そうですか…。なんとなく、人海戦術なのかと思ってしまうが、高性能な機械も導入しているのだろうな。
第四章では、知識人であった父を持ち、文革時代を生きた女性と、1980年代以降に生まれた「八〇后」と呼ばれる世代の女性。章女史の食事オーダーこそ「中庸」とよばれるものではないかと感じた。天安門以降の学生は自分でものを考えようとしないと述べるが、これは今の日本の大学生も同じであると思う。とすると、日本の場合はいつ頃からそんな感じになってしまったのか。ただ、気をつけたいのは八〇后と一括りにして本当に良いのかどうか。若者の考え方が、田原のような子が多いのだとすれば、それは共産党の思惑通りということでもある。では、中国内で現状に大いに不満を持ち、爆発しそうな層はどのような層なのか。ここへの言及が欲しかった。
読後感としては、「やや勿体ない」。中国社会の様々な層の女性を取材しているのはよくわかったが、もっと民族や地域を広くとった取材をしてもよかったと思う。そうなると、一冊ではとてもまとまらず、それこそシリーズ物になってしまうかもしれないが。
巻末の解説は金美齢さん。基本的にハッキリと物を仰る方の解説。中国という「漬物甕」からはいだした者こそが成功するというところには、なるほどと思ったが、違和感も感じた。その成功は結局「金」なのではないか。他人より裕福でありたいと強く思うから「はいだす」という表現になるのかと思うのはひれくれ過ぎだろうか。また、どうも金氏のいう「強さ」が「したたかさ」にみえて仕方がない。中国の女性と比べると日本の女性は守られている、中国の女性の方が強いというが、その強さは自慢できるものなのだろうか。なお、したたかさでいうなら、そのような女性は日本に限らずどこにでもいる。従って、女性を創るのは「場の力」である、とまとめるが、それは日本や中国といった民族的な区分による場ではく、貧富の差にみられる経済的な場の力なのではないかと考える。 -
Posted by ブクログ
本書は中国社会で生きる女性たちを追ったルポルタージュで、政治的にも社会的にも自然環境的にも過酷な地で女性に生まれることは決して幸福とは言えない中でも生きて、恋し、子供を産み、戦う姿に打たれます。
『その国をよく知るにはまず女だ』という言葉がまことしやかに流されていて、それが本当かどうかはわかりませんが、この本では中国の女性、それもさまざまな社会背景や生い立ちを背負った女性たちが筆者の取材から明らかにされてきて、あの国の持つ闇の深さと多様性、苛酷な環境に身をおきながらも生きて、恋をし、子供を産む。そういう女性たちのパワーを目の当たりにしたような気がいたしました。
最初から強烈なもので、村全体でエイズに感染した『エイズ村』でどうしても男の子を授かりたくて自らがエイズに侵されているにもかかわらず、子供を産もうとする女性や、若くしてクラブを経営する女性が仕事が終わったあとで店にいる女性たちを連れて中国版のホストクラブに行って豪遊する姿には、こういうところは男女の『プロ』同士が集う場所なんだな、ということは日本でも中国でも変わらないなぁ、などと思いながら見入ってしまいました。
さらに女強人(女傑)を扱った箇所では貧しい環境から古紙回収の世界に体ひとつで飛び込んで、巨額の資産を築いた女性の半生や、中国当局ににらまれて彼らに拉致、監禁されながらも自分の主張を曲げない運動家の女性など、さらには文革世代と「八〇后」と呼ばれる1980年代以降に生まれた女性との世代間意識が浮き彫りになっている箇所があったりと、かの国で生きる女性たちのたくましさや弱さ、そして強さを余すところなく書き記した一冊だと思います。 -
Posted by ブクログ
