【感想・ネタバレ】台湾に何が起きているのかのレビュー

あらすじ

「米台は自主自決の運命共同体であるだけでなく、多くの共通の安全保障のテーマをもつ」「我々は台湾を絶対見捨てない」。2022年8月、米国のナンシー・ペロシ下院議長が訪台し、蔡英文総統と会談。中国にとって、威嚇的な「戦狼外交」が無視された衝撃的瞬間である。だが中台統一を自らの業績にしたい習近平主席が、台湾の併呑を諦めることはない。では、台湾は本当に中国の一部なのか。自らを中華、華人、チャイニーズと見なす台湾人も多いが、「私はタイワニーズ」と名乗る台湾人も増えている。著者は台湾侵攻、米中戦争の行方とともに、台湾人の歴史的ルーツを探る。漢人ではなく南太平洋島嶼国からの源流や独自の「十三行文化」、オランダ植民地時代から日本統治、中華民国の時代まで台湾・日台の歴史を通覧し、わが国に「友を守る覚悟」を問う。中国は台湾のEEZ(排他的経済水域)と同時に、日本の与那国島近海にもミサイルを撃ち込んできた。もはや対岸の火事ではない。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

距離的に近い台湾の事情を理解していなかったし、歴史についてほとんど知らなかったのが恥ずかしいと思う。
本当に勉強不足を感じてしまう。
50代の今になり、読書によって初めて知るという体たらく。
これは台湾に限らず、日本を取り囲む、中国・韓国・ロシア・北朝鮮についても、正しく理解しているとは、とても言い難い。
私自身、諸外国を正しく理解しようと努めてこなかった点を、大きく反省すべきところだ。
今はあらゆる面においてグローバル化が進んでおり、「知らない」では済まされない。
この複雑な社会情勢であるがゆえに、地政学と歴史を正しく学習し、自分自身の考えを持っておかなければいけないと本当に思う。
ということで、最近はこれらの書籍を見つけると手に取ってしまうのであるが、他国を知れば知るほど、日本が本当に特殊な国なのだと感じてしまう。
そもそも、周辺国含めて世界中の国の至る所が、侵略と殺戮の繰り返しである。
王朝が変われば、前の王朝は当然に滅ぼされ、そこに仕えていた民衆までも虐殺されるというのが普通だったりする。
日本でも戦国時代は大名同士の争いがあったし、天下分け目の関ヶ原の戦いもあったから、争いが全く無かったわけではない。
しかし、民衆が皆殺しにされるようなことはなかったと思う。
(もしかしたら探せばあるのかもしれないが、他国の規模とは比較にならないのではないか)
日本の状況と比べ、台湾の歴史については、知れば知るほど驚いてしまう。
その歴史には、日本も当然に絡んでいる訳で、これら過去の経緯を理解するほど、外交が単純ではないことを改めて感じる。
台湾から見る日本。
そして、中国や韓国から見る日本。
向けられる視線が、なぜこんなにも違うのか。
近隣国家間の関係は「絶対に引っ越しが出来ない、リセットできないお隣さんの関係」と例えられることがあるが、本当にその通りだと思う。
世界が益々複雑化する中で、台湾との関係を良好にしておくことは、今の日本にとってはものすごく大事なことだ。
台湾有事はいつ起こるか分からない。
起きてから準備したのでは遅いのだ。
今現在でも台湾有事について懐疑的な意見を言う人も存在する。
しかしながら、こうして歴史を学び、今の状況を見ると、何をどう考えても安心して過ごす訳にはいかない。
しかも日本の周囲には、中国・韓国・ロシア・北朝鮮が位置している。
何かが起きてからでは遅いのだ。
日本にもかつて、平和を維持するために命懸けで戦った時代があった。
そしてその時代には、台湾は日本の一部だった。
更に遡れば、その台湾が日本の一部になったのは、日本が当時の清国との戦争で勝利したからだ。
第2次大戦の日本の敗北により、台湾は日本の一部ではなくなるが、そこからの歴史は壮絶である。
本書を読んだからこそ、台湾内の世論で、「独立」よりも「現状維持」を唱える人が多い理由がよく分かる。
果たして、中国はどう動くか。
台湾の土地は、日本の九州よりやや小さいぐらいの大きさしかないにも関わらず、人口は約2,300万人いるという。
九州地方の総人口1,300万人弱(沖縄除く)と比較すると、約1,000万人も多い。
台湾の人たちは、中国が香港に対して行った状況をよく観察している。
香港の人口は約700万人だ。
台湾でひとたび有事が起きれば、その影響の範囲は計り知れない。
被害を受ける人数も大規模になるだろうし、日本も巻き込まれることは必須である。
米軍が支援すれば、日本にある米軍基地は、標的にされる。
その時に自衛隊はどう動くのか。
直接は影響がなさそうだが、ロシア、北朝鮮はどう動くのか。
韓国はどうするのか。
何らかのピースが万一間違った位置にハマった場合は、第三次世界大戦の開始にも繋がりかねない。
戦争は絶対に起こさない方がいいに決まっている。
そんなことは分かっているが、巻き込まれたらどうしようもないのである。
各国と「絶対に引っ越しが出来ない、リセットできないお隣さんの関係」である以上、楽観的な考えを持つことは禁物だ。
望むと望まざるに関わらず、日本の周辺はそんな極めて高い緊張状態なのである。
幸福を望む以上は、この状況を正しく知る必要があるということだ。
(2024/7/15日)

0
2024年08月20日

Posted by ブクログ

わかりたい、理解したいのに
どうしても集中力が続かず、読み飛ばしてしまうことも多かったです。

台湾と中国の歴史についてはなんとか興味をもてました。

0
2025年01月31日

「社会・政治」ランキング