【感想・ネタバレ】赤い帝国・中国が滅びる日のレビュー

あらすじ

紹介
そうだったのか!
この一冊で現在の中国情勢のすべてがわかる!!
いま日本人が知っておくべきチャイナリスク2017 衝撃の真実!

中国の未来はどうなっていくのか
中国専門ジャーナリストの著者が未来シナリオと日本人の対処法を緊急指南。

「赤い帝国・中国」は今、南シナ海の軍事拠点化を着々と進め太平洋進出を意識できるまでに強軍化をはかり、
GDP規模世界第二位の経済大国として人民元を国際通貨入りさせることに成功した。
文化覇権は一番難航しているが、それでも習近平政権の庇護を一番強く受けている
万達集団の映画文化産業買収戦略はハリウッドを乗っ取る勢いだ。
通貨の強さは軍事に裏付けられ、文化の強さは通貨に裏付けられる。
この三つの覇権は三巴のように相乗効果を持って中国の野望の推進力となっている。
日本人の中には、中国よりも米国に反感を持つ人たちも少なくないが、
私はこの「赤い帝国」のほうにより脅威を感じる。
なぜなら中国のいま行っている思想統制や言論弾圧、人権弾圧は世界でも屈指の激しさであり、
法治の下の平等などは存在しない。
中国の価値観とルールに従わねばならない日を想像するとぞっとしないか。私ならば、
この「赤い帝国」の野望を阻はばみたい。
だが、ここにきて赤い帝国にもいくつものアキレス腱、リスクが存在することが明らかになっている。
党内部の権力闘争、暗殺、クーデターの可能性、経済崩壊、大衆の不満……。
もっともこうしたリスクは中国にとってのリスクというだけでなく、
日本を含む国際社会にも大いなるリスクである。その野望は阻みたいが、
かといって彼らが滅ぶ日が来れば、間違いなく日本にも負の衝撃が襲いかかる。
では日本はいったいどうすればいい? 何ができる? そもそも、中国のいまの内政や外交、
軍事における思想や行動や戦略を日本人は理解しているか?
まずは、そこからだろう。本書を読んでいただければ、習近平政権が今、どのような戦略を持って、
何を目指しているか、実際に何をやっているか、どんなリスクを抱えているかが、
おおざっぱながらつかめると思う。
それを知れば、おのずと日本側が内包するアキレス腱、リスクも見えてくるだろう。
読者の忙しい時間を少し割いていただいても無駄にならなかったと思える内容を
詰め込んだと自負している。最後まで読んでいただきたい。(「まえがき」より)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

人権弁護士狩り、香港書店関係者失踪事件、赤いAKB、天津大爆発、ゴーストタウン、シャドーバンク、大量のゾンビ企業、様々なキーワードがただ消費されていく中国関連報道だが、やはりきちんと体系化していかないと全体像が見えてこなかったり、意外なモノが繋がっていたり。
一党独裁ではあるが、集団指導体制を敷いている中華人民共和国。
果たして、習近平は毛沢東の再来となるのか、その苛烈な権力闘争の報復として、失脚あるいは実力で排除されるのか。『チャイナリスク』とは、ミリタリーな物だけでは無く、無理に無理を重ねている中国経済の破綻(あるいは破綻の表面化)、独裁体制強化に対する民心の離反及び事実上の反乱、暗殺による権力からの強制的な排除とその後の混乱など様々なケース及びそれらの複合した形態が予想されると言うことである。
それらの『チャイナリスク』を未然に防ぐためにも、日本に出来ることはやっていかねばならない。特に、今年は党大会が開かれるので誤ったシグナルを出さないように細心の注意が政府に求められる。

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2018年10月24日

Posted by ブクログ

中国の指導者による権力をめぐる内部抗争を詳細な解説する取材力は見事。冷徹で客観的な目で習近平政権の現実や、中国で台頭しているリスクを解説している。習近平政権の危うさは、対外的な強硬姿勢、固定化された貧富の差、軍制改革(軍区制から戦区制への変更)による特に陸軍の反発。

農民工と呼ばれる農村から都市部に出稼ぎに来た労働者の中で、特に1980年代生まれの若い世代は、SNSやネットを使った情報収集能力が高く、新しい形の知識層。既得権益を持つ都市部、共産党幹部との格差が、どこかタイの社会を分断する格差に似ている。

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2018年02月10日

Posted by ブクログ

題名は不必要にセンセーショナルだが、中身は冷静かつ客観的に現在の中国政府の内情を記した良書。

著者が示した今後の5つのシナリオの内、平和的なベストシナリオの実現を期待するが、現状はワーストに向かっている気がする。

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2016年12月22日

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