反日デモしたり、フォックスコンの工場で自殺する現代中国の若者たちを、元新聞記者で現フリージャーナリストの筆者が、自分で現地事情や当の若者たちに取材して、なかなか見えてこない実際の姿を個人の目線で描写した本である。一人っ子政策とか、都市戸籍農民戸籍とか、第二代農民工とか、彼らを生んだ状況や、労働と賃金の理想とのギャップ、など様々なストレスにもまれ、ときどき爆発してしまうと著者は分析する。個人レベルまで下りての考察なので、説得力がある。マスコミで語られる表向きの上から目線の解説よりも考えさせられるところがある。もちろん、夢をもって我慢しながら努力し続ける人もいるし、決して絶望だけを指摘しているわけではないので、表題や副題から感じるおどろおどろした感じは、読んでみるとそれほどではない。筆者の人柄によるものかもしれない。
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Posted by ブクログ
第二代農民工と呼ばれ、労働者として工場で働く八〇后、九〇后の若者たち。日本に出稼ぎに行き一儲けした人、完璧さを求めるが故に却って効率を失う日本の工場、彼らが働く現場や彼ら自身の生の声を綴ったルポ。
中国関連のニュースは多い。だが、注目されるのは「購買意欲の高い中国の富裕層」「脅威としての中国」といった特定の文脈でのニュースばかり。そうした中で、本書は日系企業の製品を"買う"側ではなく、日系企業の工場で製品を"作る"側である第二代農民工の若者に焦点を当てたものであり、読んで間違いなく損はない。
第一代農民工とは違い、第二代ではネットや携帯電話の普及により、自分たちの生活とは違う、もっと格段に洗練されて都会的な生活があることをより具体的に知っている。だが彼らが実際に都会に出ると、そうした理想的な生活も近くにありそうなのに実は遥か遠いところにあることに否応無く気づかされる。そうした苛立ち、またその都会人の生活を自分たちが支えているともなれば、確かにフラストレーションも溜まるだろう。
自分も所謂"八〇后"で、本書で語られる若者たちと同じ世代。彼らの横暴さというのも、自分たち日本の若者とごくごく同じ欲求―自己表現、自由な時間、夢を追う生き方―を源泉として発生しているのだとしたら?日本人であってもそれらの欲求を満たすのは実際は難しいのだが、彼ら第二代農民工はハナからそれらを諦めざるを得ない状況に置かれてしまう。それでも「貧しい中国人だから仕方ない」と一蹴できるだろうか?
彼らの行動を表面的に見れば、単なる横暴な若者の振る舞いに過ぎない。だがしかし、これだけ情報が世界で共有されている中で、世界中の若者の考えや意識も似通ってきており、そうしたごく普通の若者としての意識と、農民工として向き合わされる中国の現実ののギャップに絶望感を抱いてしまうのも無理はない(彼らより恵まれているであろう日本の若者すらそうなのだから)。彼らの結果としての行動ではなく、その背景や内面に迫っていくことが、日本企業、また個々の日本人が彼ら第二代農民工と上手に付き合っていく鍵になるのではないだろうかと、そんなことを思わされる一冊。 -
Posted by ブクログ
中国美女の正体を知りたくて読書。
やや偏った印象も受けるが、中国を熟知している日本人女性が中国人女性を語るコンセプトはユニークだと思う。
文中に中国はEUとアフリカを一緒したくらいの多様性があると紹介されているが、中国へ来たことなく知らない日本人が一元論的に中国はこうだと決めつけるのはのは、現実が見えなくなるので危険だ。大連しか住んだことない私でも同感。外へ出たがらない人が増える傾向にあるという現代日本にはそんな人も少なくないように感じる。多種多様な情報や知識を学び複眼思考で考えられるようにしたい。
著者の1人の福島さんがワイフワークが夜やアングラ世界をフィールドにしてきことが感じられる視点が面白い。
中国を知るためにはまずは風俗からなのかもしれない。
漢民族と少数民族を比較しているくだりも興味深く読ませてもらった。
読書時間::約1時間15分
本書はお借りしています。有り難うございます。