福島香織のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ゴシップとして読むのにおもしろい本。
ただ悪女とかってそんな風に簡単にカテゴライズできるものなのか・・・
なんかもっといろいろあったからこそなのにほんとシン
プルに区分けしていく。
あと「日本に生まれたからよかった」みたいなのが作者の中で一環している気がしたんだけど、どうしてそんなに赤ちゃんみたいに日本という国を信じられるんだろう。
確かに中国で生きて行くのは大変。でも日本だって簡単じゃない。一概に比べられないってこと、中国を知って深みにはまってしまえばしまうほど考える気がするんだけど、そういう感じはなくて、やっぱり中国に中国人に作者の心の距離的なものを感じてしまった。
だからやっぱり -
Posted by ブクログ
現代中国の様々な層に生きる女性を取材したルポルタージュ。2011年に刊行されたものの文庫版。文庫版のためのあとがきが増補されている。全四章構成。
第一章 エイズ村の女たち
第二章 北京で彷徨う女たち
第三章 女強人(女傑)の抬頭
第四章 文革世代と八〇后と小皇帝たち
最初から重たいものを扱っている。河南省上蔡県文楼村は売血によってエイズが蔓延した村。そこに生きる女性を取材している。現代の中国が「一人っ子政策」をとっていることは、中学校の社会で習うだろう。しかし、その上で妊娠してしまったり、産まれた子が女の子であった場合どうなるか、ということまでは習わないと思う。さらに未だに儒教思想が農村を中 -
Posted by ブクログ
本書は中国社会で生きる女性たちを追ったルポルタージュで、政治的にも社会的にも自然環境的にも過酷な地で女性に生まれることは決して幸福とは言えない中でも生きて、恋し、子供を産み、戦う姿に打たれます。
『その国をよく知るにはまず女だ』という言葉がまことしやかに流されていて、それが本当かどうかはわかりませんが、この本では中国の女性、それもさまざまな社会背景や生い立ちを背負った女性たちが筆者の取材から明らかにされてきて、あの国の持つ闇の深さと多様性、苛酷な環境に身をおきながらも生きて、恋をし、子供を産む。そういう女性たちのパワーを目の当たりにしたような気がいたしました。
最初から強烈なもので、村全 -
Posted by ブクログ
反日デモしたり、フォックスコンの工場で自殺する現代中国の若者たちを、元新聞記者で現フリージャーナリストの筆者が、自分で現地事情や当の若者たちに取材して、なかなか見えてこない実際の姿を個人の目線で描写した本である。一人っ子政策とか、都市戸籍農民戸籍とか、第二代農民工とか、彼らを生んだ状況や、労働と賃金の理想とのギャップ、など様々なストレスにもまれ、ときどき爆発してしまうと著者は分析する。個人レベルまで下りての考察なので、説得力がある。マスコミで語られる表向きの上から目線の解説よりも考えさせられるところがある。もちろん、夢をもって我慢しながら努力し続ける人もいるし、決して絶望だけを指摘しているわけ
-
Posted by ブクログ
第二代農民工と呼ばれ、労働者として工場で働く八〇后、九〇后の若者たち。日本に出稼ぎに行き一儲けした人、完璧さを求めるが故に却って効率を失う日本の工場、彼らが働く現場や彼ら自身の生の声を綴ったルポ。
中国関連のニュースは多い。だが、注目されるのは「購買意欲の高い中国の富裕層」「脅威としての中国」といった特定の文脈でのニュースばかり。そうした中で、本書は日系企業の製品を"買う"側ではなく、日系企業の工場で製品を"作る"側である第二代農民工の若者に焦点を当てたものであり、読んで間違いなく損はない。
第一代農民工とは違い、第二代ではネットや携帯電話の普及により、自分たちの生活とは違う、もっと格段に洗練 -
Posted by ブクログ
中国美女の正体を知りたくて読書。
やや偏った印象も受けるが、中国を熟知している日本人女性が中国人女性を語るコンセプトはユニークだと思う。
文中に中国はEUとアフリカを一緒したくらいの多様性があると紹介されているが、中国へ来たことなく知らない日本人が一元論的に中国はこうだと決めつけるのはのは、現実が見えなくなるので危険だ。大連しか住んだことない私でも同感。外へ出たがらない人が増える傾向にあるという現代日本にはそんな人も少なくないように感じる。多種多様な情報や知識を学び複眼思考で考えられるようにしたい。
著者の1人の福島さんがワイフワークが夜やアングラ世界をフィールドにしてきことが感じられる -
Posted by ブクログ
中国の「マスゴミ」なんていうタイトルがついていますが、副題である「ジャーナリズムの挫折と目覚め」のほうこそ内容を指しているように思いました。背景には、中国関係の書物は売れない、という出版事情があったようですが、できればこの副題に注目してもらったほうが良いのではないかと思います。
本書の中で展開される、SARS発生時の報道をめぐるエピソード。国内で問題が発生した段階で当局が報道規制を敷き、外国メディアが気づいて騒ぎ始めた頃にはすっかり感染が広がっていたという話です。
もちろんこれは中国の報道規制問題を示す事例として紹介されているのですが、これを隣国の未熟な報道環境として笑えるのでしょうか。
折 -
Posted by ブクログ
この本で紹介されている中国の状況は、筆者のブログなどでほとんど現地にいる間に知っていた内容であり、報道とは関係ないがSARSやネット規制・政府機関との駆け引きは自分でも経験してきた。特にローカルテレビの報道と、GFWを越えたネット上で知ることのできる情報のギャップは非常に大きい。しかし、この2,3年で海外メディアの報道を直接知ることのない庶民にもそういう情報が漏れ伝わる割合が高くなっているような気がする。また、8年ぶりに日本に戻り見聞きする日本国内での中国報道・中国理解と、実際に体験した中国の現実のギャップも非常に大きいと感じる。中国を知らずに中国を語っている人にはとりあえず読んでもらいたい本