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未来のために、「次の人」のために立ち上がる女性たち、28の物語。セクハラにあった女性が闘い続ける理由とは? 推し活で届けたい言葉とは? 地下2階の部屋に住む女子生徒の悩みとは? 文庫版のための著者メッセージも収録! 日韓累計165万部突破の『82年生まれ、キム・ジヨン』の次作短編集。文庫解説=桜庭一樹、解説=成川彩 推薦文=王谷晶、伊藤詩織
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Posted by ブクログ
これも『82年生まれ、キム・ジヨン』からの流れで読んだ。同じ作者の短編集なんだけど、どれも読んでて苦しくなるような話が多くて1話読み終えるたびにけっこう疲弊した。なので進むペースは遅くなったけど、そのぶん一つひとつをちゃんと受け止めながら読めた気もする。 苦しさのなかに、ほんの少しの希望が見える話...続きを読むもあって、ただ絶望を突きつけられるだけじゃないのが救いだった。中には連作っぽくつながっている話もあって、小説としての構成も面白い。 フィクションなんだけど、全然他人事に思えなかった。描かれていることの多くが、今も現実に起きていることなんだと思いながら読んでた。社会の側が当たり前のように押しつけてる役割とか沈黙とか、そういうものが物語の中に静かに埋め込まれててそれがリアルだった。
28の物語を収めたこの短編集では、28人分の女性の人生の一部分がそれぞれ描き出されています。いずれも、韓国の現代社会に生きる女性たちの、きっとリアルな生き様で、国を超えて共感できる部分も少なくありません。 セクハラとたたかう女性、結婚が招く理不尽さにあえぐ女性、労働環境の改善を訴える女性。日常のつら...続きを読むさに直面して、切り開こうと努力する、あるいは受け入れて消化する、彼女たちの問題への対処のスタイルはそれぞれだけれども、芯があってその道行きを応援したいと静かに思う。女だからではなく、人として当たり前のしあわせを掴んで欲しい、と思うから。 最後の一編は小学生の出馬宣言で締めくくられます。どこか背伸びしたような、けれど純然として理路整然なうつくしい問題提起が、問題として受け入れられる社会になるよう、願ってやみません。
それぞれの話の背景には住宅格差、厳しい学歴社会、就職難、ストライキ、デモ参加などが見え、日本社会ではそれほど馴染みがないこれらに「韓国って日本より過酷だな」と呑気に思ってしまうかもしれない。しかし解説にある通り、男女格差は日本の方が遥かに遅れており、危機感を持ちたいところだ。韓国のジェンダーギャップ...続きを読む指数が日本を上回ったのはこの本の女性たちのように声を上げ続ける人がいたからだ。著者がこの本や『82年生まれ、キム・ジヨン』を書いたように、作家たちが世界に発信し続けているからだ。 28人の韓国人女性たちの声が聞こえる。日本人であっても女性ならばきっと誰かに共感し、互いを抱きしめ合いたいと思うだろう。男性読者は、身近な女性たちの苦しみがここに書かれていると理解できてほしい。自分を含め日本人はもっと今の社会に対して声を上げなければ。フェミニズムだけでなくストライキやデモ参加だってもっと近くにあって良いと思う。冷笑して距離を取るのではなく。 解説の桜庭一樹の、家父長制の悪を凝縮したグロいエピソードが強烈すぎて呆気に取られた。もうこういう発言を浴びせられる人がいませんように、と願っているけれどきっとまだ道のりは遠い。私も岩に卵を投げつけるひとりとなろう。
日本より酷い女性の人権のなさに、暗い気持ちになりながら読んだ。 多少前向きな流れでそれぞれの物語を締めてはいるが、もちろん何の解決もしていない。 そんな思いで読み終えようとしていたが、最後に爆弾があった。 桜庭一樹氏による解説、この中のエピソードが一番おぞましく、吐き気がした。 都会で育った私です...続きを読むら、祖父母や父による母の処遇は今思えば許し難いものがあるのだから、田舎という閉鎖的な世界に住む人の考え方は推して知るべし、なのだろうか。
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チョ・ナムジュ
小山内園子
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