すんみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
これも『82年生まれ、キム・ジヨン』からの流れで読んだ。同じ作者の短編集なんだけど、どれも読んでて苦しくなるような話が多くて1話読み終えるたびにけっこう疲弊した。なので進むペースは遅くなったけど、そのぶん一つひとつをちゃんと受け止めながら読めた気もする。
苦しさのなかに、ほんの少しの希望が見える話もあって、ただ絶望を突きつけられるだけじゃないのが救いだった。中には連作っぽくつながっている話もあって、小説としての構成も面白い。
フィクションなんだけど、全然他人事に思えなかった。描かれていることの多くが、今も現実に起きていることなんだと思いながら読んでた。社会の側が当たり前のように押しつけてる -
Posted by ブクログ
28の物語を収めたこの短編集では、28人分の女性の人生の一部分がそれぞれ描き出されています。いずれも、韓国の現代社会に生きる女性たちの、きっとリアルな生き様で、国を超えて共感できる部分も少なくありません。
セクハラとたたかう女性、結婚が招く理不尽さにあえぐ女性、労働環境の改善を訴える女性。日常のつらさに直面して、切り開こうと努力する、あるいは受け入れて消化する、彼女たちの問題への対処のスタイルはそれぞれだけれども、芯があってその道行きを応援したいと静かに思う。女だからではなく、人として当たり前のしあわせを掴んで欲しい、と思うから。
最後の一編は小学生の出馬宣言で締めくくられます。どこか背伸び -
Posted by ブクログ
「82年生まれ、キム・ジヨン」からの流れで読んだ。引き続き少なからずショックを受けた。女性たちが日常の中でこんなにも多くの形で打ちのめされながら、それでも何もなかったかのように生きているのかと。事実や例がこれでもかというほど突きつけられて、俺たちは本当に見えていなかったんだなと思い知らされる。
ここで単に「女性すごい」「女性えらい」「女性の皆さんごめんなさい」と言って済ませてはいけないんだろうとも思う。もちろんそういう気持ちが端緒になることはある。でもそれだけではきっと足りないよなあ。
メタ的な視点になるけど、本書を読んでいて引っかかったのは治安のコストに関する記述だった。女性が一人暮らし -
Posted by ブクログ
それぞれの話の背景には住宅格差、厳しい学歴社会、就職難、ストライキ、デモ参加などが見え、日本社会ではそれほど馴染みがないこれらに「韓国って日本より過酷だな」と呑気に思ってしまうかもしれない。しかし解説にある通り、男女格差は日本の方が遥かに遅れており、危機感を持ちたいところだ。韓国のジェンダーギャップ指数が日本を上回ったのはこの本の女性たちのように声を上げ続ける人がいたからだ。著者がこの本や『82年生まれ、キム・ジヨン』を書いたように、作家たちが世界に発信し続けているからだ。
28人の韓国人女性たちの声が聞こえる。日本人であっても女性ならばきっと誰かに共感し、互いを抱きしめ合いたいと思うだろう -
Posted by ブクログ
「チカ」
静かで穏やかで、やさしさのような、不穏なような、歪な自由について。どんな経緯であっても、故人だったとしても、人間の要望の方がロボットの存在(いのち?)より重い世界であることも含めて、結末にはればれとした自由と心ざわめく気持ちがしました。
チカのバレンタインさんは「苦痛を感じられないものは本物とは言えない」と言いつつ、痛みを知っていたのかしら。それとも、バレンタインさんの言う「苦痛」は身体の感覚としての痛みだけなのかしら。チカはバレンタインさんにとって本物だったのかしら。
あとは「恋人は済州島生まれ育ち」「ヒョンジョン」が好き。ヒョンジョンは無事だとよい。 -