川村元気のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレほぼひとりぼっちな状態で、どうやって物語を構築するのか気になって読んだ一作。
まず1つ目にメインとなる魅力が不気味な異変。
原作のゲームはひたすら不気味な現象といったようなイメージだけど、本作の異変は主人公の抱えている問題と絡み合っている
その不気味かつ、ストリートと関連した異変がホラー小説たらしめている。
2つ目に群像劇的な要素。おにいさん、おじさん、こどもの三人の視点で進行する。8番出口に飲まれるとどうなるのか、おじさんの末路が印象的でした
混乱、異常、心理。つまりサイコロジカルな要素が個人的には刺さりました
映画の方の批評でもありましたが、こどもが異変を見つけたのに伝えない。何も言わずに進んでしまうハラハラ感があります。僕も最初はありました。しかし『おじさんもおにいさんもいへんをこわがっている』的な文章で推測するに。
恐らくですが、漢字をまだ知らない無垢なこどもは異変を異変として捉えられないんだと思います。
何も知らない、全てが初めてな子供からすれば何もかもが異変なんだと思われます。
でも扉の異変に唯一気がつけたりする理由がイマイチ分からない......こうなると夜も眠れない。
またドラマと関連させること。これは非常に難しい。不気味な雰囲気から離れて、海辺で遊んでいるシーン。これは相性が良いのか分からない。
一貫したイメージを壊しかねない。ラストがハッピーエンドっぽかったからそのための下地のような場面なのかなと思います。
以上。内容はスイスイ読めて凄い面白かったです。 -
Posted by ブクログ
88/100
ずっと読んでみたかった本が古本屋で売ってたからつい購入。川村元気の文章は分かりやすく、スラスラ読める。
内容が心に来る。最近私のおばあちゃんの誕生日会中におばあちゃんが急に倒れて救急車に運ばれることがあり、この小説に重ね合わせて何度も涙した。
上手な会話や意思疎通が簡単にできなくなってイラついてしまうこと、大切な人なのにその行動や言動が恥ずかしいと思ってしまうこと、理由をつけて会う優先度が高くない自分へのモヤモヤ、色んなことが重なる。
「半分の花火」は記憶がなくなっても、ずっと百合子が言っていた。一方で、泉が抱える母に対する不満はずっと無くなることがなく、大事な思い出よりもそのマイナス感情が出てくることが多かった。だからこそ、最後の反芻している部分では後悔や感謝、様々な感情が混ざりあった文章が印象的だ。
この本は内容的には重くはあるが、一輪の花や、花火、香織と泉の子供、海が見える施設、などポイントポイントが美しい描写があるので心なごやかに読み進めることができる。自分と向き合う時間になった。疲れた時に読みたい一冊。 -
Posted by ブクログ
くまさんの本棚からの選書。大人の絵本、友情と愛情の物語です。
ぼくとモグラがキツネに初めて出会ったシーンに発したモグラの箴言
「なにかがおきたときにどうふるまうか。それこそが、オイラたちにあたえられているさいこうのじゆうってもんさ。」
モグラが罠にかかったキツネに「罠さえなければころしてやる」と威嚇された後のモグラの行動とそのひと言は優しさと勇気をあらわしていました。
ピンチの時にこそ人の本性があらわれますよね。いつも少しふざけたキャラとのギャップも良かったです。
シーンはかわり、馬の背にのりながら
「今まででいちばん勇敢なことばは?」とたずねたぼくに馬はこたえた。
「たすけて」
助けをもとめるのは勇気がいりますよね。とてもよくわかるし難しいことです。
人生お互い助けをもとめられる距離感を保ちたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレソーシャルメディアなどで顔も見えない相手を攻撃する為の言葉があふれている世で、薄い中身のない会話をする同僚らに言葉を発さずに口角を上げるだけで意思疎通をする主人公が異質な存在に感じる。
喋らない主人公は、(実際に喋らないという訳ではない)言葉を話すことができない馬(ストラーダ)と同じ側にいる。
馬は言葉を持たないにもかかわらず、人間よりも深く人の気持ちを理解しているように感じられる。
馬に心を寄せる女たちは、言葉を超えた理解やつながりを求めているのだろうか。
主人公とストラーダとの繋がりと、よく喋る若いホストと御子柴の関係性は対照的だ。
表面上は好印象を装っていても、結局は本性を表す男たち。
そして、ストラーダもまた、清々しいまでの馬だった。というラスト。
いや、むしろストラーダは最初からお金なんかいらない。馬鹿らしい。と思ってただけで、人間みたいに本性を隠していた。なんて事ではない。
自分も馬が大好きだし、人間より動物の方が信頼できると思うから、主人公に共感してしまう。やっている事はよくないが。。淡々と生きてきたなら、ストラーダを養うにしても自分のやり方で、賢くできただろうに。
ストラーダと一緒にオシラサマになって欲しかった。 -
Posted by ブクログ
前作を読んでおり、続編ということなので読んでみました。
癒される、励まされる言葉がたくさん。
●あなたの心の中には、ほかのだれにも歌えない歌がある
●まっくらな日々もあったけれど、きみはあきらめなかった
●おそざきの花がさくときはしんじられないほどうつくしい
他人にやさしくするのは大切。でもそれ以前に自分にやさしくすること。
馬が男の子の頭にちょこんと顔を近付けて寄り添っている絵が、とても印象に残りました。
自分にやさしくしようという時に、この光景が同時に浮かび上がってくるだろうと思います。
モグラくんが言う
カルペ・ディエムの訳しかたが良かったです。
『きょうたべられるケーキをあしたへのこすな』
心に寄り添ってくれる、素晴らしい本でした。